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文化組織 復刻版 第2回配本
- 出版社在庫情報
- 不明
- 初版年月日
- 2024年10月31日
- 書店発売日
- 2024年11月19日
- 登録日
- 2024年10月21日
- 最終更新日
- 2024年10月30日
紹介
戦後文化の一大源流となった「文化再出発の会」、戦中の営みの全容が蘇る。
「白紙にかへって、民族の生活の根たるべき文化を批判検討し、そこからあらゆる運動への、時代の動向への関連を持たせたいと思う」という方針のもと花田清輝・中野秀人を中心に結成された「文化再出発の会」。
岡本潤・小野十三郎などアナキストを中心に、「外地」をふくむ多士済々の人物をまきこみ、弾圧の時代の中、同人誌の風を装いながら、一種の総合雑誌として戦中3年にわたり刊行をつづけた「文化再出発の会」の機関誌『文化組織』。
昭和10年代を代表する文化誌でありながら、これまで全号を通覧できる機関はなかった。
『真善美』、『綜合文化』という戦後文化誕生の源流となった戦中の営みが全号当時の姿で蘇る。
前書きなど
今回の復刻版と、先に復刻された『綜合文化』(不二出版)を併せ読むことにより、戦後の前衛文学・芸術を準備した雑誌であるとともに、戦争に協力した雑誌でもあるという、『文化組織』の複雑な性格が理解できるようになる。
戦時下、そして戦後の文学・文化を研究するのに重要な資料となるだろう。
― 鳥羽耕史(早稲田大学文学学術院教授)
版元から一言
むしろ白紙にかへつて、民族の生活の根たるべき文化を批判検討し、そこからあらゆる運動への、時代の動向への関聯を持たせたいと思ふのであります。
こゝでは、文化は自主的であり、科學的追及に堪へるものであり、それだけを對象としてもそれだけを切離しても、尚且つ當面の重大問題たるべき種類のものでなくてはなりません。」(「文化再出発の会について」)
一九四〇年に創刊されたメディアの意気込みを伝える言葉として、何とも意味深で独特な言葉をかかげる『文化組織』。
創刊当初は目次だけのシンプルな装いです。号を重ねるごとに不思議なモチーフの装画をかかげながら、戦中約四年にわたって刊行をつづけた文化誌になります。
戦争協力に共鳴する言葉を冒頭と末尾に飾りながら、その合間に、創作や詩、評論の他、地方文化ルポや、「原子論史」「原住民の手記」といった翻訳ものが挟まっているという不思議な目次。
編集の中心となった花田清輝や中野秀人という二人を軸に、アナキスト文学、『上海文学』、『満洲詩人』同人といった「外地」の文化人の名が連なる本誌、戦前―戦後の連続性を考えさせる資料として、私自身も楽しみに刊行準備をしております。
上記内容は本書刊行時のものです。