こどもたちに「たのしい授業」を1時間でも多く体験してほしい
仮説社は,月刊誌『たのしい授業』を軸に,教育書を主に刊行している版元です。「たのしい授業」という雑誌名の通り,子どもたちが学校で一番長い時間を過ごす「授業」を,子どもたちが「楽しい」と思えるようなものにしたいと願っています。
そのときそのときの対処療法だけでは,学校での様々な問題,学ぶ意欲の減退,不登校やいじめなどが解決することはないでしょう。根本解決のためには,子どもたちが授業の中で本当に満足を得て,自分のことはもちろん,一緒に授業を受けている他の子どもたちのことを認め合えるようになることが必要だと考えます。わたしたちのいう「たのしい授業」とは,そういうことをクラスで実現するための授業です。
これはもう,今の教科書での授業では到底無理で,教育を根本から改革するということにほかならないと思っています。ですから20年や30年で実現するとは思っていません。じっさい,仮説社はすでに47年間営業をしていますが,まだまだ道半ばです。目標はまだまだ遥か遠くです。
しかしこれからも,「仮説実験授業」という「たのしい授業」を実現するための手立ての普及のための書籍を出し続けると同時に,世の中の出来事を科学的に捉えるために手助けとなるような書籍や絵本の刊行にもますます力を入れてゆきます。
教育の根本的改革を目指す「仮説実験授業」とはなにかということは,この本をぜひお読みください。板倉聖宣・犬塚清和・小原茂巳『板倉聖宣の考え方』。
「仮説実験授業」以外にも,少しでも子どもたちが楽しい授業が体験できるための手立てになるような,授業のプランや,書籍も出しています。
最近の刊行本から紹介させていただきます。
まずは,『海のミクロ生物図鑑』という稚魚や仔魚の図鑑です。と言ってもただの魚の図鑑ではなく,「チリメンモンスター」と呼ばれている,チリメンジャコの中に混じっている海の様々な生き物の赤ちゃんの専門図鑑です。そんな図鑑,一体誰が見るの? と思われるでしょうが,これは,チリメンジャコの中に混じっている海の様々な生き物の赤ちゃんを見つける作業をすることで,海の中の生物の多様性を垣間見ることができる授業をするときに役立つ図鑑なのです。
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教師向けの本だけでなく,子ども向けの本も出しています。最近では,板倉聖宣『なぜ学ぶのか』を出しました。
また,初めて仕掛け絵本にも挑戦しました。仕掛けがある本は読むのはとっても楽しいと思いますが,作る方は大変です。
きむらたえこ さく,みぞくちともや え『このあな なんじゃ――ひがたのいきものへん』
そして,仮説実験授業を実践している現役教師が書いた絵本も出しました。『あさ』という絵本です。なんでもない,ある小学校の朝,まだ授業が始まる前のひとときを描いた絵本なのですが,時間に追われ,親に追われ,先生に追われ,とにかく自分自身からも含めて何かに追われている方々にぜひ読んでいただきたい絵本です。自分のまわりの身近な人の心をゆっくりと思いやってみたくなります。そんな身近なところにに,幸せが,楽しい時間があるのではないでしょうか。
扇野剛ぶん,羽尻利門え『あさ』
ぜひHPを覗いてみてください。
www.kasetu.co.jp