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戦争社会学研究 第8巻 聞こえくる戦争
聞こえくる戦争
- 初版年月日
- 2024年7月30日
- 発売予定日
- 2024年7月30日
- 登録日
- 2024年7月2日
- 最終更新日
- 2024年7月2日
紹介
〈特集1 聞こえくる戦争〉では、戦争と共に想起される音に耳を傾け、社会や人間との関りを再考する。戦時中に作られ、歌われた軍歌や流行歌の歴史的・社会的背景や、音に込められた体験の継承、音楽に内包された文化やイデオロギーなどを考察する。サウンド・スタディーズの最前線も紹介しつつ、多層的な戦争と音・音楽の研究の地平を開く。
〈特集2 自衛隊にどうアプローチするか〉では、「自衛隊へのアプローチの困難と可能性」をテーマにとした紙上座談会と、自衛隊研究の方法や難しさ、これからの課題を提示する論考・エッセイを掲載。創設七〇年という節目の年に、これからの自衛隊研究の展望を提示する。
〈小特集 憶えていく〉は、二〇二三年七月に逝去された、『戦争社会学研究』に創刊から携わった編集者、岡田林太郎氏への追悼の思いも込め、これまでの戦争社会学研究会が考え続けてきた「社会のなかの戦争」と「戦争のなかの社会」をテーマに、研究をどうパブリックなものにしていくのかを検討する。
ほか、投稿論文2本、自由投稿を3本に、書評、例会報告を掲載。
目次
【特集1 聞こえくる戦争】
聞こえくる戦争 永冨真梨
戦時下における民謡とその資源化――おわら風の盆の事例から 長尾洋子
シベリア抑留下の日本人収容所で響いた音
――民主講習会、ラジオ、手稿歌集の中の歌 森谷理紗
特攻隊がのこした名もなき歌 寺尾紗穂
国破れて歌あり――昭和期の音楽をめぐる貫戦史的考察 張 佳能
「耳は兵器なり」――兵器としての音楽・戦場の音に関する研究動向 永冨真梨
楽器を携えた米兵たち――戦争する人、音楽する人 青木 深
【特集2 自衛隊にどうアプローチするか】
誌上座談会 自衛隊にどうアプローチするか?
井上義和、松田ヒロ子、大谷弘毅、瀧野隆浩、野上 元、柳原伸洋、望戸愛果
自衛隊を対象とする小説・マンガ研究への招待
――出版時期と内容の分類を通じた「理解可能な特殊性」の析出 津田壮章
自衛隊研究の難しさ 中原雅人
自衛官の語りを聞き取るという営み
――自衛隊と外部社会の「断絶」のなかで 児玉谷レミ
自衛隊の質的研究の困難と可能性――広報官への聞き取り調査から 岡田知紗希
現存する軍事組織出身者に対するインタビュー調査の難しさ 角田 燎
自衛隊研究の『あちら』と『こちら』、そしてその『あいだ』 塚原真梨佳
【小特集 憶えていく――戦争の歴史をパブリックに開き続けるために】
特集にあたって 柳原伸洋
記録の余白を補足する記録の収集
――「体験者なき時代」における戦争体験継承の取り組み 山本唯人
パブリック・ヒストリーと編集者の歴史実践 堀 郁夫
「再現」と「再生」――東方社写真と岡田林太郎氏との本づくり 井上祐子
中心を失ったまま対話を続けていくために
――岡田林太郎〈環礁モデル〉試論から出発して 大川史織
【投稿論文】
「銃後女性」の「責任」の再発見
――『銃後史ノート』における葛藤と「自らへの問い」 峯 桃香
メディア・コンヴァージェンス状況下におけるファン共同体の政治化
――『夕凪の街 桜の国』の作品内容および受容の分析から 森下 達
【書評論文】
佐藤文香『女性兵士という難問――ジェンダーから問う戦争・軍隊の社会学』 /野上 元
木村美幸『日本海軍の志願兵と地域社会』/白岩伸也
林 英一『残留兵士の群像︱彼らの生きた戦後と祖国のまなざし』/小林和夫
小川実紗『観光と「性」:迎合と抵抗の沖縄戦後史』/秋山道宏
【例会報告】
「モニュメント」になれないモノたちのために
――エクスカーション企画「軍都・相模原の痕跡を歩く」後記 塚田修一
【自由投稿 ウクライナ問題と私たち――会員の声】
ウクライナ戦争とロシアの現在から考察すべき日本の過去
――被害者意識と勝者の正義 アルト・ヨアヒム
遠くて近い国々の戦争 渡邊信洋
戦争中の文化遺産保護――二一世紀の「ミケランジェロ・プロジェクト」李 貞善
編集後記
執筆者一覧
版元から一言
※戦争社会学研究会のジャーナル『戦争社会学研究』は、第一巻が勉誠出版、第二巻~第七巻までみずき書林で刊行されていましたが、今回の第八号より、図書出版みぎわからの刊行となります。
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。