書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
破流 永山則夫小説集成1
巻次:1
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年10月30日
- 書店発売日
- 2023年11月6日
- 登録日
- 2023年8月15日
- 最終更新日
- 2023年11月20日
書評掲載情報
2024-06-15 |
ふぇみん
3388号 評者: 下平尾 直(共和国) |
2024-04-19 | 綴葉 4月号 |
2024-01-28 |
北海道新聞
評者: 杉田俊介 |
2024-01-26 |
週刊読書人
2024年1月26日号 評者: 川村湊 |
2023-12-16 |
図書新聞
3620号 評者: 山本貴光 |
2023-12-06 |
週刊新社会
1333号 評者: 鎌田慧 |
2023-12-01 |
週刊金曜日
1451号 評者: 五所純子 |
2023-11-28 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 2023年11月28日付 評者: 鎌田慧 |
2023-11-18 | NHK「おはよう北海道」 |
2023-11-18 |
図書新聞
3616号 評者: 下平尾直 |
2023-10-28 |
図書新聞
3613号 評者: 阿部晴政+下平尾直 |
MORE | |
LESS |
紹介
やがて何もかもが、分る日が来るだろう。生きていれば――。
貧困、DV、ネグレクト、バックレ、密航、窃盗、そして……。故・永山則夫の自伝的小説を全2巻に初めて集成。本巻には代表作「木橋」「土堤」「なぜか、アバシリ」「破流」のほか、「小説家以前」となる異稿や習作を単行本初収録。
解説=早助よう子 × マニュエル・ヤン
投げ込み附録=赤井浩太、川村湊、渡邊英理
定価=3400円+悪税
目次
木橋
土堤
なぜか、アバシリ
破流
-----
◎小説前史
木橋[初出版]
少年沖仲仕
今「ある事の思い」
一九七〇年十一月四日
螺旋
----
解説「いま、永山則夫をどう読むか」早助よう子×マニュエル・ヤン
解題「殺人者/小説家」
前書きなど
早助よう子――永山というと、四人を射殺した原因として幼少期の苛烈な家庭環境が挙げられます。作品もそちらのイメージが強かったのですが、私も今回読み直してみて、労働体験が思ったよりも多く書かれていることに気づきました。網走や青森での幼少期の家族の話が一連の作品を構成する横糸とすると、都会へ出てからの労働体験は縦糸ですね。「土堤」には横浜の朝の寄せ場の様子も書かれていて、主人公は手配師に声をかけられて仕事へ行くのですが、今となっては時代の証言としても貴重なものではないでしょうか。
マニュエル・ヤン――永山も入獄した当初、自殺願望があったそうです。でも、獄外の運動や闘争とつながりのある支援者をはじめとする他者との交流のおかげで、多少風通しのいい「自分一人の部屋」を見つけ、死に物狂いの独学を重ね、正気と生命力を取り戻せた。そこで書かれた自伝小説をまとめたこの「集成」は、すべてを失い最後には生までを奪われてしまう極限のプロレタリアがディストピアを瞬間のユートピアに変えた普遍的な証しです。今こそ、読み直されるべきです。
――「解説」より
上記内容は本書刊行時のものです。