版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
薔薇色のアパリシオン 冨士原清一(著) - 共和国
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文電話番号:
注文FAX番号:
注文メール:
注文サイト:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

取引取次:
トランスビュー     書店(直)
トランスビュー     八木     ト・日・他     書店
直接取引:あり
返品の考え方: トランスビュー経由ですべての書店・帳合に納品いたします。トランスビュー経由の場合は返品を承りますが、取次経由の場合は返品(見計らい)不可となります。

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

薔薇色のアパリシオン (バライロノアパリシオン) 冨士原清一詩文集成 (フジワラセイイチ シブンシュウセイ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:共和国
菊変形判
縦200mm 横156mm 厚さ25mm
重さ 400g
296ページ
上製
価格 6,000円+税
ISBN
978-4-907986-48-3   COPY
ISBN 13
9784907986483   COPY
ISBN 10h
4-907986-48-3   COPY
ISBN 10
4907986483   COPY
出版者記号
907986   COPY
Cコード
C0392  
0:一般 3:全集・双書 92:日本文学詩歌
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年9月18日
書店発売日
登録日
2019年7月23日
最終更新日
2019年8月28日
このエントリーをはてなブックマークに追加

書評掲載情報

2019-11-02 図書新聞  3422号
評者: 扉野良人
2019-10-28 現代詩手帖  2019年11月号
評者: 小林坩堝
2019-10-28 現代詩手帖  2019年11月号
評者: 中野もえぎ
2019-10-11 週刊読書人  3310号
評者: 林浩平
2019-09-23 しんぶん赤旗    2019年9月23日
評者: 河津聖恵
2019-09-06 産經新聞    夕刊  2019年9月6日付
評者: 遠山知子
MORE
LESS

紹介

日本にシュルレアリスムをもたらした詩人、冨士原清一。その貴重な文業を初めて集成し、歴史の再評価をせまる初の全集。限定600部。
現在では入手困難な稀覯誌紙から発掘した数々の詩や散文のほか、先駆的なロートレアモン、コクトー、ブルトン、ツァラ「ダダ宣言」の翻訳など、戦後の詩壇にも影響を及ぼした〈新発見〉作品を多数収録する。
詳細な年譜、瀧口修造と高橋新吉によるエッセイを併録。

目次

[Ⅰ] 詩文集 
 
画家の夢 
二階より   
祭礼小景(二篇)
帽子 
断章 
衣すれ 
めらんこりつく 
オリムピヤ・エロテイク 
CAPRICCIO 
マダム・ブランシユ 
Salutation 
稀薄な窓   
人間空間の歴史 
突然なる頸   
水あるひは理由なきマグネツシヤ   
夢の装置   
招待 
LA SOIE OU LA PETITE PYRAMIDE   
悪い夢の後の怠惰な椅子の上の名誉   
BAISER OU TUER   
ACTRICE TYPIQUE   
SECRET DE L'ACTEUR   
DUO NOSTALGIQUE   
DUO DÉCORÉ   
UN ENNUI INFINI   
LE GESTE PERPÉTUEL   
FILS D'APOLLON   
APOLLON ?   
CONFESSION ?   
EST-CE MUSE ?   
LE CERVEAU ET LE SOIR MUSICAL   
LE TIROIR DU POÈTE   
OPÉRATION POÉTIQUE   
DÉPART DU POÈTE   
BAVARDAGE DU COQ   
日本超現実派の運動に関する 銀行家カンガルウ氏よりの通信
 ──産毛をつけた日本の詩人諸君に贈る   
THÉATRE DANGEREUX   
わが生活レビユー (一)   
THÉATRE MERVEILLEUX   
POÈME DE POÈTE DE TROIS ANS   
『恋の黄昏』の読後に   
最近詩壇に望みたき事 (一)   
『仮説の運動』へ反射する   
apparition   
LE PIÈGE DE LA POÉSIE   
魔法書或は我が祖先の宇宙学   
詩に対する態度   
成立   
襤褸   
襤褸   
襤褸   
夏の通信   
襤褸   
ポオル・エリユアール   
 
[Ⅱ] 翻訳集

DÉCOUVERTE DES PATTES DU SPHINX en 1926(ジヤン・コクトオ)
J'RAI VEUX-TU(バンジヤマン・ペレエ)   
ポオル・エリュアル詩抄   
  JOUEUR 賭博者 ルイ・アラゴンに
  UNIQUE 無二の
  A COTE 側に
  LESQUELS どちら
  PARFAIT 完全
  PETIT JUSTES 美しき正当等
  SECONDE NATURE 第二の自然
PORTE OUVERTE 開かれた扉(ポオル・エリュアル) 
非  主義超現実主義者達に与ふ
 (ブルトン+ペレ+アラゴン+エリュアル+ユニック) 
農夫の夢想(ルイ・アラゴン)   
dada 宣言(トリスタン・ツアラ)   
宇宙・孤独(ポオル・エリユアル) 
今日風の格言(ポオル・エリユアル+バンジヤマン・ペレ) 
ポオル・エリュアール(ルネ・シヤアル) 
詩論(ロオトレアモン) 
ボオドレエル論(フィリップ・スウポオ) 
  ボオドレエルとその時代
  美学者としてのボオドレエル
  詩人としてのボオドレエル
憂欝(シヤルル・ボオドレエル) 
詩六篇(ジゼエル・プラシノス) 
  妹と仔牛
  溶解
  葡萄
  巨きな建物
  敷物
  それは草である
映像(ポオル・エリユアル)   
讃歌(ルイ・アラゴン)   
ポオル・エリュアール詩抄   
  耐へる
  私は休息の可能を信じてゐた
  ルネ・マグリット
  砕かれた橋
  おまへは起きる
 
[附録]

訳者の言葉(冨士原清一訳、ダンディ『ベートーヴェン』より) 
冨士原清一のこと(高橋新吉)   
冨士原清一に 地上のきみの守護天使より(瀧口修造) 
 
冨士原清一年譜   
 
底本および解題 
 
編者あとがき 

前書きなど

 
 apparition
 
正午 羽毛のトンネルのなかで盲目の小鳥達は衝突する 彼等は翼のない絶望の小鳥等となつて私の掌のなかに墜落する 彼等が婦人達の手袋に似てゐるのは墜落の神秘である 然し婦人達の手袋が彼等に似てゐないのは手袋の特徴である 私も亦私の美しい手袋をもつてゐる 然るに扉のなかの甲冑をつけた囚人等 壁のなかの忘却の襤褸をつけた囚人等が私の孤独を喝采するために私は怒つて私の手袋を投げる それは未知の世界においてひとつの空井戸のなかに落下する 其処に起る薔薇色のアパリシオン 薔薇色の火災は私の美しい発見である 雛罌粟よ 汝がこの絶望の空井戸のなかに生へてゐて私の発狂せる毛髪の麗はしい微笑を聞くのはこのときである このとき天の扉は開いてゐる そしてひとりの死者の微笑が静かに天空を通過する 私が夢見るのはまたこの雨の下である

版元から一言

1920年代に詩誌『薔薇・魔術・学説』『衣裳の太陽』などで颯爽とデビューしながら、敗戦直前にわずか36歳で戦没した詩人、冨士原清一(1908-44)。そのほとんどすべての文業を収めた実質的な1巻本全集です。

瀧口修造や北園克衛、山中散生らと活動をともにした日本のシュルレアリスム運動のキーパースンでありながら、そのあまりにも早い死のために顧みられることのなかったこの詩人についての再評価を期して、本書を送り出すことにしました。ロートレアモン、コクトー、ツァラの「dada宣言」をいちはやく翻訳し、スーポー、アラゴン、エリュアールを紹介するなど、訳者/編集者としての視点にも注目されます。
黎明期のモダニズムが凝縮したこの1冊、600部限定ですのでお早めにお求めください。

ブックデザイン=宗利淳一

著者プロフィール

冨士原清一  (フジワラ セイイチ)  (

1908年、大阪に生まれ、1944年、朝鮮木浦沖海域にて没する。
詩人、翻訳家、シュルレアリスト。法政大学法文学部卒業。同大予科に在学中から先鋭的な詩作、翻訳、主宰詩誌によって注目され、瀧口修造らとともに日本のシュルレアリスム運動の中心的な役割を担う。
著書に、『ニューヘブリディーズ諸島』(日本評論社、1944)、『冨士原清一詩集 魔法書或は我が祖先の宇宙学』(没後刊、鶴岡善久編、母岩社、1970)、訳書に、ダンディ『ベートーヴェン』、セニョボス『叙述的物語的ギリシヤ史』(上巻。下巻未刊。いずれも新太陽社、1943)がある。

京谷裕彰  (キョウタニ ヒロアキ)  (

1972年、兵庫県に生まれる。詩人、批評家。詩誌『紫陽』編集発行人(2003―11)、詩誌『エウメニデス』同人。
論考に、「詩、そして形而上学。」(『現代詩手帖』2018年2-3月号)、
「戦前期日本のシュルレアリスム、モダニズム、その表象の問題」(『詩と思想』2018年3月)などがあるほか、展覧会「私、他者、世界、生」(コンテンポラリーアートギャラリーZone、2016)のキュレーターを務める。

上記内容は本書刊行時のものです。