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かざらないひと 月と文社(編集) - 月と文社
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かざらないひと (カザラナイヒト) 「私のものさし」で 私らしく生きるヒント (ワタシノモノサシデワタシラシクイキルヒント)

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発行:月と文社
A5判
256ページ
並製
価格 2,200円+税
ISBN
978-4-911191-01-9   COPY
ISBN 13
9784911191019   COPY
ISBN 10h
4-911191-01-5   COPY
ISBN 10
4911191015   COPY
出版者記号
911191   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年2月15日
書店発売日
登録日
2023年12月20日
最終更新日
2024年5月9日
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書評掲載情報

2024-05-09 mi-mollet(ミモレ)  
評者: 梅津 奏さん
2024-03-29 小説丸  
評者: 丸善丸の内本店 文芸書担当書店員 高頭佐和子さん
2024-02-05 note  
評者: ふかやまもるさん
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紹介

「自分をどう魅せる?」から自由に見える、あのひとが考えていること

フリーアナウンサー・赤江珠緒、家政婦&料理人・タサン志麻、産婦人科医・高尾美穂、フリーアナウンサー・堀井美香、「北欧、暮らしの道具店」店長・佐藤友子。
絶大な支持を集める「かざらない」たたずまいを持つ彼女たちの人生の軌跡を振り返り、その時々の「思い」に焦点を当てながら、何を大事にして生きてきたのかを紐解く濃厚インタビュー集。

他人のものさしに左右されず、でも世の中とうまく折り合いをつけながら、自分のものさしを持って生きている。そんなふうに見える彼女たちには、どんな思考と行動の蓄積があったのか。
その等身大の言葉の数々のなかに、あなた自身が大切にしていること、大切にしたいと思っていることと共鳴する何かがきっと見つかるはずです。

<本文より>
たぶん私、カツオっぽいんですよね。――赤江珠緒

馬鹿にされても別にいいや、私は楽しいことやってるんだもん、みたいにずっと思っていますね。――タサン志麻

そこに同年代の女子がいれば当たり前に楽しく過ごすでしょ、という感覚で看護師さんたちに接してきました。――高尾美穂

自分そのものをそんなに大した人間じゃないと思っているのがベースにあるんでしょうね。そうすると、他の人の行動とか言葉も受け入れられる。――堀井美香

「かざらないひと」っていうタイトルの本に出ちゃっていいのかな、私、かざってるんで…。――佐藤友子

目次

「面白さ」を大事にするひと…赤江珠緒
モヤモヤを行ったり来たりする/山をぐるっと回って考えたい/「物語」から人間心理を学ぶ/「心がタフ」で続いてきた/女性という意識はなかったけれど/100%をめぐる葛藤/まだまだ自分に飽きてない

「納得」を大事にするひと…タサン志麻
自分の思いをうまく言葉にできなかった/不器用だからこそ誰よりも努力した/心が動く就職先を探し続けた/「なんか違う」をごまかしきれなかった/「家政婦」がいつでも戻れる場所に/私を変えた夫のロマンと田舎の暮らし/思いがあればレシピ以上のものができる

「意志」を大事にするひと…高尾美穂
自分は「凡人」だと感じたから/嫌がらせする人を達観して見ていた/好きなものは高校時代から変わらない/気づけば「人たらし」と言われていた/「あなたのいいところを私は知ってるよ」/すべてのことは自分で選べる/私たちは助け合って生きていく

「普通」を大事にするひと…堀井美香
人に見つからないように全力疾走/「東京の普通」に負い目を感じて/嫉妬しない、口出ししない夫婦関係/人をあまり敵と思わない/メインではない場所が落ち着く/普通の人の本物の言葉を届けたい/自分を身軽にしていくのが心地いい

「気持ち」を大事にするひと…佐藤友子
10代で自分をリセットした/「本当の自分」はノートのなかに/自分を広げていくことが心地いい/私のなかの、うるさい友子/「働く主婦」である私/「ひとりの星」を持っている人が好き/停滞している自分とも向き合いたい

前書きなど

 その存在に、とても心が惹かれるけれど、心がざわざわしない人。

 そんな女性たちが今、静かに支持を集めていると感じています。

 心がざわざわする、という気持ちを紐解いてみると、優劣やヒエラルキーのようなものに心が勝手に支配される、という感覚でしょうか。

 仕事の成功度、地位、財力、学歴、外見など、世間一般のさまざまな「ものさし」ではかったときに上位の数値をたたき出す人に対して、私たちは勝手に心がざわざわしてしまうことがあります。同じものさしで自分との距離をはかり、追いつけない劣等感や、追いつかないとダメなの? という焦りを感じてしまうから。

 この本に登場するのは、心がざわざわしない存在でありながら、もっとこの人のことを知りたいと思わせる独自の魅力を持っていると、編集者・取材者である私が感じた女性たちです。いずれの方も過去に取材を通してお話ししたことがあり、今回の本づくりにあたり、より深くお話を聞かせてほしいとお願いして、快諾いただきました。

 お話を聞いてみて感じたのは、どの方もこれまでの人生で、「人と比べて自分はどうか」と考える時期がないわけではなかった、ということでした。
 一方で、今の彼女たちは、「自分をどう魅せるか」という他人の目線を意識した試行錯誤からは自由に見えました。これまでの人生のなかで「自分のものさし」を無意識に育み、それを基準に物事と対峙しているので、いろいろと悩むことはあっても、たたかう相手は他人の目線ではなく、もうひとりの自分――そんな印象を受けました。

 多くの人が共有する価値基準のなかで、他者よりも一歩前に出るための「自分を飾る」という行為には興味を持たず、自分の価値観の海のなかを、自分のペースで泳いでいる―この本に登場するそんな人たちを「かざらないひと」と名づけてみました。彼女たちが「かざらない」自分を確立できている理由を、この本では根掘り葉掘り、紐解いてみたいと思います。

 読んですぐにまねできそうなマニュアル化やルール化はできません。語られる言葉のなかに、彼女たちが無自覚に歩んできた道があり、現時点でたどり着いている考えがあるだけです。人は日々変化するものなので、語られた彼女たちの価値観が、歳を重ねるごとに少しずつ変わっていく可能性もあります。

 それでも今ここで、なんとなく時代が求めているような気がする「かざらないひと」たちの言葉や価値観を記しておきたいと思います。

 他人のものさしに左右されず、でも世の中とうまく折り合いをつけながら、自分のものさしで生きていく。そんな生き方を志向する人にとって、この本が少しでも糧になればと思っています。
                           月と文社 藤川明日香

版元から一言

「かざらない」人柄によって多くの人を惹きつけている5人の女性たちの濃厚なインタビューの言葉には、彼女たちが今の状態に至るまでに悩んだこと、頑張ってきたこと、大切にしてきたことがたくさん詰まっています。読んでくださった方が、気持ちがふっとラクになったり、背中を押されたりしながら、「自分のものさし」を育むヒントを得ていただければ嬉しいです。

上記内容は本書刊行時のものです。