新思想誌『nyx』(ニュクス)創刊の裏側
新しい思想誌をだすことが決まったのは、2014年3月21日のこと。
若い研究者の方と飲みながら話が盛り上がり、
「やりましょう!」で、その日は楽しく解散。
そこからメールの応酬(と手配)の日々を経て企画がまとまり、
5か月と少し経った2014年9月1日、
みなさまに創刊をお知らせできる状態となりました。
新しい思想誌『nyx』(ニュクス)。『nyx』
2015年1月に創刊します。
創刊の主旨は堀之内出版ブログに書きましたので、
ここでは制作についてなど書かせていただきます。
企画決定飲み会の前から、その研究者の方より「こういう書き手がいる」
「この方の研究が面白い」とご紹介をいただいていました。
ただ、そうした方々全員にいきなり単行本をお願いすることもむずかしい。
それをこの機会に、ということで何人かの方と直接お話をさせていただき、
企画をご相談させて頂いて、創刊号は特集2本を掲載することとなりました。
第一特集は「〈エコノミー〉概念の思想史 アリストテレスからピケティへ」、
第二特集は「現代ラカン派の理論展開」です。
そこからさらに「あの人に書いて頂きたい」「外国の論稿があったほうが」
と企画が膨らみ、気が付いたら翻訳原稿も多数もりこんだ、
豪華なラインナップが予定されました(詳細はまた追って公表いたします)。
器である本のデザインは、今回、テキストが中心ということもあり、
フォントデザインをされているデザイナーさんに装幀と、
ロゴ制作をお願いしました。
はじめてお願いするデザイナーさんでしたが、
その方の装幀は以前から気になっており、今回、お願いすることがかなって、
ひそかにそれだけでも、編集者としては嬉しかったりしています。
ロゴは、ギリシャ文字をベースにした、
うつくしいフォルムのロゴにしあげていただきました。
「古典性とアグレッシブ」に「夜(ニュクス)の柔らかさ」
というイメージで作ってくださったそうです。
これは、アルファベットの案などもあったのですが、
執筆者や執筆者の海外ご友人などにも意見をお伺いし、
“the most aesthetically pleasing”とも評された、
現在のバージョンで決定しました。
これから、創刊に向けて、実際の制作作業にも入ってきます。
ひとりで黙々と作業することもできますが、
過程の情報を随時お届けしながら、
新しい媒体が誕生すること自体を、書き手、作り手、読み手、
多くの方々と楽しみたいと思っています。
そして、完成した『nyx』から、また次の議論、
新しい何かが生まれることを期待しています。
『nyx』のこれからに、ぜひご注目ください。
「歴史の夜の深い闇の中から浮かび上がる一筋の光が、
学問と世界における困難な状況への道標となることを願って。」
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