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世界牛魔人ーグローバル・ミノタウロス
米国、欧州、そして世界経済のゆくえ
原書: The Global Minotaur: America, Europe and the Future of the Global Economy
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年7月31日
- 書店発売日
- 2021年7月26日
- 登録日
- 2021年5月19日
- 最終更新日
- 2021年12月24日
書評掲載情報
2022-01-01 | NHK BS-1「欲望の資本主義2022」 |
2021-12-18 |
図書新聞
3524号 評者: 中金聡(政治哲学)21年下半期読書アンケート |
2021-10-08 |
週刊エコノミスト
2021年10月19日号 評者: 後藤康雄(成城大学教授) |
2021-09-09 |
中日新聞
夕刊 評者: 文化・芸能「大波小波」 |
2021-08-20 |
週刊金曜日
1341 評者: 本箱 小林和子編集部 選 |
2021-07-25 |
[本]のメルマガ
796号 評者: 小谷敏 大妻女子大学人間関係学部教授 |
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重版情報
2刷 | 出来予定日: 2021-08-10 |
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発売日前から大好評につき、2刷決定! |
紹介
"世界を覆う陰鬱な空にバルファキスが描いて見せた「キャピタリズム歴史絵巻」
この炯眼は無視できない このリーダビリティには逆らえない"―ブレイディみかこ
世界的反緊縮経済運動のリーダー、ヤニス・バルファキスの思想的集大成、待望の翻訳完成。邦訳特典付録として、伝説の知識人ノーム・チョムスキーとの「ニューヨーク対談」、そして特別インタビュー「バルファキスが語る、パンデミック以後の世界経済のゆくえ」の二編を収録。
付録のインタビューでバルファキスは「コロナパンデミック危機は、2008年リーマン金融危機と切り離して考えることはできず、2008年危機の延長線上で考えるべきだ」と主張する。
世界資本主義史において戦後アメリカという帝国は、世界中の富を吸い上げ、それを世界中に循環させる中で肥え太るという、前代未聞の新システムつくりあげた。バルファキスはこのシステムをギリシア神話に登場する牛頭人身の怪人、ミノタウロスに喩えて鋭利に分析する。「牛魔人システム」が崩壊した2008年以後も、金融緩和により金融部門と実体経済の乖離が進み、極々一部の人々に金融資本主義の利益が集中し、超格差拡大社会が実現してしまっている。バルファキスによると、コロナ危機はこのトレンドを加速させ、資本主義を金融資本主義から「テクノ封建主義」へ変質させている。
本書ではこうした分析が、経済理論のみならず古代ギリシア神話や近代文学、哲学思想やサブカルチャーに至るまで幅広い表現を用いて展開されている。現在の世界の富の偏在と格差・貧困の根本原因を理解し、そしてコロナ後の社会を民主的に再生させるにあたって、時間の試練にも十分に耐えうるような洗練された視座を提供してくれる一冊である。
目次
◆序文 ポール・メイソン
◆改訂版への序文 ヤニス・バルファキス
◆謝辞
◆推薦図書
第一章 序論
第二章 未来の実験室
第三章 世界計画
第四章 世界牛魔人
第五章 魔獣の侍女たち
第六章 金融崩壊
第七章 侍女たちの逆襲
第八章 牛魔人の後世への遺産
第九章 牛魔人なき世界
後記
原注
付録
◆ニューヨーク対談――財政民主化への道 ヤニス・バルファキス×ノーム・チョムスキー
◆バルファキスが語る、パンデミック以後の世界経済のゆくえ ヤニス・バルファキス
索引
目次
◆序文 ポール・メイソン
◆改訂版への序文 ヤニス・バルファキス
◆謝辞
◆推薦図書
第一章 序論
第二章 未来の実験室
第三章 世界計画
第四章 世界牛魔人
第五章 魔獣の侍女たち
第六章 金融崩壊
第七章 侍女たちの逆襲
第八章 牛魔人の後世への遺産
第九章 牛魔人なき世界
後記
原注
付録
◆ニューヨーク対談――財政民主化への道 ヤニス・バルファキス×ノーム・チョムスキー
◆バルファキスが語る、パンデミック以後の世界経済のゆくえ ヤニス・バルファキス
索引
版元から一言
イギリス在住のライター、ブレイディみかこさん(『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』『女たちのテロル』『子どもたちの階級闘争』など著書多数)から、すてきな推薦文をいただきました。
世界を覆う陰鬱な空に
バルファキスが描いて見せた
「キャピタリズム歴史絵巻」
この炯眼は無視できない
このリーダビリティには逆らえない
まさに今この世界を覆うパンデミックの「陰鬱な空」を晴らすための政治経済思想の立ち位置を本書は示してくれます。
邦訳特典の付録として、特別インタビュー「バルファキスが語る、パンデミック以後の世界経済のゆくえ」と思想家のチョムスキーとの「ニューヨーク対談」の二編を収録しました。
インタビューでバルファキスはこう述べています。
よくあるパターンとして、今起きている危機(コロナウイルスに端を発する世界的な経済活動の停滞)を2008年の金融崩壊と対比して論じる人がいるよね。でもこれは間違っていると思う。2020年危機は2008年危機と切り離せるものではなく、むしろ2008年危機の延長線上で考えなければいけない事態だからさ。
そうなんです。あの2008年のリーマン金融危機から、わたしたちはまったく抜け出していない。そこへこの「コロナ禍」が覆いかぶさった。そしてわたしたちは、さらなる経済的疲弊と超がつく格差・貧困へ至っているわけです。
アメリカという「帝国」はどのようにして20世紀から世界を「牛耳る」ことになったか? 2008年金融危機の原因を分析する中で、そこに世界資本主義の過去・現在・未来の秘密があるとバルファキスは指摘します。
そのアメリカをギリシャ神話の貪欲な怪獣(牛頭人身)のミノタウロスになぞらえて分析する、バルファキス独特の文体がさえる翻訳書となっております。
追記
ヤニス・バルファキスさんが『世界牛魔人』訳者の早川健治さんのインタビューで出演いたします。
NHK BS-1「欲望の資本主義2022」
前編:2022年1月1日(土)22:00-22:50
後編:2022年1月1日(土)23:00-23:49
上記内容は本書刊行時のものです。