忙しい、眠い、11月
今年の秋は忙しかった。イベントに次ぐイベント。イベント後には懇親会なんかもあるし、終わればすぐ次のイベントの心配。その間に通常業務やプライベートの用事もあるので、心も身体もずっと忙しかった気がする。そのせいか土日のどちらかは1日中寝ているような日が多かった。
BtoBやらBtoCやら、さまざまなイベントがあった中で、11/6・7に開催された東京版権説明会はまだ参加2年目ということもあり、印象に残った。
元は東京国際ブックフェアにかわる版権交渉の場をという趣旨で、わずか2社が始めたイベント。それが年を追うごとに参加社が増え、昨年からは事務局にJPICが加わった。コロナ禍を経てパワーアップして帰ってきたわけだ。
中台韓を中心に海外の出版社や版権エージェントが集まるこのイベント。商談の決め手となるのは、「言葉の壁を超える内容かどうか」。この観点で本を紹介していくと、著者のネームバリューや、「詩的な余韻」「ユーモラスな筆致」といった国内だけで通用する特長はそぎおとされ、きわめて本質的な内容で勝負することになる。だから国内で評価されている作品でも、紹介する過程で「あれ? こんなにつまらなそうな本だっけ?」と感じることもある(そういう作品でも数か国に売れたりするから、バイヤーさんってすごい)。
そんなときは新刊時の書評をふりかえる。各評者の立ち位置から光があたることで浮かびあがる普遍性があって、その一点で言葉の壁を超えられることもあると思うからだ。書評をこんな形でありがたく思うこともあるんだな、と、評者さんへの感謝とともに、データを取っておくことの意義をかみしめた。
商談はあらかじめアポイントを入れてもらってのぞんだのだが、一番ぎゅうぎゅうにつめこんだのが30分×5連続ミーティング。担当は私一人なのでしゃべりっぱなしで脳が疲れたし、トイレにもいけなかった。来年は3連続が限界だなと思っている。