弊社の新刊書『お金が好きな人のための聖書入門』（古賀清敬著）をご紹介したい。
　著者は牧師で、現在北星学園大学文学部教授である。
　オビには次のように書かれている――「お金儲けは悪いことですか？」　お金との付き合い方を見れば、その人のすべてがわかります。

　まあ、すべてがわかるかどうかはともかく、私はかなりのことがわかると思っている。本書を出版したいと思い立ったのは、数年前のこと、違法なインサイダー取引で逮捕された某ファンド投資家が記者会見の場で、「お金儲けは悪いことですか？」と嘯いたのだ。
　記者たちは寂として声もない。ただの一人として、「悪いに決まってる！」と声を上げなかったのである。見ていた私は猛烈に腹が立った。これこそまさに、故三島由紀夫氏がかつて、「日本人はみなマーチャント（商人）になってしまった」と嘆いていたことなのだろうと思わざるを得なかった。
　社会や文化に還元しない金儲けなど、悪いに決まっているではないか。自分の貯金通帳の金額を眺めて愉しんでいる連中など碌なものではない。私は若い頃からそう信じ込んできたので、実にもう心外だったのである。
　さらに、私は出版社を始めたことで、金銭的に大変な迷惑をみなさんにかけてしまった。いや、現在もなおおかけしている。私のことを詐欺師呼ばわりする方もいるぐらいだ。申し訳ないと、心から思っているし、今頑張っているのも、信じられるかどうかはともかく、恩返しをしなければという強い思いからなのだ。
　言い訳をしているのでも、開き直っているのでもない。私のお金に関する考え方は、本書にきちんと表されていると思う。本書を通じて、こういう考え方をする人間もいるのだとわかっていただければ幸いだ。
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