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遺伝子から解き明かす性の不思議な世界
科学が明らかにした多様性と進化の仕組み
- 出版社在庫情報
- 絶版
- 書店発売日
- 2019年2月15日
- 登録日
- 2019年10月9日
- 最終更新日
- 2021年10月12日
紹介
あなたは男ですか、それとも女ですか、自信をもって言えますか?ーー自由さと頑強さをあわせ持つ性について、魚や両生類から鳥や昆虫、ヒト、植物に至るまで多くの生き物を取り上げ、それぞれ固有の性の特徴、また共通して見られる特徴を紹介し、生き物にとって性とは何かを、豊富なビジュアル群とともに解説。
目次
序章 雌雄はどのように作られるか
性の自由さ/性決定と性分化/細胞の性と特徴/性の進化/性の頑強さ
第1章 雌雄はどのように作られるか
1.性染色体/2.性を決める器官︱生殖腺/3.生殖腺の構造︱性ステロイドホルモン/4.生殖器官の構造
第2章 魚の性︱自由に転換する性
1.メダカを用いた性研究の事始め/2.メダカの性分化︱性決定遺伝子DMYと生殖細胞/3.性を決める体細胞と生殖(幹)細胞のパワーバランス/4.生殖細胞の性決定︱卵になるか精子になるか/5.性決定遺伝子の多様性と性のパワーバランス/6.もうひとつの 性のパワーバランス︱性ステロイドホルモン/7.脳だって性分化する!/8.脳の性分化︱哺乳類と鳥類の場合/9.魚類の脳の性分化/10.魚類の脳における性ステロイドホルモン受容体の発現の性差と性的可逆性/11.魚類の脳が性分化する仕組みにはまだまだ謎が多い/12.魚類の性
第3章 両生類の性︱せめぎ合う性決定様式
1.カエルの性染色体と性決定/2.アフリカツメガエルの性決定︱アンチ雄化の性決定?/3.カエル研究からわかってきたdmrt1を介した性システム進化/4.性のデフォルト︱ メス?それともオス? 捉え方で答えは違う!
第4章 爬虫類の性︱環境で決まる性
1.爬虫類、鳥類における核型の特徴やその進化/2.性決定様式の移り変わり/3.温度依存性決定/4.性染色体の起源と分化/5.爬虫類における性転換/6.爬虫類に見られる単為生殖
第5章 鳥の性︱遺伝子と性ホルモンがせめぎ合う性
1.ZZ/ZW型︱オスになるた/めには性決定遺伝子産物の量が大事/2.歌うたいの脳︱脳の雌雄差とオス化/3.半分、赤い。︱ギナンドロモルフの登場/4.脳がオスになる季節/5.脳があいつで身体がおれで︱ニワトリキメラを使った性分化の実験/6.「超遺伝子」と3種類のオスたち/7.男女を生み分けする鳥たち
第6章 哺乳類の生殖腺の性︱精巣・卵巣から生まれる性
1.未分化の性から雌雄へ︱生殖腺のつ/くりと性決定の流れ/2.性を決定する遺伝子SRY/3.精巣をつくるものたち︱SOX9-FGF9の働き/4.卵巣をつくるものたち︱RSPO1/WNT4シグナルとFOXL2の働き/5.哺乳類における卵巣形成の多様性/6.性分化する精子・卵子の通る道/7.ヒト以外の哺乳動物での性分化異常
第7章 哺哺乳類の脳の性︱感情・行動をつかさどる性
1.繁殖戦略における行動の性/差/2.情動や行動の性差をもたらす性シグナル、フェロモン/3.性行動/4.オス行動/5.メス行動/6.養育行動の性差/7.性ホルモンと脳の性差/8.脳の性的二型構造/9.社会とホルモン/
第8章 ヒトの性︱典型的な男・女とは?
1.典型的なヒトの男女︱どこ/が同じでどこが違うか?/2.遺伝子からみる典型的な男と女/3.人間社会における性︱社会では、男と女のあり方はどう決められている?/4.非典型的な性とは?/5.環境と性︱環境は性に影響するか?/6.ヒトの性の新たな捉え方︱性の揺らぎと多様性
第9章 昆虫の性︱多様な性決定遺伝子とそれらをのっとる寄生者
1.昆虫の性決定システム/とは/2.昆虫の性決定機構における多様性と類似性/3.カイコにおける性決定研究の歴史/4. ついに発見! カイコの性決定遺伝子/5. カイコが小分子RNAによってメスになる理由を探る/6.カイコのオス化遺伝子の研究から見えてきたもの/7.昆虫の性を操作する共生細菌ボルバキア
第10章 植物の性︱性決定の新たな世界
1.植物の性とその多様/性/2.植物の性決定の進化・性染色体/3.性を決定する遺伝子の発見︱「カキ」/4.性決定遺伝子の進化と論争︱ウリ科とアスパラガス/5.バラバラな性決定を生んだ「共通点」?︱キウイフルーツ/6.まだまだ未開の地︱イチゴ・ヒロハノマンテマ・スイバ/7.選ばれる性・揺らぐ性︱パパイヤ・ブドウ・栽培ガキ/8.植物の性染色体進化に一般性はあるのか?
前書きなど
「性」という言葉を聞いたとき、みなさんはなにを連想されるでしょうか。この本では科学が明らかにしてきた性の成り立ちと性に関連した表現や行動、そしてそこに備わる仕組みが書かれています。 さまざまな生き物が示す性の現象とそれをもたらす仕組みを楽しんでください。この本を通じて、私たちがともすると主観的にしか感じない性も、生物学的仕組みの上に成り立っていること、その仕組みは悠久の時間の中で作られ、なおも進行形の進化の延長線上にあることを感じてもらえればと思います。―「はじめに」より
上記内容は本書刊行時のものです。