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森のような教師
日本とドイツの学窓から
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年8月30日
- 書店発売日
- 2023年9月5日
- 登録日
- 2023年8月16日
- 最終更新日
- 2023年9月5日
書評掲載情報
2024-04-12 |
教育新世界
72号 評者: 杉山倫也(玉川大学) |
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紹介
教師として生きるとはどういうことか?
教師という存在、制度としての学校、ドイツ/ヨーロッパから見た教育事情、余暇の活動について――。「教育」の稜線をたどる65のエッセイ。
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ドイツ教育思想史研究を専門とする著者が、幼稚園・小学校の校園長として、あるいは登山や読書を愛するひとりの人間として、10年以上にわたり紡いできたエッセイを1冊にまとめました。
技術や能力だけで語られることのない「理想の教育」への静かな思索は、読む人の心を澄みわたらせます。
定価=2000円+悪税
目次
まえがき
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[1] 森のような教師
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森のような教師
ドイツからの手紙
チャボ
クララの成長
五月の花見
あこがれの教師
スイスの小さな学校
姫路師範学校と野口援太郎
トライやる・ウィークに寄せて
オホーツクの海は白く
教育において「待つ」ということ
大谷武一とラジオ体操
運動会の季節に
なゆた
参加費
アンネのバラ
神戸開港と子どもたち
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[II] ユーモアについて
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ユーモアについて
通勤のこと
もう一つの卒業
通学路
夢の小舟
かれらとともに
恩師のこと
百名山
山頂のホタル
名刺
チョウの名前
観察実習
池内センセイ
「先生」
ドイツの校長会
白鳥のため池
山の学校
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[III] 危険な職業
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『かにの本』
かぼちゃ事件
ドレスデンの夢
一月のクリスマスプレゼント
釣りの愉しみ
先生の贈りもの
倉敷にて
週末のイタリア
放浪修行
イエナから明石へ
「かかる」と「かける」
大木と線香
若き弓師
ステイホーム
青の潮
危険な職業
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[IV] 花の年には花の授業を
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読書について
余暇二題
コーヒーの時間
おしゃまさん
卒業の三曲
トットちゃんの秘密
仏様の指
委員の八年
ランドセル
卒業に寄せて
コウノトリ
カシの木と動物園のある学校
子どもたちの園
難事中の難事
花の年には花の授業を
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参考文献
あとがき
前書きなど
本書は、「教師として生きるとはどういうことか」という問いに直接・間接につながるような諸テーマについて、エッセイ風に書き連ねたものである。それらの多くは、私自身がこれまでの人生で出会ってきた人や出来事、そして研究対象にしてきた日本とドイツの教育を題材にしている。
この教師という存在の生き方・あり方をめぐる問いを、主に次の四つの「窓」(視点)から考えてみることとした。
第一の窓は、教師がそのなかで活動している「学校」という組織・文化である。第二の窓は、教師を目指す学生時代に始まり、長い教職生活を経て退職していく「教師」それ自体のあり方である。第三の窓は、私がこれまで研究で関わってきたヨーロッパ、特に「ドイツ」の教育と文化である。そして第四の窓は、教師の働き方改革が叫ばれる今日、より重要になってくる「余暇」の過ごし方である。
本書ではこうした多様な窓を相互に織り交ぜながら文章を配列している。それゆえ、四つの窓が章構成と対応しているわけではない。読者の皆さまには、目次をご覧になり、どこから読んでいただいても結構である。
ただし先に述べたとおり、本書の内容の多くは私個人の経験に基づいている。したがって、ここで描きうるのは「教師として生きるとはどういうことか」という壮大な問いのごく一部でしかない。読者の皆さまには、教職と教育をめぐるご自身の経験を振り返りながら、自由にこの問いについて思いをめぐらせていただきたい。
本書を通して、「教育は人なり」という場合の「人」(教師)について、教師が担う「機能・役割」の次元だけでなく、その基盤となる「存在」の次元で考える意義を感じ取っていただければ幸いである。
――「まえがき」より
上記内容は本書刊行時のものです。