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陰陽師とは何者か
うらない、まじない、こよみをつくる
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年10月3日
- 書店発売日
- 2023年10月10日
- 登録日
- 2022年11月1日
- 最終更新日
- 2023年11月26日
書評掲載情報
2024-01-10 | サライ 2024年2月号 |
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重版情報
4刷 | 出来予定日: 2024-03-20 |
3刷 | 出来予定日: 2023-11-20 |
2刷 | 出来予定日: 2023-10-31 |
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紹介
いま「陰陽師」といえば、多くの人が思い浮かべるのは、小説やマンガなどに描かれる、人知を越えた霊的な能力を持つ平安時代のマジカルな存在、安倍晴明の姿だろう。
しかし陰陽師は平安貴族の政争のなかにだけいるのではなかった。
歴史を通じて、古代から明治はじめまで陰陽師は存在し、社会のなかで大きな役割を果たしてきた。
時間と空間(方位)の吉凶を調整し、占い、祭祀、まじないに携わることによって、国家の存立からお産・病など個人のくらしにいたるまで、人々に安心をもたらし、未来への指針を示してきた。各時代の暦の作成・頒布にも深く関わった。
そのために最新の知識・技術や経験を継承し、時間と空間に対する感覚をつちかい、磨き上げ、それらを人々に伝える真摯な努力を続けてきたのが陰陽師である。
本書は、具体的な資料にもとづいて、古代から近代にいたる歴史のなかで、陰陽師がどのような役割をはたし、どういった文化を担っていたのかを紹介する。
また、安倍晴明にまつわる「ものがたり」も取り上げ、伝承の世界の陰陽師像についても見つめ、最後に陰陽師たちが作り、広めた暦に焦点をあて、その現代に至るまでの姿を追いかける。
240点以上の資料をカラー写真で掲載。
【2023年10月3日から12月10日に国立歴史民俗博物館で開催する同名の企画展示の図録】
■執筆者(執筆順)
小池淳一(国立歴史民俗博物館)
細井浩志(活水女子大学国際文化学部)
赤澤春彦(摂南大学国際学部)
遠藤珠紀(東京大学史料編纂所)
松山由布子(中京大学教養教育研究院)
田中大喜(国立歴史民俗博物館)
梅田千尋(京都女子大学文学部)
山本琢(京都府立京都学・歴彩館)
小田真裕(船橋市郷土資料館)
近藤絢音(神奈川県立公文書館)
水谷友紀(京都府立大学)
林 淳(愛知学院大学文学部)
小田島梨乃(東京大学大学院博士課程)
下村育世(日本学術振興会特別研究員)
■目次
第Ⅰ部 陰陽師のあしあと
第一章 陰陽師、あらわる―古代の陰陽道
第二章 陰陽師、ひろがる―中世の陰陽道
第三章 陰陽師、たばねる―近世の陰陽道
第四章 陰陽師の仕事
第五章 陰陽道と民俗
第Ⅱ部 安倍晴明のものがたり
第一章 安倍晴明とその子孫
第二章 安倍晴明のライバルたち
第三章 転生する安倍晴明
第Ⅲ部 暦とその文化
第一章 暦をくばる
第二章 暦をかえる
第三章 暦をそろえる
目次
プロローグ 陰陽師をさぐる
第Ⅰ部 陰陽師のあしあと
第一章 陰陽師、あらわる―古代の陰陽道
1 陰陽師をさぐる
(1)中国の占いの日本伝来
(2)最初は占い師だった
2 陰陽師あらわる
(1)陰陽師は変わった
[コラム1]呪禁師とは
(2)陰陽師の活躍、はじまる
(3)なぜ陰陽道は流行ったのか―平安京は魔界都市?
第二章 陰陽師、ひろがる―中世の陰陽道
1 賀茂保憲と安倍晴明
(1)晴明と師・保憲の活躍
(2)人々にとっての陰陽師
(3)朝廷陰陽道(官人陰陽師)のひろがり
[コラム2]安倍氏中興の祖、泰親の活躍
2 武家へのひろがり
(1)陰陽師、鎌倉に下る
(2)陰陽師、室町殿に仕える
(3)戦国時代の官人陰陽師たち―土御門家と名田庄
3 社会へのひろがり
(1)さまざまな「陰陽師」
(2)ひろがる暦、占い、呪術の知識
[コラム3]新たに発見された紙背文書
(3)さまざまな暦の流通
第三章 陰陽師、たばねる―近世の陰陽道
1 土御門家、陰陽道本所へ
(1)天皇・将軍・大名と陰陽道祭
(2)陰陽道支配の確立
(3)陰陽道本所という場所
2 各地の陰陽師たち
(1)禁裏陰陽師(地下官人陰陽師)
(2)村の知識人
(3)土御門旧跡と名田庄
第四章 陰陽師の仕事
1 陰陽師の一年
(1)暦日と方角(方位)
(2)占い
(3)祭祀(陰陽道祭と反閇)
(4)まじない
[コラム4]大将軍神のすがた
2 陰陽道の典拠と実践
(1)勘申
(2)陰陽道書
(3)呪符・墨書土器
第五章 陰陽道と民俗
1 神霊操作
2 悪疫退散
3 観天望気
第Ⅱ部 安倍晴明のものがたり
第一章 安倍晴明とその子孫
第二章 安倍晴明のライバルたち
第三章 転生する安倍晴明
[コラム5]安倍晴明の昔話
[コラム6]関東の安倍晴明伝説
第Ⅲ部 暦とその文化
第一章 暦をくばる
1 陰陽師と暦
[コラム7]南都陰陽師の祭祀用具
2「暦掛り記録」と暦造りの一年
3 陰陽師でいるために
第二章 暦をかえる
1 近世の改暦
(1)貞享改暦と文芸
(2)天文方とは―江戸時代の改暦事業
(3)渋川家について
(4)科学史的視点からみた改暦事業、観測儀器
2 家業としての作暦
[コラム8]「旧暦」とは
[コラム9]二十四節気とは
3 さまざまな暦
第三章 暦をそろえる
1 暦の近代化とその影響
(1)明治改暦と人々の対応
(2)さらば陰陽師
2 近代国家と暦
(1)神宮の暦の時代
[コラム10]日本の帝国主義と東アジアの暦
3 暦からカレンダーへ
(1)暦の自由化
(2)現代のカレンダー
エピローグ 陰陽師が残したもの
史料翻刻
掲載資料一覧 など
上記内容は本書刊行時のものです。