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取引情報
臨床のスピカ
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年8月30日
- 書店発売日
- 2024年8月23日
- 登録日
- 2024年5月14日
- 最終更新日
- 2024年9月13日
重版情報
3刷 | 出来予定日: 2024-10-05 |
2刷 | 出来予定日: 2024-08-27 |
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紹介
山田風太郎賞受賞後第一作
寄り添い、寄り添われ、生きていく
動物介在療法に携わるDI犬のスピカと、そのハンドラーの凪川遥が、横紋筋肉腫を患った5歳児、強迫性障害を抱える中学生、産後うつの患者や家族たちと向き合う。それは、凪川自身の内面にも変化を起こし、やがて大きな決断をすることに。
動物介在療法を知るきっかけとなった同期との出会いとその後、育児放棄をした母とのこれから。
犬と人との関係を通じ、人と人との心地よい距離と自分自身のありようを見つめ直していく。
命の現場を舞台に、現役看護師の著者が描く希望の物語
目次
第1章 2023年5月 白い生き物
♯1 2012年 春
第2章 2023年8月 水のないプール
♯2 2012年 夏
第3章 2023年12月 真冬の蟬
♯3 2019年 冬
第4章 2024年2月 線を跨ぐ
♯4 2022年 夏
第5章 2024年3月 正しい距離
エピローグ 2024年 春
版元から一言
著者からのメッセージ
担当編集者から「動物の話を書いてみませんか?」と提案された時、脳裏に浮かんだのは実家で飼っていた犬や猫たちだった。彼らとは、多くの時間を共に過ごした。隣で寝転び、一緒に散歩に出掛け、お互いの温もりを沢山共有した。そして、幼い私が初めて生死について深く考えたのも、彼らがきっかけだ。
この小説のテーマは、動物介在療法です。DI犬と称される犬が、病棟内で患者に介在する。DI犬は、患者とただ触れ合うわけではない。歴とした医療従事者の一人(一頭)として、患者の治療計画に沿って病棟内で行動する。DI犬を操る人間はハンドラーと呼ばれ、ある程度の臨床経験を積んだ医療従事者に限られている。
ここ数年は未知のウイルスの影響で、他人と距離を空けることを推奨されてきた。だからこそ改めて、自分とは違う誰かの温もりについて描きたくなった。DI犬が患者に与える温もりや注ぐ眼差しは、個人的にケアの本質のような気がしている。
読者の皆様にも物語を通してスピカの温かさが伝わることを、著者として祈っています。
上記内容は本書刊行時のものです。