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誘惑者 下
原書: Der Versucher
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年12月5日
- 書店発売日
- 2024年11月22日
- 登録日
- 2024年9月9日
- 最終更新日
- 2024年12月19日
紹介
20世紀ドイツ文学を代表する作家であるヘルマン・ブロッホの死後に遺稿から編纂された長編小説をドイツ文学者・古井由吉が翻訳。ときにはひとつの文で数頁にまでおよぶこともある、ドイツ語の表現を極めた特異な文体を、古井由吉だからこそ翻訳なしえた言語芸術の最高峰。
「誘惑者」に浸透されていく村人たちと、侵されることのないひとりの老婆。やがて語り手である田舎医師も眩惑されていき、ついには宗教的儀式である出来事が。田舎医師を通して描かれる、村人たちの空想な熱狂と荘厳にそびえ立つ山々の様子。
筑摩世界文學体系(1973年2月刊行)に収録の同名作品の復刊に書き下ろしの解説(早川文人・金沢大学)を追録。
目次
◆誘惑者 下
7章 憎しみ
8章 甦り
9章 孤独
10章 救済
11章 羞恥
12章 無限なるもの
語り手のあとがき
◆訳者解説
◆解説 ヘルマン・ブロッホ/古井由吉の『誘惑者』 早川文人(金沢大学)
版元から一言
『誘惑者』はヘルマン・ブロッホの死後に、何度も改稿され未完成のままであった遺稿をある編集者によって編纂され発表された作品です。『誘惑者』という書名もその編集者がつけました。その編纂の内容から「大いに問題のある作品」(訳者解説より)とされ、現在では、のちに別の編集者によって編纂されなおし書名も違う作品が、研究者の間では認められており、『誘惑者』は日の目をみていません。その詳細については本書下巻に掲載の早川文人氏の解説を参照ください。とはいえ、ドイツ語の言語表現を極限まで突き詰めた「ヘルマン・ブロッホのひとつのまとまった作品」(訳者解説より)があり、それを古井由吉というドイツ文学者が日本語に翻訳し、またその翻訳作業が作家としての古井由吉に影響を与えた、ということから、ぜひ日本の読者に読み継がれて欲しいと願い、『誘惑者』を復刊することにいたしました。
上記内容は本書刊行時のものです。