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ニュー・ダイエット 食いしん坊の大冒険
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2022年10月22日
- 登録日
- 2022年2月10日
- 最終更新日
- 2023年2月10日
書評掲載情報
2022-10-06 |
WIRED 日本版
評者: WIRED編集部 |
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紹介
●概略
ヴィーガン(菜食)食品メーカー「ウルトラランチ」代表、ドミンゴ氏による初のエッセイ集です。
ダイエット diet = 日常の食卓という本来の意味に立ち戻って書かれたこの本には、レシピや痩せるノウハウではなく、「食べること」についての歴史と展望が描かれています。
変化する世界のなか、私たちに新しい見通しを与えてくれる一冊です。
●詳細
「食べること」は、私たちにとってどのような営みなのでしょうか?
本書は、ながらくヴィーガン(菜食)食品メーカー『ウルトラランチ』を運営してきたドミンゴ氏が、「これから」を食べることについての希望に満ちた考えをまとめたエッセイです。
こんにちの「フード」においてもまた―――着ることや住むこと、そして私たちが生きることについてのあらゆることと同じく―――経済原理やコマーシャリズム、地球環境、「健康」志向、動物愛護といった信条や思想、私たちの日々の生活スタイルや心身のありかたが清濁含め複雑に関連しあっています。
「食べること」についての日常とこの絶え間なく続く変化のなかで、ドミンゴ氏は一面的な見かたで何かを斬ることをせず、あるいはいっぽうで「なんでもあり」になることを是とするわけでもなく、私たち人間がままならないながらも追求する価値のある<菜食を通したひとつの可能性>を描き出しました――古今東西の文献を横断して私たちの先祖が食べてきたものに想いを馳せ、世界を巡りながらたくさんの食卓に座った経験を味わい直し、そしていま東京でたくさんの野菜を刻みながら。
色鮮やかで楽しい驚きに満ち溢れた一皿を食いしん坊たちに届けるその手つきは、本書においては自らがもっとも楽しみながらテキストを綴るストーリーテラーのそれとなり、多様な世界でまたひとつ稀有な音色を湛える物語をうみだしました。木星社の第4作目となるこの一冊を、アーティスト・ジェリー鵜飼氏のカバーアートとともにお届けします。
ぜひお楽しみください。
著者が語るポッドキャストは『Thursday - Vocalizing Emotions』で検索を。
木星社のインスタグラムはこちら。 https://www.instagram.com/mokusei222/
目次
目次(予定):イントロダクション 第1章:人類の定義(人間はそこまで強い動物ではない/人類とはどんな生物なのか?/どうして私たちは人間(人類)になったのか?) 第2章:栄養満点!(恵まれ、危険に満ちたアフリカ/世界への旅!/世界の食文化から~セックス、政治、社会運用まで) 第3章:過ぎたご馳走(栄養転換ステージ/タブー~「犬は嫌。鯨はダメ。」/食はエンターテインメント。間違いない。) 第4章:美味しく楽しい問題解決(浮世絵に見える風景とは/お料理本に見える可能性/人間の可能性にBETする/「旧」先進国の倫理あるいは格好良さについて) /あとがきにかえて ― ワッツ・ゴーイング・オン/参考文献
前書きなど
『ULTRA LUNCH』はベジタリアン生活を提案しているものではないし肉食を否定しない。シンプルに「植物だけで楽しくて華やかで美味しい一食が出来ちゃうんだな」という体験を追求しているのだ。
植物だけで、美味しく楽しく、華やかに。
そんな『ULTRA LUNCH』が、いま改めて「食べること」を語ろうと思う。
肉に関することや、人間について、それから、もう少し詳しくULTRA LUNCH』が考えていることをひとつにまとめた。
9年に渡り『ULTRA LUNCH』を運営してきて、初のマニフェスト公開となる。
こんな流れだ。
第1章で、「食べること」を250万年の歴史から紐解いていきたい。
第2章では、食事行為を文化として世界を旅しながら一望する。
第3章では、このイントロダクションでも触れた問題提起を多面的に詳しく解説してみたいと考えている。
最後に、「食べること」について『ULTRA LUNCH』なりの提言を行ってみたい。
はじめにお断りしておくが、このドキュメントでは、動物愛護の観点からのエピソードや、スペック(栄養性能)面における菜食のメリットはほぼ語られない。
感情を煽るパワーワードが列記されることもない。
だが、食べることが好きな人であれば、なにかしら記憶しておくに値する情報を得ていただけると信じている。
本書が、愛すべき食いしん坊仲間に宛てた手紙となれば良いと思う。ごく個人的な意見だけど、食いしん坊は私たちの誇るべき大きな特徴だと思っているので。
最後に、本書のタイトルは「ニュー・ダイエット」だが、痩せる方法を説くわけではない。
ダイエット(DIET)という英単語は「日常の飲食物全般とその摂りかた」が本来の意味だ。本書はこの本来の意味である「日常の食べ物」について、それを取り巻く様々な事象に対して冷静に新しい視点で切り込んでいきたいと思っている。
ちょっと長い物語になるかも知れないが、JUST DO IT、行ってみましょう。
版元から一言
<刊行に際して、ドミンゴ氏のコメント>
小さな食品メーカー「ULTRA LUNCH」を運営するにあたり「シンプル・イズ・ベスト」に立ち返ることを使命とすることにしました。スペックよりもブランドよりも流行よりも、もっとシンプルな選択肢を提案するため、思いきり食材を切り詰めて考えました。ヴィーガン(菜食)食品に特化した活動をしているのはこういった理由によります。ベジタリアン生活を提案しているものではありません。肉食を否定することすらしていません。「植物だけで楽しくて華やかで美味しい1食が出来る」という体験を提供したいのです。
忙しい現代人にとって、至るところで手軽に入手できる食べものや、短時間で常に安定している味を提供してくれるチェーン店はとても大事です。でも、この手軽な食べものは、実はとても複雑な背景に支えられています。材料の調達、開発、設計、製造、流通、保存、価格を支える構造は、私たちにそのことを考えさせるのを放棄させるくらいの複雑さを持っていると言得ると思います。「美味けりゃ良いんだよ、美味けりゃ」っていう一見シンプル極まる正論はとても複雑な諸事情が無ければ成立していないことは知っていてもらいたいと思うのです。
「いま、目の前にしている食べものは何なのか?」を考えることは大事です。
「シンプル」を語ると結構話が長くなります。
本書は少々長いですが、食べることが好きな食いしん坊仲間に宛てた手紙となれば幸いです。
関連リンク
www.mokusei.pub
上記内容は本書刊行時のものです。