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[増補新版]抵抗者たち 池田浩士(著) - 共和国
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[増補新版]抵抗者たち (テイコウシャタチ ゾウホシンバン) 反ナチス運動の記録 (ハンナチスウンドウノキロク)

歴史・地理
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発行:共和国
四六判
縦188mm 横130mm 厚さ23mm
344ページ
並製
価格 2,500円+税
ISBN
978-4-907986-39-1   COPY
ISBN 13
9784907986391   COPY
ISBN 10h
4-907986-39-4   COPY
ISBN 10
4907986394   COPY
出版者記号
907986   COPY
Cコード
C0022  
0:一般 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年3月
書店発売日
登録日
2018年3月5日
最終更新日
2018年3月30日
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書評掲載情報

2018-07-14 図書新聞  2018年7月21日号
評者: 森元斎
2018-06-23 図書新聞  2018年6月30日号
評者: 藤原辰史
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紹介

ヒトラーに抗した人びとの生と死、そしてその後を追う、アンチ・ナチス・ドキュメント。
失われゆく自由のなかで、なぜ、彼女/彼らは自分の生命を賭してまで、ナチスに抗ったのか。〈国民〉、白バラグループ、キリスト者の活動など、歴史的事実やフィクションを緻密に検証し、暴力と抵抗の足跡を明らかにした、著者の代表作。ナチスに自分を委ねることなく時代に抗った人びとの試みから、いま日本の現実を生きる私たちの姿が逆照射される。

目次

 
序章 最後の蜂起──オーストリア・一九三四年 

コロマン・ヴァリシュの道 英雄の生と死ではなく われわれはなぜ沈黙したのか? 敗北のなかにあるもの

  
第1章 消された叫び──白バラと将校グループ 

夜と霧の始まり ヒトラーの翳のなかで育って 白バラ・グループの生と死 旧体制からの反対派 破局に向かうドイツ? 処刑の部屋
 

第2章 地下の同志たち──共産主義者とキリスト者 

「容赦なく火器を使用せよ」 統一戦線を求めて 国境を越える非合法文書 祝福か呪詛か──教会の二者択一 カトリックの抵抗 プロテスタントと告白教会
  

第3章 血と土にまみれて──〈国民〉たちの日々

売国奴と呼ばれながら ダヴィデの星と鉤十字 統合される〈少国民〉 「わたしを焼け!」──亡命と国内亡命 国民と非国民のあいだ 第三帝国の女性たち
  

第4章 あらかじめ見捨てられた抵抗──戦争と崩壊

文化の再生を求めて──亡命知識人たち 〈自由ドイツ〉の結成と活動 連合国の対応 
オットー・クヴァンゲルの小さな抵抗 だれもが一人で死んでいく……? 一人から千人へ
  

終章 最初の蜂起──ブーヘンヴァルト・一九四五年

強制収容所の歌 解放とその後
 

後章 解放ののちに──自由と共生への遠い道

亡命者たち 生還者たち 過去と未来とのあいだで
 

  参考文献
 
  初版あとがき
  軌跡社版あとがき
  
  共和国版あとがき

前書きなど

「失敗した試みは、たとえそれがあらかじめ失敗を運命づけられていたとしても、失敗ゆえに無に帰するわけではない。無と見えるもののなかには、多くの、ほとんど圧倒的な大きさをもったマイナスとともに、いくばくかの希望もまた孕まれている。黙殺と神話化の間で消え果ようとするこの希望を洗い出し、それを個人の英雄的行為のなかに埋めてしまわないことが、本書の主要なテーマである。」――「序章」より

版元から一言

ナチス・ヒトラーが政権を奪取してからのドイツ。緊急事態法、民族差別をはじめとするあらゆる差別、マスコミ統制、焚書、デマの蔓延、オリンピック、そして人間を抹殺するための収容所といった状況を目の前にして、当時の現場を生きた人たちは何を考え、どう抵抗したのか? あるいはなぜ沈黙したのか?
――これらのことを、遠い過去のエピソードとしてではなく、やがて訪れる未来のこととして考えるとき、この本は、とてもかけがえのないものとして読者のわたしたちに迫ってくるはずです。

最初に刊行されたのが1980年(TBSブリタニカ)、再刊が1990年(軌跡社)。その後長く絶版だったのですが、今回あらためて読み直してみて、パンフレットから数々の小説までさまざまな資料を渉猟して書かれた本書のテーマや内容が、とても40年近く前に書かれたものとは思えませんでした。自由が権力によって奪われてゆくこの日本の政治文化状況のなかでは、むしろいっそうアクチュアルですらあります。
 
今回の復刊にあたっては、著者によって表記などが全面的にリマスターされ、「後章」として大幅に追補していただきました。旧版とは異なるまったく新しい本といえます。現在の日本がますます腐敗していけばいくほど、この本もボロボロになるまで読み継がれるだろうと確信しています。

著者プロフィール

池田浩士  (イケダ ヒロシ)  (

1940年、大津市に生まれる。
1968年から2004年まで京都大学、
2004年から13年まで京都精華大学に在職。
専攻は、現代文明論、ドイツ文学、ファシズム文化研究。
 
著書
『戦争に負けないための二〇章』(髙谷光雄との共著、共和国、2016)、『ヴァイマル憲法とヒトラー──戦後民主主義からファシズムへ』(岩波書店、2015)、『石炭の文学史──[海外進出文学]論・第二部』(インパクト出版会、2012)、『虚構のナチズム──「第三帝国」と表現文化』(人文書院、2004)、『池田浩士コレクション』全10巻(刊行中、インパクト出版会)など多数。
 
訳書
エルンスト・ブロッホ『この時代の遺産』『ナチズム──地獄と神々の黄昏』(後者は共訳。いずれも水声社、2008)、『表現主義論争』(れんが書房新社、1988)、『初期ルカーチ著作集』全4巻(三一書房、1975‐76)など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。