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レスター・バングス 伝説のロック評論家、その言葉と生涯 ジム・デロガティス(著/文) - トンカチ
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レスター・バングス 伝説のロック評論家、その言葉と生涯 (レスターバングス デンセツノロックヒョウロンカ ソノコトバトショウガイ)

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発行:トンカチ
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ32mm
448ページ
並製
価格 3,600円+税
ISBN
978-4-910592-34-3   COPY
ISBN 13
9784910592343   COPY
ISBN 10h
4-910592-34-2   COPY
ISBN 10
4910592342   COPY
出版者記号
910592   COPY
Cコード
C0073  
0:一般 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年4月30日
書店発売日
登録日
2024年4月2日
最終更新日
2024年5月1日
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書評掲載情報

2024-07-13 朝日新聞  朝刊
評者: 椹木野衣(多摩美術大学教授・美術評論家)
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紹介

音楽について語ることが、表現し行動することであった激動的な1970年代。その真っ只中を生きて死んだ、伝説のロック評論家レスター・バングスの評伝、日本初書籍化。一人の、これ以上ないほどにクチの悪い男が「文学としてのロックンロール / ロックンロールとしての文学」を作り出すまで!

「レスター・バングス 伝説のロック評論家、その言葉と生涯。(原題:LET IT BLURT)」は、抑圧された子供時代からロック批評家として頭角を表し突然の死に至るまで、伝説の男の人生を丹念に追った記録である。翻訳は無理とも言われるその独特の表現、比類なき音楽への情熱、攻撃的なのに泣けてくる、どうしようもないほどに切ない魅力が明らかにされる。

没後40年以上が経過した今も、レスター・バングスは本気で音楽と対峙した傷だらけのヒーローとして、人々の記憶に残り続けている。その言葉に触れたものは、本当の音楽、本当の文学、本当の青春に触れたように、それ以前とは何かが全く変わってしまうのだ。

「パンクロック」や「ヘヴィメタル」を定義し、絶賛するにも酷評するにも、同じだけの愛と憎しみを注いだ、あり得ないロック評論家。英語圏においては、彼の評論スタイルは1つの到達点として認識されているが、日本ではこれまで書籍の出版がなく、ほとんど知られてこなかった。本書はその空隙を埋める最初のものである。版元では引き続きレスター・バングス自身の評論集も刊行予定である。

●レスター・バングスについて
レスターのキャリアは大学時代、雑誌「ローリングストーン」の読者によるアルバムレビューを募集する企画に応募したことから始まった。独学で築いた荒々しい言葉遣いと極めて鋭利な文章は人気を集め、ローリングストーンでニッチな地位を確立した。1973年「ミュージシャンを侮辱した」という理由で解雇されるまで、ローリングストーンで執筆を続けた。
その後、寄稿した雑誌「Creem」でも、騒々しく急進的な批評は止まらなかった。ある時は、アメリカのロックバンド、J・ガイルス・バンドのコンサート中に、タイプライターを手にステージに上がり、聴衆に見られながらリズムに合わせてキーを叩き批評でライブした。Fusion、Playboy、Penthouse、New Musical Express、Phonograph Record Magazine、Village Voiceなどさまざまな出版物に寄稿する。1982年、ドラッグの過剰摂取が原因で33歳という若さで生涯を閉じた。

2000年には映画「あの頃ペニー・レインと」で今は亡きフィリップ・シーモア・ホフマンがレスター・バングス役を演じた。ニューヨークパンクを代表するバンド ラモーンズや、世界で最も重要なバンドとも評されるREMのマイケル・スタイプは愛情を込めて曲中で彼の名前を歌い、作家デヴィッド・フォスター・ウォレスは、初の共著『シグニファイング・ラッパーズ』をレスターに捧げた。ニューヨーク・パブリック・シアターの公演「How to be a Rock Critic(ロック批評家になる方法)」の元となったのが本書である。

目次

・はじめに
・第1章 閉ざされた円環
・第2章 クールの誕生
・第3章 ドラッグ・パンク
・第4章 運命の分かれ道
・第5章 ボーイ・ハウディ!
・第6章 75年まで生き延びろ
・第7章 彼女が俺を読んでいる
・第8章 テンダー・ヴィトゥル
・第9章 まだ中に誰かいる
・第10章 ブラゾス川のジューク・サヴェージ
・第11章 世捨て人らに囲まれて
・後日譚
・謝辞

付録Ⅰ きみもロック評論家になろう レスター・バングス究極の教え
付録Ⅱ レスター・バングス詞選

前書きなど

偉大なアメリカの作家にふさわしい本がついに完成した。 『Let It Blurt』は、機知と世界、レスター・バングスの猛烈な精神を巡る私的な旅だ。ジム・デロガティスは、待望のレスターの伝記を、彼の爆発力と責任感を持って見事に世に送り出した。この本こそがロックンロールだ。-キャメロン・クロウ(映画「あの頃ペニー・レインと」の脚本家)


エルヴィスやジョン・レノンの弔辞から真夜中に書き上げたレコード評に至るまで、彼が書くものはすべて進撃だった。紙面上のパフォーマンスアーティストであるレスターは、ロック批評や個人的な魂の吐露をスタンダップコメディに変えた。若くして亡くなったもう一人の分類不能なアメリカ人、サム・キニソンのように、彼はユーモアこそが最も大いなる救いの道だと考えていた。ルー・リードとの確執、『Creem』編集者としての立場、ケルアック的な執筆形態、パンク・シンガーになるための彼自身の気の遠くなるような探求、これらすべてが、語られることを待っていた。-ジェームズ・ウォルコット(ジャーナリスト、文化批評家)


『Let It Blurt』は、ロックンロールにおいて欠かすことのできない物語を、大きな愛情と華麗さで語っている。レスター・バングスの本質、謎めいた人物像、偉大な作家性、悲劇的な存在、それらを伝える見事な伝記。-ジョナサン・レセム(作家、小説『マザーレス・ブルックリン』著者)


レスター・バングスは生き急ぎ、若くして死に、美しい作品を残した。これは、ロックンロールの才能あるライターであり、レスターの世界 音楽とジャーナリズム の両方を知り尽くす著者ジム・デロガティスによる、偉大な批評家へ捧げた悲歌である。 -ロジャー・エバーロジャー・イーバート(映画評論家)


彼を知る者にとって、レスター・バングスは最高に制御不能で偉大な伝説であった。 ひとつの本が彼の精神と身体の全容をとらえるのは不可能かもしれない。だが『Let It Blurt』はその核心に鋭く切り込む。-リチャード・メルツァー(ロック評論家、「ロック批評」を初めて行った人物)


大衆メディアの注目度の低さによってレスター・バングスの作品が忘れ去られるようなことがあるとすれば、それはロックンロール文化全体にとっての大惨事だ。それを防ぐため、ジム・デロガティスは全力を尽くした。-ミック・ファーレン(ロックミュージシャン、ジャーナリスト)


『Let It Blurt』は、ジャーナリスト且つ詩人であり、ロック批評の未来を築いたレスター・バングス(1949-82)の、騒々しく真っ直ぐな伝記である。ロックンロールについて、これほど情熱的に、これほど説得力を持って、これほど突き抜けた文章を書き、これほど懸命に生きた作家はいない。彼はロックンロールを生き、酒とドラッグを水のように飲み干し、『ローリング・ストーン』、『Creem』、『The Village Voice』で紙面から噴出するような散文で情熱を語った。レスターは70年代、より荒々しく、よりラウドで、よりエレクトリックで、より生き生きとしたサウンドを求めて活動し、その過程でヘヴィ・メタルとパンクの美学を描き、定義した。『Let It Blurt』は、レスター・バングスの魅惑的な(しばしば下品で食欲の失せるものではあるが)半生を丹念に調査した記録であり、最も激動的で創造的だった時代のロック批評とロック文化の窓でもある。レスターによる未発表の作品、陽気な「ロック批評家になる方法」も収録されており、怪しげでフリーダムな彼の商売の秘密が明かされている。-原書『LET IT BLURT』出版社Crown

著者プロフィール

ジム・デロガティス  (ジム・デロガティス)  (著/文

ジム・デロガティス(著)
1964年生まれ。アメリカの音楽評論家、ジャーナリスト、大学の准教授。世界で唯一のロックンロールトークショーであるラジオ『サウンド・オピニオン』の共同司会者。シカゴ・サンタイムズ紙でポップ・ミュージック評論家として 15年間寄稿した。
彼自身ドラマーであり、80年代初頭から数々のインディー・ロック・バンドに在籍してきた。現在のパンクトリオ、ヴォルティスは2000年から活動しており、最近7枚目のアルバム『This Machine Kills Fascists』をリリースした(Cavetone Recordsからレコードで発売中、Spotifyでストリーミングも可能)。彼もレスター同様、ローリング・ストーン誌 在職中に、否定的な批評を書いたために解雇されている。

ジャーナリスト志望だった高校生の時、「自分のヒーローにインタビューしてくる」という課題で彼がインタビュー相手に選んだのがレスターだった。「優れたロックンロールとは何か?」という高校生の質問に、レスターはしばし黙り込んだあとで、「それはロックでなくても、映画でも、文章でもいいんだ。物事に対する向き合い方なんだ。人生を貫くための方法なんだ」と答える。そして高校生が差し出した値引きシールがそのまま貼られた自著に、まだ売れ残ってたんだな、といいながらサインする。「ジムへ 次はお前の番だ。頑張れ。レスター」これが本書執筆のきっかけとなる。レスターが亡くなる2週間前のことだった。

田内 万里夫  (タウチマリオ)  (翻訳

訳者
田内 万里夫
1973年生まれ。テンプル大学教養学部英文学科卒業。翻訳出版の版権エージェントとして複数のエージェンシーに勤務。訳書にバリー・シュワルツ『なぜ働くのか』(朝日出版社)。版権エージェントをしながら絵を描きはじめ、「LOVE POP! キース・ヘリング展――アートはみんなのもの」(伊丹市立美術館、2012年)の壁画プロジェクトを担当したほか、タイ東北モーラム酒店(京王井の頭線・神泉駅前)やバー浮島(下北沢)の壁画を描き、映画『NEVER MIND DA 渋さ知らズ』の衣装協力などをおこなう。近年はHACO NYCおよびRevolú Galleryと仲が良い。「本書については原書が出版された当時、いつか日本語版が出たら読んでみたいと思っていたところ翻訳を依頼されて驚きました」と語る。

追記

【2024年8月4日発売予定】PsychoticReactions and Carburetor Dung
【2024年11月25日発売予定】Main Lines,Blood Feasts,and Bad Taste

上記内容は本書刊行時のものです。