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三歳までの子どものこころ相談室 小柳 晴生(著) - 木立の文庫
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三歳までの子どものこころ相談室 (サンサイマデノ コドモノココロ ソウダンシツ) 子育て支援センターQ&A (コソダテシエンセンター キューアンドエイ)

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発行:木立の文庫
四六変形判
縦168mm 横128mm 厚さ18mm
重さ 240g
224ページ
並製
価格 1,400円+税
ISBN
978-4-909862-26-6   COPY
ISBN 13
9784909862266   COPY
ISBN 10h
4-909862-26-9   COPY
ISBN 10
4909862269   COPY
出版者記号
909862   COPY
Cコード
C1011  
1:教養 0:単行本 11:心理(学)
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年12月20日
書店発売日
登録日
2022年11月4日
最終更新日
2023年3月22日
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紹介

2023年4月【こども家庭庁】開設――縦割行政から脱却し問題事案の予防・対応を期す動きですが、この本では、そうしたシステム面を補うべく、大人と子どものメンタル面での困りごと相談(Q&A)と、“心とからだ”の交流現場を伝えます。何より「三歳まで」というKey-Ageに焦点を絞ったのが、この本の醍醐味――電動自転車に象徴される「利便」性が進む現代にあって、「それほど楽にならない」子育ての現実が“大人の戸惑い”を生んで……たとえば《可愛いと思えません》《叩いてしまいます》といった相談も絞り出されます。

目次

第1章 子育てがしんどく感じられるようになってきました
   01 子どもと関わることが難しくなっています 
   02 生きる速さが異なると、情緒的な交流が難しくなります 
   03 子育ては、“子どもという自然”と付きあうことです

第2章 心の発達の原点は、親子間の愛着です
   01 親の仕事は、子どもの表現に耳を傾けることです 
   02 気をつけたいのは、テレビ・スマホなどの情報機器です
   03 何はともあれ、まず抱っこすることです

第3第 子どもは、親や家族のオーラに守られています
   01 オーラは、二つの心のパワーで現れます  
   02 ねぎらい、親が譲ること、親があやまることも大切です 
   03 子どもの言葉や表現を面白がっていますか


【相談のおたより】――65のQ&Aを20の領域に分けて

第4章 子どもについての気がかり
   01 言葉が遅れているようで心配です
   02 「こだわり」か「わがまま」か、はっきりしません
   03 人とうまく関われないことに困っています
   04 子どもの気になる行動に困っています
   05 食事・睡眠・トイレットトレーニングで困っています
   06 指しゃぶり・爪かみなどが気にかかります
   07 「赤ちゃん返り」への対応に困っています
   08 家の中と外で裏表があるようで気にかかります
   09 これが「反抗期」なのでしょうか
   10 遊び方が気になります
   11 兄弟げんか・兄弟関係の気がかりの相談です
   12 スーパーマーケットでおねだりされて困っています
   13 ほほえましく思える相談です
   14 習いごと・早期教育について迷っています

第5章 親自身の気がかり
   01 いらいらして子どもをたたいてしまいます
   02 子どもをかわいいと思えません
   03 しつけはどうすればうまくいくのでしょうか
   04 家族で子どもへの関わり方が違うので悩んでいます
   05 親どうしのトラブルで困っています
   06 保育園・幼稚園・子ども園をめぐっての心配です

前書きなど

【まえがき】より

 ……ここに載せた回答が、正解であるとは思っていません。そもそも子育ては「正解のない世界」です。次つぎと気がかりが湧き上がり、どう対処したらよいか手探りで進んでゆく作業です。子育てとは、「どうしたらよいのだろうか?」と思いわずらう時間に意味がある営みではないか思っています。

 私は長らく大学で学生相談のカウンセラーをしていましたが、この本を読んで頂くことが、カウンセラーとの語り合い、自分との対話になればと願っています。文章も、カウンセラーと話していると感じられるように心がけたつもりです。忙しい日常のなかでしばし立ちどまり、子どもとの関わりを振り返る時間になれば幸いです。


【あとがき】より

版元から一言

 この本をまとめるうちに、「子育ては現代社会の縮図だ」という思いをいっそう強くしました。本書では、大人と子どもの生きる速さが違ってきており、それが子育てをしんどく感じさせ、親子の心のすれ違いを生じさせているのではないか、と強調しました。子育てが難しい時代になっているのです。

 科学の発展や進歩の名のもとに、人間が自然から離れようとする力が強くなっていますが、自然に留まろうとする力とのせめぎ合いが、子育てのなかでさまざまな葛藤や苦しみを生み出しているように思います。

 社会がいまのまま進めば、大人と子どもの生きる速さの違いは、ますます大きくなるでしょう。“子どもという自然と付きあう”ことから私たちは、この先どんな生き方を選ぶのか、どんな速さで生きてゆくのか、を日々問われているように思えます。

著者プロフィール

小柳 晴生  (オヤナギ ハルオ)  (

1950年、石川県生まれ。
金沢大学卒業、広島大学大学院修士課程修了。

広島大学および香川大学の保健管理センターで22年間、学生相談カウンセラーをつとめる。
2001年より香川大学教育学部に移る。
香川大学教育学部教授、保健管理センター所長、放送大学客員教授を経て今に至る。


カウンセラーとして人に「ゆっくり自分と付きあう時間」をもつことを援助していきながら、忙しさで自分を省みる余裕さえない“ねじれた”生活に疑問を感じるようになり、2005年に55歳で大学を早期退職――瀬戸内海が眺められる里山で「半隠居生活」に挑戦して17年になる。

「自分と付きあう時間」を味わう静かな生活をと思っていたものの、草刈りやストーブ用の薪づくりなどに振り回される毎日である。

2006年、日本人間性心理学会学会賞を受賞。


著書に『学生相談の「経験知」』〔垣内出版, 1999年〕、『ひきこもる小さな哲学者たちへ』〔NHK生活人新書, 2002年〕、『大人が立ちどまらなければ』〔NHK生活人新書, 2005年〕がある。

上記内容は本書刊行時のものです。