「一冊!取引所」と、新サービス「一冊!リトルプレス」のこと
ミシマ社の岡田と申します。IT企業から転職して5年目、書店営業をしつつ、デジタル関係の業務を広く担当しています。
最近は「一冊!取引所」のシステムまわりの業務の比率が高くなっており、書店さんに新刊の提案をしながら、「ぜひ一冊!取引所から発注してください。私が作っています」と説明するハイブリッドなスタイルで営業しています。
今回、版元日誌の当番をいただいた機会に、一冊!取引所の現状と、新サービス「一冊!リトルプレス」をご紹介いたします。
まず、はじめて聞く方もいらっしゃると思いますので簡単にご説明しますと、一冊!取引所は、書店と出版社の現場をつなぐWeb受発注のプラットフォームです。
最初のステップとしては「脱FAX」、つまり今までFAXでやっていた「本の情報を送り、受注し、出荷通知をする」という動きを、Web上の受発注やチャット機能でできるようにしています。
書店は無料、出版社は月額課金という料金で運営しており、2020年6月のサービス開始から2年半で約120の出版社と1,200の書店にご参加いただいています。(使っていただいている版元ドットコム会員社の皆様、ありがとうございます!)。
ところで書店や他出版社の方から「一冊!取引所はミシマ社がやってるの?」と聞かれることがあるのですが、実際には「株式会社一冊」という会社が運営しています。株式会社一冊の代表はミシマ社代表でもある三島が務めているのですが、独立した別会社として経営しており、ミシマ社は業務委託を受けて開発や営業に協力しています。
話を戻しまして、一冊!取引所は「脱FAX」を実現しつつ、全く新しい機能も開発しています。昨年は、
といった新機能を実装しました。
その上で、年末12月にリリースした新たなサービスが「一冊!リトルプレス」です。
一冊!リトルプレスでは、商業出版の出版社に限らず、小規模なリトルプレスやZINEの発行者・発行社にも一冊!取引所を使っていただけるように、機能や料金プランをカスタマイズしています。
個人でリトルプレスを作っている方も、「一冊!チョイス」「一冊!決済」といった便利な機能を使って営業や精算をシステム化できます。
これによって、リトルプレスを卸したい人と仕入れたい書店をスムーズに結びつけ、今まで以上に面白いリトルプレスが生まれて流通し、書店も読者もふくめた出版界全体が賑わっていく、という未来を目指しています。
と言いつつ、今の時点ですでに新しい時代は来ていまして、私の営業担当エリアでも次々に新規の個人店が開店して、一冊!取引所経由のクレジットカード決済による直取引をスタートしています。そういうお店に挨拶に行くと見たこともないリトルプレスが並んでいたりして、店ごとに違う景色があります。
大きくは「脱FAX」の便利な仕組みを実現していきつつ、個人店やリトルプレスで起きている新しい動きにも対応したシステムを作って行きたいと思っています。
ご興味ある方はぜひユーザーとしてご参加いただき、書店と出版社の現場をつなぐ新しい方法を一緒に考えていきましょう。
まずは一冊!取引所を見に来ていただければ幸いです。