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空虚の帝国
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年9月30日
- 書店発売日
- 2021年9月28日
- 登録日
- 2021年7月2日
- 最終更新日
- 2023年5月4日
紹介
“日本とは、そして日本人とは、〈空虚〉で実体(essence)をもたない。受け容れるだけの空箱である。”
日本のオリジナリティはいまでも生きているのか? 世界の先進諸国での〈和〉ブームのなかで、日本文化はいまどこにあるのか?
『バブル文化論』の著者が葉良沐鳥(はらしずどり)の筆名で、後期近代という時代を読み解き、日本人の心性、大衆文化からモードの現在までを独特の感性で問うエッセイ。
東京オリンピック・パラリンピック受け入れをめぐる状況から、原が大学のメディア論講義でも日本の報道を取り上げ投げかけ続けた「対称性」、「他社の苦痛に対する苦痛」という重い問いにもふれる。
原宏之が、2021年の日本に問いたかったこととは?
なぜ、極楽鳥なのか?がここに。
目次
I. どこにもない〈和〉
第一章 日本幻想
第二章 けじめのない日本語
第三章 「世界で一番騙されやすい国民――報道の健全性とメディア・リテラシー」
Ⅱ.後期近代とモード、その終焉
第四章 モードが骨董品となるとき
第五章 後期近代と大衆の反逆
あとがき
メディアの海の荒磯に佇む子供のように…、原宏之君のために 西谷 修
版元から一言
本書は去る6月に急逝した原宏之の遺稿であり、最後のエッセイです。『バブル文化論』、『表象メディア論講義 正義篇』(いずれも慶應義塾大学出版会)、『世直し教養論』(ちくま新書)等、アカデミックとしての足場からつねに現実の社会を見つめてきた原宏之が、親しみやすい書きもののための筆名で後期近代という特異な時代を読み解き、日本の、日本人のいまを問います。2021年4月小社刊行の『後期近代の哲学❶ 後期近代の系譜学』とも呼応する考察。
巻末に「メディアの海の荒磯に佇む子供のように…、原宏之君のために」と題した餞を寄せるのは、東京外国語大学名誉教授の西谷修氏です。
上記内容は本書刊行時のものです。