版元ドットコム会員社の電子書籍に関して調べてみました
版元ドットコムの会員社の電子書籍に関しての状況を調べてみました。
調べ方は手作業でやったものですので、多分に見落としなどがある可能性もあるが、ある程度の傾向がわかるのではないかと思います。
なお調査時期は2024年12月の数日間です。
調査手順は
版元ドットコムの参加会員版元一覧のページより各会員社の登録書籍を検索し、出てきたリストからサイマル配信(紙の本と電子書籍を同時発売する)に対応していないことを考慮し、数か月前など比較的最近の書籍を選択し、オンライン書店で購入の箇所に貼られているアマゾン、楽天ブックス、紀伊國屋書店ウェブストアへのリンクを踏み、該当書籍に電子書籍が販売されているかを確認。
それと紀伊國屋書店ウェブストアの電子書籍・詳細検索のページより会員社(出版社)名で検索、その会員社の電子書籍の登録数を確認し、上記調査では紀伊國屋書店ウェブストアで登録・配信が確認できていなかったが、実際は登録されていた会員社の電子書籍をアマゾン、楽天ブックスでも検索し、登録・配信がなされているかを確認しました。
対象会員社576社(休会中の6社は除外。ちなみにこの調査以降に2/13までに12社が入会しています)のうち、電子書籍を今回調査した3書店のいずれかどこかで配信していたのは258社。
配信がなかったのは289社
本が発売されていない未刊のものだけが登録されている、あるいは、創業したてでまだ書誌情報が登録されていない会員社や、紙の書籍は別の出版社として発売しているが電子書籍はひとつのブランドで統一している(例:ポット出版とポット出版プラス。電子書籍の場合はポット出版として統一されている)などの理由で配信している、していないの判断から除外したのが29社
となっています。
電子書籍の配信が
あり:258社
なし:289社
その他:29社
あり258社のうち
アマゾン:249社
楽天ブックス:223社
紀伊國屋書店:230社
もう少し詳しく見ると
3社ともあり:203社が圧倒的に多いのですが
楽天ブックス、紀伊國屋書店のみ:8社
紀伊國屋書店のみ:1社
アマゾンと紀伊國屋書店:18社
アマゾンと楽天ブックス:12社
アマゾンのみ:16社
アマゾンからの配信がされていない社の電子書籍を見ると10年以上前のような古いものしか配信されていない場合が多かったです。
また、最近は電子書籍化をしていない、あるいはたまにしているといった対応をとっている会員社もある程度見受けられました。
逆に(版元ドットコムに登録された)紙の本よりも(紀伊國屋書店で配信されている)電子書籍の登録数の方が多いの会員社が21社いますが、U-NEXTやボイジャーのような紙よりも電子書籍の発行が優先されている会員社や、単純にすべての紙の本を版元ドットコムに登録していない会員社もある、という理由が考えられます。
そこで版元ドットコムに登録されている会員社の紙の本がどの程度、電子書籍化されているのかも調べてみました。
調査方法は、版元ドットコムに登録されている紙の本のISBNを楽天ブックスのAPIで出されている情報から、その本が底本として登録された電子書籍がどの程度あるかを調べるというものです。
なので底本としての登録がされていない場合は集計から漏れてしまうのですが、ある程度の傾向はわかると思います。
結果として全体では約14%の本が電子書籍化されていることになります。
100%の社は15社で、すべてがまだ刊行点数一桁の出版社でした。
80%以上が32社
半分の50%以上という条件でみても64社で
楽天ブックスで電子書籍を配信していることがわかった227社のうちの72%は、電子書籍を作ったことはあるが、アイテム的には半分にも満たない、ということが見て取れます。
なお楽天ブックスのAPIを使っての調査の際に用いた「版元ドットコムに登録されている本」に関しては、まだ非公開となっている本もシステム上登録点数として数えられていますので、公開されている登録点数とは差異が発生しております。
会員社毎の登録点数、電子書籍化点数などの情報は
以下からダウンロードすることが出来ます。