納品の旅(取次搬入)
弊社のレギュラー業務のひとつに、取次搬入があります。もちろん新刊搬入のことではなくて、補充や客注の本の納品です。他の小規模版元さんたちと同じく、編集・DTPなどの制作管理や、宣伝活動を含む営業なども自社でしていますが、納品はちょっと珍しいと言われます。各取次さんの注文受品口というところへ持っていくのですけど、うちの場合、五軒町と王子と戸田(OKC)です。
取次さんの物流センターではいろいろ改革がなされているそうで、「取次側で前もって搬入の詳細を把握していると書店に早く届く」「だから小口受品口でなくあっちに行け」とプレッシャーがかかったり、「もう閉める」とお達しが来たりします。あるいは「いい加減もう自分で行くのやめろ」と同業の方々から言われたりもするのですが、楽しいのでやめられません。
確かに水道から戸田に変わったときは、もはやこれまでか!と観念もしたのですが、「旅がちょっと延びるだけ」と覚悟を決めたら何とかなりました。王子でさえ遠いと思っていた頃から、ぐるっと搬入してくることを「納品の旅」と呼んでいたのですが、今は本当に旅です。ちょっと疲れます。ただ、戸田にはいいこともあって、取引のない栗田さんも同じ物流センターなので「仲間渡し(仮伝処理)だけど、搬入だけは直接」が可能になりました。日数的には取引がある場合と同じ、というわけです。
以前は週に1回行っていたのですが、おかげさまでだんだん荷物(納品する本)が増えてきて、昨年の後半から「4営業日に1回」くらいになり、最近はほぼ週2回になりました。荷物が増えてきたら車にしよう、もっと増えたらトラックを買おうと思っていたのですが、1回の荷物を増やすより行く回数を増やすほうが「物流改善」ですよね(自画自賛)。だいたい、都心やあの中山道の渋滞を考えたら、車でちんたらなんて行ってられません。
他の人が「作ったり売ったり」している間に延々とバイクを飛ばしていて何が楽しいかというと、まあ「ドライブと一緒」ってことだと思います(道が空いてたらクルマのほうがいいけど)。何かいいアイデアが浮かぶのは、だいたい走っているときです。いいアイデアとまで行かなくとも、苦手なオビや新刊案内のコピーなども、机に向かってひねり出したものよりマシなのが浮かびます。
普段の業務に疲れたら、ちょっと違う納品方法、いかがでしょうか。
(前のカゴと足下とメット入れと後ろに積んで出掛けます)
(こちらは手書きの納品書。取次さんで売ってます。創業当時から使っていて現在33号なり)