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未来からきたフェミニスト 北村兼子と山川菊栄  - 花束書房
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未来からきたフェミニスト 北村兼子と山川菊栄 (ミライカラキタフェミニスト キタムラカネコトヤマカワキクエ)

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発行:花束書房
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ12mm
336ページ
並製
価格 2,300円+税
ISBN
978-4-9912489-1-7   COPY
ISBN 13
9784991248917   COPY
ISBN 10h
4-9912489-1-4   COPY
ISBN 10
4991248914   COPY
出版者記号
9912489   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年5月20日
書店発売日
登録日
2023年4月13日
最終更新日
2023年7月25日
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紹介

変わりながらあゆむために。

日本の女性で初めて法律の世界に飛び込み、世界を舞台にジャーナリストとして短い生涯を駆けた北村兼子。同じく、世界の潮流をとらえながら社会を分析し、平等をもとめ続けた山川菊栄。現代のフェミニストたちが、ふたりをめぐるエッセイや論考を綴り、語り合う。

セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、家族制度、植民地支配、運動、立法、資本主義、戦争――誰よりも鋭く、広く、世界を見たふたりの言葉がこの先を照らす。

目次

●はじめに●
生きづらさを突き破って、未来へ

●北村兼子●
1章 法律でフェミニズムに目覚める
法律を学ぶ私/卒業して、それから/私は笑う/婦人記者の観た女性犯罪/悪法に呪いあれ(抄録)/婦人問題を鷲掴みにして/婦人運動の体系――参政権が本殿の神体 禁酒、廃娼は末社/貞操の所有権と処女の賭博/夫婦の貞操義務


2章 性加害と闘う
特撮映画 卑怯なる者よ汝の名は男なり/堕落婦人記者/「怪貞操」をつくりあげて/「怪貞操」をレコードに吹き込んだ感想/失業随筆(抄録)/怪貞操/女浪人/女浪人主義/女浪人と雲水

3章 フェミニズムの言葉を磨く
女は歩調を揃えて馬鹿であれ――女子学生連盟演説会で感じた事とて/関所争奪リレー 選手としての体験――霊域高野山から名刹壷坂寺へ(抄録)/男子征服の大旗を樹てよ――家庭に於ける嬶天下の拡張を図れ(抄録)/普通線の女性へ/女浪人の男性抗議/読売新聞紙上論争

4章 〈大大阪〉の資本主義と労働運動を描く
青狐赤狐雑狐/大阪及大阪人/大阪あれこれ(抄録)/婦人の力による小作争議の解決
【エッセイ】〈大阪フェミニスト群像①〉大阪の若い女性たちを騒がせた日本画家・島成園―macca

5章 セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツを語る
公娼をどうする/私娼をどうする/優生学、ちょっと待って/産児調節/堕胎/人口問題/女性の睡眠権
【論考】人口政策や優生学と離れたところに立っていた――堕胎の罪を無くすのはいつまで「時期尚早」か?―大橋由香子

6章 政治を語り、運動を進める
国際婦人運動の大勢(抄録)/今日の不平人(抄録)/婦人運動の動き/一流の漫文

7章 国境を越えて平和を叫ぶ
演説草案三つ/平和の使者/台湾民族運動史/爆弾事件と法の適用

8章 大空を飛ぶ
飛行機上から見た大阪
【エッセイ】〈大阪フェミニスト群像②〉メディアの暴力と闘った人見絹枝と北村兼子



●山川菊栄●
【論考】〈いま、菊栄に続きたい①〉山川菊栄の思想を明日へつなぐ―山田(樋浦)敬子
【座談会】「山川菊栄文庫」から見える思想と横顔―山田(樋浦)敬子×佐藤礼次×山口順子

【論考】〈いま、菊栄に続きたい②〉恋愛の自由を売らずに生きていくために――廃娼論者としての山川菊栄が主張していたこと―林葉子
【論考】〈いま、菊栄に続きたい③〉山川菊栄の生理休暇論―豊田真穂
【論考】 現代の課題にそのまま使える山川菊栄のリプロ論――堕胎を禁じるより、必要なる者には安全な方法を―大橋由香子
【論考】〈国際的視点①〉カーペンター『中性論』の翻訳と『番紅花』同人との交流―趙書心
【エッセイ】〈国際的視点②〉コロンタイと対話する山川菊栄―高柳聡子
【論考】〈国際的視点③〉山川菊栄と黄信徳にみる植民地主義認識―宋連玉
【対談】バラバラに、でも全体で考える未来へ――『らんたん』・議論・フェミニズム―柚木麻子(小説家)×松尾亜紀子(エトセトラブックス代表)
【書評エッセイ】 Unforgettable――忘却を阻むために―栗田隆子

年譜
参考文献
著者一覧

前書きなど

未来が描きにくい社会で、つい歴史を振り返る。残念ながら兼子と菊栄が生きた厳しい時代からあまり進歩していないし、ふたりの言葉には、とくにいまのフェミニズムのイシューを考えるヒントが多いからだ。ふたりは未来からやってきたかのように先進的だっただけでなく、時代の変化をみながらアップデートも続けた。誤りがあれば正し、変わり、自分の言葉を見つけていった。(『はじめに――生きづらさを突き破って、未来へ』より)

版元から一言

日本の女性で初めて法律の世界に飛び込み、ジャーナリストとして生きた北村兼子。庶民の視点にこだわり、社会を科学的に分析しながら人間の平等をもとめた山川菊栄。ふたりは、社会の矛盾を突く切れ味鋭い言葉を放ち続け、同時代の女性たちとさかんに議論を交わしています。考えや立場が違う相手を批判したり理解しようと努めたりしながら、ときに立ち止まって時代を見定め、誤りがあれば正し、変わっていきました。

セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、反軍拡、参政、立法など、フェミニズムの今日的イシューに着目しながら、この行き詰った社会を突き破るためのヒントを、ふたりの言葉から探してみてください。

上記内容は本書刊行時のものです。