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オフショア第一号 山本 佳奈子(編集) - オフショア
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オフショア第一号 (オフショアダイイチゴウ)

文芸
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発行:オフショア
四六判
縦128mm 横188mm 厚さ10mm
176ページ
並製
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-9912649-1-7   COPY
ISBN 13
9784991264917   COPY
ISBN 10h
4-9912649-1-X   COPY
ISBN 10
499126491X   COPY
出版者記号
9912649   COPY
Cコード
C0495  
0:一般 4:ムック・その他 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年8月1日
書店発売日
登録日
2022年7月15日
最終更新日
2024年7月11日
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重版情報

2刷 出来予定日: 2024-02-10
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重版しました! アジアを読む文芸誌『オフショア』、現在全号ご注文可能です。

紹介

これまでウェブでアジアのインディー音楽やインディペンデントなアート情報を発信してきた「Offshore」がリニューアル。寄稿者を迎え、エッセイや論考、創作など、アジアをキーワードに書かれた文芸作品が集まる文芸誌に生まれ変わりました。テーマは「アジアを読む」。

Covid-19 が蔓延し、個々の自由な移動が奪われた今、我々日本語話者はアジアをどのように捉えるのか。また、アジアとは何か――。創刊号では、8名の寄稿者によるアジアにまつわるエッセイ、論考、インタビュー、創作、詩を掲載。定義が複雑で広大なアジア、境界線を引くことのできないアジア、均すことのできないアジアを、そのまま体現する誌面です。

無限に広がり続けるウェブ世界から離れ、じっくり腰据えて読む。「オフショア」は瞬発力がなくてバズらないけれども、五十年後百年後まで読まれることを目指します。

目次

掲載内容
■エッセイ「西成、福清、小白兎」得能洋平
■詩「40 の目」/「わたしはあなたの名前を呼べない」太田明日香
■連載・第一回 イントロダクション「台湾における市民による地下メディア実践と民主化との関係――1990 年代の台湾の地下ラジオ運動を軸として」ローカルメディア研究者 和田 敬
■エッセイ「BALI ~八重山~奄美 アッチャーアッチャー」宮里千里
■創作「シルクロード・サンドストーム」紅坂 紫
■聞き書き「工場の李さん」檀上 遼
■インタビュー「dj sniff『平行的玉音軌』ができるまで――リサーチと思考、作曲の過程をトレースする」 聞き手・構成:山本佳奈子
■エッセイ「理由のないスープ」鈴木並木

表紙イラスト:刘璐(リウ・ルー)
ロゴ・表紙デザイン:三宅 彩

前書きなど

創刊にあたって
Offshore とは、私、山本佳奈子が二〇一一年にひとりで立ち上げ、ひとりで運営してきた個人メディアです。主にウェブでインタビュー記事やコラムを発信し、現在進行形のアジアを日本語話者に向けて発信してきました。しかし二〇二二年八月より、いま手に取っていただいている本という形態で再始動することにしました。
これまでのOffshore の目的は、日本では知られていない、日本以外のアジアの情報を伝えることでした。我々日本に住む者は、なぜヨーロッパやアメリカばかりを追いかけてしまいがちなのか。同じアジアというアイデンティティを持つのであれば、我々はアジアをもっと知り、アジアを理解するべきではないのか。これが、私がウェブのOffshore を始めた動機でした。
一〇年間Offshore を続けているあいだに、他にもアジアに目を向ける人が日本で続々と現れ、ずいぶんと日本以外のアジアの最新情報が日本語で入ってくるようになったと思います。一時は「もう私にやることはない」と考えていました。ところが、二〇二〇年以降COVID-19 により全世界で移動が困難になると、やっと近づいた日本と日本以外のアジアの関係が再び疎遠になってしまったように感じたのです。と同時に、私は元来のOffshore の動機を再考し、問い直しました。我々(私)は、まだアジアを「知る」段階にしかおらず、アジアを「理解」していなかったのではないか? まだアジアを理解できていなかったからこそ、身体的移動が止まっただけでアジアに距
離を感じるようになってしまったのではないか?
そこで、私は文芸誌「オフショア」を創刊することにしました。即時性とインパクトの大きさが重要視されるウェブから離れ、アジアについてじっくり読む状況をつくるため、本として発行します。画面スクロールで読み飛ばすことのできない本という形態で、五十年後百年後にも読まれることを期待します。
そして「アジアを読む」ことをテーマに掲げます。「読む」とは、文字通り文芸作品を読むことでもあるし、未来を予測することでもあるし、意図や表象されたものに触れることでもあります。これらは、「知る」域を超えて「理解」の領域に達するまでの道程にあり、考えたり書いたりを繰り返す果てのない思考の土台にあたります。読み、考え、書き、さらに読み、再び考えさらに書く……。気の遠くなる時間を費やすことで理解は深まるのだと思います。
アジアとは何か――。アジアのアイデンティティを持ちながらもアジアとの関係がいびつな日本の我々は、どのようにアジアを読み、どのようにアジアと向き合っていくのか。また、自己でもあり他者でもあるアジアを「理解」することはそもそも可能なのかどうかという問いも生まれてきそうです。
定義が広大で曖昧で、境界線をきっちり引くことのできないアジア。それぞれの思考の先に、歯切れのよい答えは見つからないかもしれません。それもよしとして、複雑で、ならすことのできないアジアを、そのまま体現する誌面にしたいと思っています。
二〇二二年 七月一三日 山本佳奈子

上記内容は本書刊行時のものです。