編集者の仕事は雑用のカタマリ
お正月に「おばちゃんってさー、おしごと何してるのー?」と姪っ子から質問。
会うたびに聞かれているような……。
こどもの質問に真摯にこたえたいものの、「本をつくってるんだよー」というと「書いてるのー?」と聞かれ「書いてはいないんだけどねー」というと、そこから先がいつも適当に。
「何をしているのか」
はいつもうまく答えられません。
2019年12月20日、波野發作さんが下記ツイートを投稿されていました。
#編集は何をしているのですか
という問いかけに答えるために、アンケートを取ったところ、60人ほどから回答が得られた。
その結果です。
すべて「編集」の仕事です。
あのときは「編集とは、やる人がいない残りの仕事を穴埋めして、発行までこぎつける」のが仕事だと仮に結論付けらましたね。
こちらに掲載された図をみて「そうそう、これこれ!」となった編集者は少なくなかったようです。
私も思わず引用ツイートをしました。
あと原価計算、重版手配、イベント設営撤収、とか?
ストリップ修正が入ってる。笑
午後6:36 · 2019年12月20日
ストリップ修正(Wikipedia)は、アナログ時代の仕事なので、「笑」になりました。
企画は「雑」用と言ってしまうと少し乱暴かもしれません。また、原稿やゲラを読んだり、校正校閲することは比較的まとまった時間と思考を使うメインの仕事ですが、波野發作さんの言い方を少し変えると「本が完成するまでに必要なすべての雑用引き受け」が編集の仕事の全体と言えるのではないでしょうか。
次の弊社の新刊は絵本です。
『猫のミーラ』
この本は製本や印刷にこだわった1冊なので、著者の井上奈奈さん、デザイナーの阪口玄信さんと池田敦さん、藤原印刷さんとで綿密な意見交換を行いました。
それらの情報を統合して、予算や目的と付け合わせ、実現へ向けて奈奈さんに決定事項を確認します。
また、本が完成したらすみやかに本が多くの読者へ届くよう、書店さんへの案内チラシをだしたり、イベントの手配をしたりしました。
「おしごと何してるの?」
とまた姪に聞かれたら、本ができるまでの工程と、その時何をしていたかを今度少し丁寧に話してみたいと思います。
いま小学校3年生の彼女が最近読んでいるのは『14歳からの哲学』。
その奥付を見せて「この社長さんの工藤さんと知り合いなんだよ」と言ったら「うそ!すごい!!」とはじめて尊敬の眼差しをうけました。笑