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シーボルトと近世の蘭学者たち
前野良沢から伊藤圭介まで
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年11月2日
- 書店発売日
- 2023年11月10日
- 登録日
- 2023年10月26日
- 最終更新日
- 2023年11月7日
紹介
江戸時代,出島を通じて日本へもたらされた西洋の学術「蘭学」。1774年,前野良沢らにより『解体新書』が刊行されて以降,医学・薬学・博物学・天文学・暦学など諸学問の書物が翻訳出版され,蘭学を学ぶ者(蘭学者)が増えていった。
1823年,シーボルトがオランダ商館医として来日し,私塾「鳴滝塾」を開設。彼の門人たちは,幕末から明治の学術界で活躍することとなる──。
蘭学者たちとシーボルトの歩みを概観し,彼らの優れた研究成果を紹介する。
目次
ご挨拶[西南学院大学博物館館長 片山隆裕/福岡県立図書館館長 池松峰男]
Ⅰ 蘭学の隆盛
蘭学と西洋知識の広まり
【Column】蘭癖たちの宴 オランダ正月[西南学院大学博物館学芸研究員 鬼束芽依]
Ⅱ シーボルトの来日と日本研究
日本への道のり
鳴滝塾
シーボルトの日本研究三部作
【Column】シーボルトが紹介した考古遺物について[西南学院大学博物館学芸研究員 鬼束芽依]
Ⅲ 蘭学者との交流
日本初の理学博士 伊藤圭介
幕末最高峰の蘭方医 伊東玄朴
シーボルトと学術交流をした福岡藩主 黒田斉清
【Column】福岡藩の蘭学者たち[西南学院大学博物館学芸研究員 迫田ひなの]
【論考】シーボルトと黒田斉清の「学術交流」[西南学院大学教授 宮崎克則]
本展覧会関係略年表
出品目録/主要参考文献ほか
前書きなど
「ご挨拶」より
西南学院大学博物館では,キリスト教主義教育という建学の精神にもとづき,キリスト教文化や東西交流に関わるさまざまな展覧会をおこなっています。
2023年は,1823(文政6)年にシーボルトが来日してから200年という節目の年です。シーボルトは,日本の自然や風俗をヨーロッパへ伝えるだけではなく,西洋の医学や自然科学を日本に広め,彼の門人たちは幕末から明治の学術界で活躍しました。
福岡とシーボルトには,とある繋がりがあります。それは,福岡藩10代藩主・黒田斉清が,長崎・出島でシーボルトと学術的な交流をしたという繋がりです。福岡県立図書館にはシーボルトの著書『NIPPON』『日本植物誌』『日本動物誌』が所蔵されています。これは1918(大正7)年の開館記念に収蔵されたもので,当時の館長・伊東尾四郎が,福岡とシーボルトの歴史的関係を鑑み,財界の援助のもと購入したものです。
本展覧会は,シーボルト来日200周年を記念し,西南学院大学博物館と福岡県立図書館が共同で開催することとなりました。福岡県立図書館所蔵シーボルト資料を中心に展示し,いわゆる「日本三部作」の立役者となった蘭学者と,その活躍を紹介します。本展覧会を通して,当時の日本の豊かな自然や文化,学者たちの優れた研究成果などを知っていただければ幸いです。
最後になりましたが,本展覧会の開催および本書の作成にあたって,ご協力を賜りました関係各位に厚く御礼を申し上げます。
西南学院大学博物館館長 片山隆裕
福岡県立図書館館長 池松峰男
上記内容は本書刊行時のものです。