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「命のヴィザ」の考古学 菅野 賢治(著) - 共和国
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「命のヴィザ」の考古学 (イノチノヴィザノコウコガク)

歴史・地理
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発行:共和国
四六判
縦188mm 横130mm 厚さ18mm
重さ 350g
368ページ
並製
価格 3,200円+税
ISBN
978-4-907986-29-2   COPY
ISBN 13
9784907986292   COPY
ISBN 10h
4-907986-29-7   COPY
ISBN 10
4907986297   COPY
出版者記号
907986   COPY
Cコード
C0022  
0:一般 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年9月30日
書店発売日
登録日
2023年9月11日
最終更新日
2023年11月24日
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書評掲載情報

2023-11-18 朝日新聞    夕刊  2023年11月20日付
評者: 永井靖二(編集委員)
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紹介

日本のシンドラー神話はいつ始まったのか?
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さまざまなメディアで話題を呼んだ前著『「命のヴィザ」言説の虚構』(2021)に続く、「検証・日本のシンドラー」第2弾。1980年代から現在までに制作された映画やTV番組、さらに国内外の情報を精査・博捜し、戦後史上最大の「美談」形成の謎に迫る。

定価3200円+悪税

目次

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序章  『虚構』の反響
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第一章  「命のヴィザ」映画、四本を検証する
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映画が作る歴史
偶像崇拝のタブーをめぐる決疑論/屁理屈
『命のビザ 六千人のユダヤ人を救った日本領事の決断』1992
『ビザと美徳』1997
『日本のシンドラー 杉原千畝物語』2005
『杉原千畝 SUGIHARA CHIUNE』2015
隠されてしまったもの──「スクリーン」の意味

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第二章 日記と回想録のなかの〈あの時〉1940.6-8
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六人の日記・回想録著者
ソ連軍進駐前夜の雰囲気
ソ連軍進駐
一般市民の受け止め
「雨を逃れて拷問台の下」
日常生活の「赤化」
宗教に対する戦争
身柄拘束の危険
着実なソヴィエト化
それでも「ナチスの脅威」を語るならば
国外脱出の可能性
「キュラソー・ヴィザ」と杉原ヴィザへの言及
「一・五次資料」と「二次資料」のあいだ

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第三章 「命のヴィザ」の誕生
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最初の賛辞 1944-1956
小辻節三のユダヤ教改宗 1959
小辻節三による杉原死亡説 1959-1964
ベンジャミン・グレイから杉原弘樹への手紙 1963
ゾラフ・ヴァルハフティグのインタヴュー 1965
杉原千畝のロシア語覚書 1967
「命のヴィザ」言説の誕生──『朝日新聞』の記事 1968
一度目の「諸国民のなかの義人」認定審査 1968-1969
マーヴィン・トケイヤーと杉原千畝 1968?
加瀬英明「日本のなかのユダヤ人」1971
小辻節三の死 1973
犬塚惟重のシガレット・ケース(その一)1975-1979
犬塚きよ子による『河豚計画』批判 1979
犬塚惟重のシガレット・ケース(その二)1979-1982
小辻節三の「反ユダヤ論」について
『河豚計画』執筆の背景への洞察
『河豚計画』におけるナラティヴの自壊 1979
フジテレビ番組『運命をわけた一枚のビザ』1983
ゲアハルト・ダンプマン『孤立する大国ニッポン』1981
二度目の「諸国民のなかの義人」認定審査 1983-1984
ゾラフ・ヴァルハフティグの回想録『ショアー期の難民と生存者』1984
「命のヴィザ」言説の確立 1985
顕彰をつうじての贖罪──「命のヴィザ」の現象学に向けて 1986~

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終章 杉原幸子『歌集 白夜』の謎
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関連年表

前書きなど

《本体は三章構成である。第一章では、「命のヴィザ」を主題として制作されてきた過去四本の劇映画を歴史考証の観点から批判する。第二章では、一九四〇年夏のリトアニアで、あるユダヤ教指導者が丹念に綴っていた日記、ならびに元ユダヤ難民たちによって綴られた五種の回想録を紹介しながら、それらの記述が、のちの映画作品はもちろん、その元となっている杉原千畝、幸子の証言・回想ともいかに大きな乖離を呈しているかを確認する。そのうえで、第三章では、「命のヴィザ」言説の誕生と、その揺るぎなき確立の過程を、現時点で可能な限り見極めることとする。》
――「序章」より

著者プロフィール

菅野 賢治  (カンノ ケンジ)  (

1962年、岩手県に生まれる。東京理科大学教養教育研究院教授。
パリ第10(ナンテール)大学博士課程修了。専門は、フランス語、ユダヤ研究。
主な著書に、『「命のヴィザ」言説の虚構』(共和国、2021)、『フランス・ユダヤの歴史』(上下、慶應義塾大学出版会、2016)、『ドレフュス事件のなかの科学』(青土社、2002)がある。
主な訳書に、アーノルド・ゼイブル『カフェ・シェヘラザード』(共和国、2020)、ヤコヴ・ラブキン『トーラーの名において』(平凡社、2010)、レオン・ポリアコフ『反ユダヤ主義の歴史』(共訳、全5巻、筑摩書房、2005~07)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。