書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
韓国ドラマを深く面白くする22人の脚本家たち
「梨泰院クラス」から「私の解放日誌」まで
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年7月31日
- 書店発売日
- 2024年7月17日
- 登録日
- 2024年1月19日
- 最終更新日
- 2024年7月20日
書評掲載情報
2024-08-31 | 東京新聞/中日新聞 朝刊 |
MORE | |
LESS |
紹介
あの韓国ドラマはどんな思考から生み出されたのか。
脚本家22人が語るインスピレーションの源、執筆の過程、物語(イヤギ)への想い
『ハンギョレ21』と姉妹誌『シネ21』が、視聴者に愛されている韓国ドラマの脚本家22人へのロングインタビューを敢行。日本でもはまる人続出の韓国ドラマは、どのような思考から生み出されたのか――――。
ドラマファンはもとより、「書く」ことに関心のある人、創作の現場に携わる人に刺激となることばに満ちたインタビュー集。
「本当に作りたい作品は、この先に待っている」
キム・ボトン(「D.P―脱走兵追跡官―」)
目次
プロローグ
“21”もドラマだ。/ファン・イェラン〈ハンギョレ21〉編集長
22人のドラマ脚本家に出会った。/イ・ジュヒョン〈シネ21〉編集長
01 チョ・グァンジン(「梨泰院クラス」)
02 ノ・ヒギョン(「ライブ~君こそが生きる理由~」「私たちのブルース」)
03 パク・ヘヨン(「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん」「私の解放日誌」)
04 キム・ボトン(「D. P. ―脱走兵追跡官―」)
05 キム・スジン(「マッド・ドッグ~失われた愛を求めて~」「怪物」)
06 パク・バラ(「シュルプ」)
07 パク・ヨンソン(「恋のドキドキ♡シェアハウス~青春時代~」
08 パク・ジェボム(「ヴィンチェンツォ」「神のクイズ」)
09 ペク・ミギョン(「力の強い女 ト・ボンスン」「Mine」)
10 ソ・スクヒャン(「パスタ~恋が出来るまで~」「嫉妬の化身~恋の嵐は接近中!~」)
11 ソンチョイ(「調査官ク・ギョンイ」)
12 ソン・ジェジョン(「アルハンブラ宮殿の思い出」「ユミの細胞たち」)
13 シン・ハウン(「海街チャチャチャ」)
14 ヨン・サンホ(「地獄が呼んでいる」)
15 ヤン・ヒスン(「知ってるワイフ」「イルタスキャンダル~恋は特訓コースで~」
16 ユン・ソンホ(「こうなった以上、青瓦台に行く」)
17 イ・ナウン(「その年、 私たちは」)
18 チョン・ドユン(「魔女の法廷」「大丈夫じゃない大人たち~オフィス・サバイバル~」)
19 チョン・ソギョン(「マザー~無償の愛~」「シスターズ」)
20 チン・ハンセ(「人間レッスン」「グリッチ―青い閃光の記憶―」)
21 ファン・ジニョン(「逆賊―民の英雄ホン・ギルドン―」「恋人~あの日聞いた花の咲く音~」)
22 ユ・ボラ(「あなたに似た人」「ただ愛する仲」)
前書きなど
プロローグ
“21”もドラマだ。
ファン・イェラン(『ハンギョレ21』編集長)
母が言った。「人生は裏切りの連続だ」と。人生は礼儀知らずで、
いちいち予告なんかしてこない。どんな人でも、誰であっても、人
生には裏切られるものだと。だから悔しがる必要なんかないんだっ
て。母はこうも言った。「だから大したことないんだから」と。
──「彼らが生きる世界」
詩人チェ・スンジャの詩「三十歳」の一節に、「こんなふうに生きられるわけもなく、こんなふうに死ねるわけもない」と詠まれた30歳。私も、ノ・ヒギョンさんが書いた台詞を噛み締めながら、息の詰まる毎日に耐え、荒れ狂う心の波を沈めたものだ。彼女の描くドラマの世界には「体中の全神経を研ぎ澄ませてこそ」可能な愛や、「初めての人生だからこそ不器用な」人たちが息づいていて、彼らを見るだけでも私の心のなぐさめとなった。
写真を見ると悲しくなる。写真の中の私は屈託なく笑ってい
て、ああ、私はこの頃、幸せだったんだなあって勘違いさせら
れるから。
──「恋愛時代」
パク・ヨンソンさんが紡ぐ「恋愛時代」のウノは、30代の私の姿でもあった。また、パク・バラさんの「シュルプ」で、息子が性的マイノリティであることを知って「母親だからこそ息子と向き合うのだ」というファリョンの姿は、そのまま40代の私の姿だった。
ドラマや映画の脚本集は、近年、出せば必ず出版市場をにぎわせるベストセラー確約商品である。加えて、劇中に効果的に登場する詩集も脚光を浴びる。かくいう私も、シン・ハウンさんの「海街チャチャチャ」で、ドゥシクがヘジンに読み聞かせる詩集『エコーの肖像』(キム・ヘスク著)に胸を打たれ、即購入したひとりなのだが……。とにかく、こうした現象が意味するのは、それほどまでに“文章”でドラマを記憶する人たちが増えているということにほかならない。
我々『ハンギョレ21』誌は、さっそくドラマ脚本家とのインタビュー企画に着手した。小誌が過去に発行した、小説家21人へのインタビューをまとめた『21 WRITERS ①』(2020年8月/1326・1327合併号)、文学以外の分野の作家21人にインタビューした『21 WRITERS ②』(2022年3月/1405・1406合併号)に続く、3度目の“執筆者”特集号である。特に今回は(姉妹誌である)『シネ21』誌とのコラボレーションだ。また、ハンギョレのエンタメチームから、ナム・ジウン、キム・ヒョシルの両記者も合流してくれた。おかげで、総勢22名の素晴らしいドラマ脚本家へのインタビューが実現することとなった。
残念ながらスケジュールの都合や、過酷な新作執筆作業による体調不良などで取材が叶わなかった脚本家のみなさんには、ぜひ次回『21 WRITERS ④』でお目にかかれることを期待している。
創刊30周年を目前に控えた(※原書は2023年に刊行された)『ハンギョレ21』と、
脚本家の思いには相通じるものがあった。まさに“이야기(ストーリー)”である。「雑談をするのも、日記を書くのも、記事を書くのもすべて“イヤギ”」(キム・ボトンさん談)であり、説得するために私たちができることとは、「とにかく書くこと、(中略)支持してくれる人を少しずつ増やすこと」(キム・スジンさん談)だけなのだから。ストーリーは「いちばん得意なこと」であり「すべて」(ソンチョイ談)でもある。彼ら同様、『ハンギョレ21』誌も、これからも「時代のかゆいところに手が届く、孫の手みたいなストーリー」(パク・ジェボムさん談)を発信し続けていく──。
上記内容は本書刊行時のものです。