愛読者
当社の刊行物には、愛読者アンケートというはがきを挟み込んでいます。
金融業界向けという少々お堅い内容の出版物を発行しているからか、読者の皆様から生の声をいただくことはあまり多くありません。
(悲しいかな、誤植などのご指摘は頂戴します…)
アンケートはがきが届く枚数もそれほどたくさんではないのですが、中には感想欄にびっしりと「どこがよかったか」「どう役に立ちそう(役に立った)か」を書いてくださる方もいらっしゃって、直の感想とはこんなに励みになるものか…としみじみ感じます。
この「感想」というもの、編集者である私たちがもらってもこれほど嬉しいのですから、原稿の執筆者にとっては、一層心に響くものではないかと思います。
そこで思い出すのが、編集として採用されてすぐのころ、先輩編集者から言われた言葉です。
「原稿を受け取ったら、必ずお礼に感想を添えること」
我々は編集者であると同時に、最初の読者であることを忘れるな、というものでした。
今の時代、原稿の受け渡しはメールがメインですので、仕事が切羽詰まっているときは、ついつい「原稿のご送付、ありがとうございます」とだけ返してしまいそうになります。
受け取った編集者の顔が見えないうえにそれでは、執筆者も甲斐がないというものですよね。
もちろん、直接お会いできるなら面と向かって、お手紙を書く時間があるなら、手書きのお手紙を差し上げることが一番でしょう。
そこまではなかなかできない…というときには、日常的なやりとりの中で少しずつ感想をお伝えすることが、ほんの少しでも執筆者の励みになるのではないかと信じて続けています。
今後も、執筆者の皆様の「最初の読者」でありたいと思っています。
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