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収容所のプルースト
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年1月
- 書店発売日
- 2018年1月27日
- 登録日
- 2017年12月20日
- 最終更新日
- 2018年12月19日
書評掲載情報
2018-08-06 |
週刊エコノミスト
2018年8月14・21日合併号 評者: 渡部朝香 |
2018-05-01 |
Meets Regional
2018年6月号 評者: 永江朗 |
2018-04-23 |
TBSラジオ「東京ポッド許可局」
4月23日放送 評者: サンキュータツオ(学者芸人) |
2018-04-20 |
ふらんす
2018年5月号 評者: 柏倉康夫 |
2018-04-07 |
北陸中日新聞
朝刊 評者: 松岡等(同紙記者) |
2018-04-06 |
文藝
夏号 評者: 佐藤究(小説家) |
2018-03-18 |
朝日新聞
朝刊 評者: サンキュータツオ(学者芸人) |
2018-03-09 |
週刊読書人
3月9日号 評者: 芳川泰久(文芸評論家、早稲田大学教授) |
2018-02-27 |
日本経済新聞
夕刊 評者: 山本貴光(批評家・ゲーム作家) |
2018-02-25 |
徳島新聞
朝刊 評者: 高遠弘美(明治大学教授) |
2018-02-24 |
図書新聞
3月3日付3341号 評者: 高遠弘美(明治大学教授) |
2018-02-20 |
苫小牧民報
朝刊 評者: 高遠弘美(明治大学教授) |
2018-02-17 |
新潮45
3 評者: 佐久間文子(文芸ジャーナリスト) |
2018-02-08 |
日本経済新聞
夕刊 評者: 陣野俊史(批評家) |
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重版情報
4刷 | 出来予定日: 2021-03-30 |
3刷 | 出来予定日: 2018-05-31 |
2刷 | 出来予定日: 2018-04-06 |
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不滅の長篇プルースト『失われた時を求めて』についての優れたガイダンスとしてのみならず、世界文学論、読者論としても評価の高いタイトルを、ひさしぶりに重版します。 |
紹介
1939年のナチスとソ連による相次ぐポーランド侵攻。このときソ連の強制収容所に連行されたポーランド人画家のジョゼフ・チャプスキ(1896 - 1993)は、零下40度の極寒と厳しい監視のもと、プルースト『失われた時を求めて』の連続講義を開始する。その2年後にチャプスキは解放されるが、同房のほとんどが行方不明となるという歴史的事実の過程にあって、『失われた時を求めて』はどのように想起され、語られたのか? 現存するノートをもとに再現された魂の文学論にして、この長篇小説の未読者にも最適なガイドブック。
目次
編者による注記 ✶ 005
収容所のプルースト ✶ 011
後注 ✶ 106
ジョゼフ・チャプスキ略年譜 ✶ 137
ジョゼフ・チャプスキ著作一覧 ✶ 151
プルースト、わが救い 訳者解説にかえて 岩津航 ✶ 154
グリャーゾヴェツ・ノート ✶ 別丁
前書きなど
「プルーストに関するこのエッセイはもともと、一九四〇年から一九四一年にかけての冬のあいだ、ソ連のグリャーゾヴェツにあった元修道院の冷えきった食堂、すなわち捕虜収容所の食堂でもあった部屋において口述筆記されたものである。
以下に読まれる文章が正確さを欠き、主観的であるとすれば、それは収容所に図書室がなく、自分のテーマに見合った本が手元に一冊もなく、最後にフランス語の本を読んだのが一九三九年九月だったということに、いくらかは起因する。わたしがなるべく正確に描こうとしたのは、プルーストの作品に関する記憶でしかない。だから、これは言葉の本当の意味では文学批評ではなく、わたしが多くを負っていた作品の思い出、私が二度と再び生きて読み直すことができるかもわからなかった作品についての思い出を提示したものである。
〔……〕
シベリアと北極圏の境界線の辺りに跡形もなく消え失せた一万五千人の仲間のうち、なぜわたしたち四百人の将校と兵士だけが救われたのかは、まったく理解できない。この悲しい背景の上に置くと、プルーストやドラクロワの記憶とともに過ごした時間は、このうえなく幸福な時間に見えてくる。
このエッセイは、ソ連で過ごした数年のあいだ、わたしたちを生き延びさせてくれたフランスの芸術に対するささやかな感謝の捧げ物にすぎない。」(「著者による序文・1944年」より)
版元から一言
好評の[境界の文学]シリーズ、第5弾。
上記内容は本書刊行時のものです。