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芦別 嶋﨑尚子(編著) - 寿郎社
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芦別 (アシベツ) 炭鉱〈ヤマ〉とマチの社会史 (ヤマトマチノシャカイシ)

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発行:寿郎社
B5判
縦182mm 横257mm 厚さ3mm
重さ 270g
340ページ
並製
価格 4,000円+税
ISBN
978-4-909281-56-2   COPY
ISBN 13
9784909281562   COPY
ISBN 10h
4-909281-56-8   COPY
ISBN 10
4909281568   COPY
出版者記号
909281   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年12月28日
書店発売日
登録日
2023年12月21日
最終更新日
2024年2月20日
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書評掲載情報

2024-03-16 朝日新聞  朝刊
評者: 藤野裕子(早稲田大学教授)
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紹介

芦別最後の坑内掘炭鉱の閉山(三井芦別炭鉱1992閉山)から30年をへて明らかにされた〈炭鉱内部の仕事〉〈賃金〉〈労働者の移入と移出〉〈事故の発生状況〉、そして〈住まい〉や〈学校〉〈女性たちの活動〉……。炭都・芦別に移住し、働き、暮らし、そして去って行った膨大な人たちの足跡を追った気鋭の研究者たちによる〈炭鉱研究〉〈地域史研究〉の比類なき一冊。

目次

はじめに………嶋﨑尚子 

写真記録 昭和の芦別………長谷山隆博 編
1 芦別駅前広場………昭和二八年(一九五三年) 
2 芦別駅前通り………昭和二八年(一九五三年) 
3 三井芦別駅前通りで人員整理反対闘争集会………昭和二八年(一九五三年)
4 三井芦別倶楽部を取り囲む組合員と主婦会員………昭和二八年(一九五三年) 
5 労務課一坑外勤前での人員整理反対闘争集会………昭和二八年(一九五三年)
6 天皇皇后芦別駅奉迎………昭和二九年(一九五四年) 
7 蘆別神社夏越(なごし)祭の神輿行列………昭和二九年(一九五四年)
8 花まつり行列………昭和三〇年(一九五五年) 
9 旭湖畔公園でのボートレース………昭和三〇年(一九五五年) 
10 冬の芦別駅前通り………昭和三一年(一九五六年) 
11 蘆別神社秋季例大祭の露店………昭和三一年(一九五六年) 
12 第二八回メーデーのジグザク行進………昭和三二年(一九五七年)
13 三井芦別一坑地区の盆踊り………昭和三三年(一九五八年)
14 三井芦別炭鉱二坑での組合集会………昭和三三年(一九五八年) 
15 芦別駅3番線の三井芦別鉄道客車………昭和三三年(一九五八年) 
16 芦別駅の蒸気機関車と客車………昭和三三年(一九五八年) 
17 三井芦別労働組合の企業再建案反対闘争集会………昭和三四年(一九五九年)
18 三井芦別労働組合の企業再建案反対闘争集会………昭和三四年(一九五九年)
19 芦別町警察署の拳銃点検………昭和三四年(一九五九年)
20 芦別大通での消防演習………昭和三五年(一九六〇年) 
21 芦別まつりの手踊りと花みこし………昭和三六年(一九六一年)
22 繁華街の火災………昭和三六年(一九六一年) 
23 大雨により芦別川氾濫………昭和三七年(一九六二年) 
24 芦別小学校開校六〇周年記念パレード………昭和三八年(一九六三年) 
25 芦別大通で陸上自衛隊パレード………昭和三八年(一九六三年) 
26 芦別小学校でラジオ体操………昭和三九年(一九六四年) 
27 上芦別で輓曳(ばんえい)競馬………昭和三九年(一九六四年)
28 芦劇通り夕景………昭和三九年(一九六四年) 
29 若葉児童プール………昭和三九年(一九六四年)
30 北海道暖房工業のコークス工場………昭和四〇年(一九六五年) 
31 川岸小学校最後の卒業式………昭和四〇年(一九六五年) 
32 北海道興産㈱北興芦別炭鉱の開鉱………昭和四〇年(一九六五年) 
33 芦別小学校の学校給食………昭和四〇年(一九六五年) 
34 芦別市産炭地振興市民大会………昭和四一年(一九六六年)
35 豪雨により駅前市街地が冠水………昭和四一年(一九六六年) 
36 国設芦別スキー場………昭和四二年(一九六七年) 
37 芦別大通の商店街………昭和四二年(一九六七年) 
38 芦別まつりの鼓笛隊パレード………昭和四二年(一九六七年)
39 高根小中学校の閉校式………昭和四二年(一九六七年) 
40 国設芦別スキー場のスケートリンク………昭和四三年(一九六八年)
41 道立3高等学校の合格者発表………昭和四三年(一九六八年) 
42 都通り商店街………昭和四三年(一九六八年) 
43 曙通り商店街………昭和四三年(一九六八年) 
44 道道上芦別市街線改良工事落成パレード………昭和四三年(一九六八年) 
45 第9回芦別まつりの賑わい………昭和四四年(一九六九年) 
46 芦別まつりの仮装行列………昭和四四年(一九六九年) 
47 芦別市民憲章制定一周年記念パレード………昭和四四年(一九六九年)
48 中央バス芦別ターミナル………昭和四五年(一九七〇年) 
49 芦別レジャーランド開業………昭和四五年(一九七〇年) 
50 曙通りの芦別高校仮装行列………昭和四五年(一九七〇年) 
51 芦別高校学校祭の仮装行列………昭和四五年(一九七〇年) 
52 芦別緑町横断歩道橋完成………昭和四五年(一九七〇年) 
53 昭和四六年成人式………昭和四六年(一九七一年) 
54 三角山スキー場………昭和四六年(一九七一年) 
55 芦別工業高校野球部が春の甲子園に出場………昭和四六年(一九七一年)
56 油谷小学校の閉校式………昭和四六年(一九七一年)
57 豊岡小学校の閉校式………昭和四七年(一九七二年)
58 三井芦別鉄道さよなら旅客列車………昭和四七年(一九七二年)
59 東黄金小学校鼓笛隊の練習………昭和四七年(一九七二年)
60 上芦別公園うぐいす橋完成………昭和四七年(一九七二年) 
61 輓曳(ばんえい)競馬………昭和四七年(一九七二年)
62 駅前通りで歩行者天国………昭和四七年(一九七二年) 
63 見返橋渡橋式………昭和四七年(一九七二年)
64 第一回三角山スキージャンプ大会………昭和四八年(一九七三年)
65 芦別保育園よい子の家………昭和四八年(一九七三年)
66 芦別市開基八〇周年・市制施行二〇周年記念音楽パレード………昭和四八年(一九七三年)
67 芦別市開基八〇周年・市制施行二〇周年記念芦別獅子舞………昭和四八年(一九七三年) 
68 芦別市開基八〇周年・市制施行二〇周年記念時筒埋設式………昭和四八年(一九七三年) 
69 市民歩け歩け運動………昭和四九年(一九七四年) 昭和四九年(一九七四年) 
70 上芦別町の啓南(けいなん)公園………昭和四九年(一九七四年)
71 第九回芦別冬まつりの仮装行列………昭和五〇年(一九七五年) 
72 蘆別神社の初詣………昭和五一年(一九七六年) 昭和五一年(一九七六年)
73 芦別高校の登校風景………昭和五一年(一九七六年) 
74 三井芦別炭鉱ガス爆発事故殉職者の合同社葬………昭和五二年(一九七七年)
75 芦別市民まつり纏(まとい)踊り………昭和五二年(一九七七年)
76 芦別市民まつり千人踊り………昭和五三年(一九七八年) 
77 芦別農業まつり………昭和五四年(一九七九年)
78 上芦別町の泰山橋竣工式………昭和五四年(一九七九年)
79 国鉄ローカル線廃止反対総決起集会………昭和五五年(一九八〇年)
80 旧上芦別中学校舎焼失………昭和五五年(一九八〇年)
81 空知川いかだ下り競争………昭和五五年(一九八〇年)
82 農業まつりで乳牛の品評会………昭和五五年(一九八〇年) 
83 上芦別駅前で国鉄合理化反対集会………昭和五六年(一九八一年)
84 ブラックスネークスが少年野球全道優勝………昭和五六年(一九八一年)
85 集中豪雨で市道崩壊………昭和五六年(一九八一年)
86 第30回上芦別公園まつり………昭和五七年(一九八二年)
87 マイタウンケイスイ商店街がオープン………昭和五七年(一九八二年)
88 芦別駅前歓迎塔………昭和五七年(一九八二年) 
89 一番街で音楽パレード………昭和五八年(一九八三年) 
90 北大通の噴水広場………昭和五九年(一九八四年) 
91 芦別温泉じゃがいも祭り………昭和五九年(一九八四年) 
92 星の降る里芦別宣言セレモニー………昭和五九年(一九八四年) 
93 一〇〇〇万人ラジオ体操祭地方大会………昭和六〇年(一九八五年) 
94 第一回上金剛山(かみこんごうさん)山開き………昭和六一年(一九八六年)
95 炭鉱と地域を守る緊急全道一万人大会………昭和六一年(一九八六年) 
96 滝里ダム建設事業補償基準調印式………昭和六一年(一九八六年) 
97 蘆別神社夏越(なごし)祭り………昭和六二年(一九八七年)
98 芦別健(けん)夏(か)まつりで山笠(やまかさ)疾走………昭和六二年(一九八七年) 
99 第四回芦別産業フェスティバル………昭和六二年(一九八七1年) 
100 株式会社星の降る里芦別の設立………昭和六三年(一九八八年) 

第1章 石炭と電力のマチ――国産エネルギー供給地としての芦別の歴史………島西智輝 
はじめに
1 中央資本による電源と炭鉱の開発――明治~戦時期
2「芦別三ダム」と「芦別五山」の時代――戦後~一九七〇年代初頭
3 「芦別三ダム」の再編と「芦別一山」の閉山――一九七〇年代~一九九〇年代
おわりに
【コラム1】芦別の中小炭鉱………島西智輝
【コラム2】ヤマを開発した実業家・投資家たち………島西智輝

第2章 ビルド鉱三井芦別の人員確保と労働者の定着………嶋﨑尚子
はじめに
1 戦中・戦後から最盛期までの炭鉱への移入
2 ビルド鉱三井芦別の人員確保
3 ビルド鉱三井芦別での従業員の定着と出勤率向上
【コラム3】三井芦別の社宅建設と炭住街の形成………嶋﨑尚子

第3章 ビルド鉱の衰退と閉山――芦別を去る人・留まる人………嶋﨑尚子
はじめに
1 ビルドアップ以前の動き
2 ビルドアップ期以降の動き
3「炭鉱社会」のつながり
【コラム4】改良住宅への建替えと炭住生活の変貌………嶋﨑尚子

第4章 樺太引揚者の足跡から辿る戦後の芦別と石炭産業………坂田勝彦
はじめに
1 樺太引揚者と芦別――戦後復興期における石炭産業の再建をめぐって
2 芦別に転入した樺太引揚者の概況――「引揚者台帳」のデータから
3 樺太引揚者にとって芦別と炭鉱はいかなる場所だったか――その経験から考える
おわりに
【コラム5】炭鉱間移動と「ヤマの仲間」………嶋﨑尚子

第5章 炭鉱の学校と子ども………笠原良太
はじめに
1 炭鉱の発展と学校・子ども
2 炭鉱の衰退と学校・子ども
3 最後のヤマと学校・子ども
 おわりに

第6章 三井芦別炭鉱での仕事………清水拓
はじめに
1 地質条件と坑内骨格構造
2 生産組織の構成
3 労働態様
4 採炭現場のレイアウト
5 採炭現場の人員配置と作業内容
おわりに
【コラム6】明治期の炭鉱開発と炭鉱労働者………長谷山隆博
【コラム7】戦時下の炭鉱開発と炭鉱労働者………長谷山隆博

第7章 災害報告から読む三井芦別炭鉱の事故………長谷山隆博
 はじめに
 1 分析対象資料について
 2 災害の分析と傾向
 おわりに
  【コラム8】三井芦別の労働生活………島西智輝
  【コラム9】石炭運送と鉄道………長谷山隆博

第8章 三井芦別労働組合と精妙な賃金体系………中澤秀雄
 はじめに
 1 三井芦別労働組合小史
 2 精緻化と調整の賃金システム
 3 むすびにかえて
  【コラム10】三井芦別と北日本精機………島西智輝

第9章 炭鉱町から地方都市へ――戦後芦別市の地域産業構造と社会移動の変遷………新藤慶 
 はじめに
 1 芦別市の主要産業の推移(男女合計)
 2 性別にみた芦別市の主要産業の推移
 3 人口の社会移動
 4 まとめ
  【コラム11】芦別支店、芦別営業所、芦別鉱業所………新藤慶 

第10章 芦別で働いた人たち――芦別出身者と転入者の比較を通して………新藤慶
 はじめに
 1 使用するデータの概要
 2 産業大分類の推移
 3 芦別出身者/転入者の推移
 4 出身地域と産業の関係
 5 転入者の出身地
 6 まとめ
  【コラム12】炭鉱全盛期の飲食店………長谷山隆博

第11章 芦別の女性たちの組織活動――主婦会・婦人会、生活学校を中心として………西城戸誠
 1 芦別の炭鉱主婦会(炭婦協)
 2 芦別における炭鉱主婦会以外の女性団体の概要
 3 芦別における生活学校の展開
 4 まとめにかえて――芦別の女性団体がもたらしたもの
  【コラム13】炭鉱と農業――炭鉱周辺の農業従事者………西城戸誠

終章 炭鉱は芦別に何を残したのか――まとめにかえて………西城戸誠
 はじめに――本書を振り返って
 1 芦別の炭鉱と労働者の移入・定着・移出
 2 芦別の炭鉱労働の特徴
 3 芦別の地域産業と地域活動
 4 炭鉱が芦別に何をもたらし、残したのか

あとがき………長谷山隆博

年表
索引 

前書きなど

 北海道石狩炭田の北部に位置する芦別市は、合併したことがない市として日本最大の面積(865.04平方キロメートル)を有する。1900年(明治33年)からの100年間に、人口の急激な拡大と減少を経験したが、その動力源は石炭産業であった。芦別の石炭産業は、1913年(大正2年)に三菱鉱業が上芦別で石炭層を試掘し、膨大な埋蔵量を確認したことを契機に本格的に勃興し、その後、昭和期をとおして、「芦別五山」と言われる五つの大手炭鉱をはじめ、1960年には中小を含め15鉱が稼働していた。
 この五山が辿った動向は、戦後日本における北海道石炭産業史の要諦を網羅している。すなわち、戦前・戦中期の拡大と休止、戦後復興期の急速な生産拡大と移住による人員の増加、短い最盛期、1960年代の芦別四山の閉山と三井芦別炭鉱の「ビルドアップ」、その後の「ビルド鉱」の維持・存続、そして1992年の三井芦別炭鉱閉山である。
芦別の100年は、道内石炭産業のライフサイクルにほかならない。この間にエネルギー資源として膨大な石炭を産出した。そして同時に、痛ましい事故・災害の犠牲も生んだ。多くの人びとが芦別に移り住み、石炭を掘り出し、家族ぐるみで地域で暮らし、炭鉱の終焉とともに芦別を去った。本書では、芦別がたどったこのダイナミックな石炭産業の軌跡を、戦後を中心に〈昭和の芦別〉として記録する。……はじめに(嶋﨑尚子)より

著者プロフィール

嶋﨑尚子  (シマザキナオコ)  (編著

1963年、東京都生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専攻はライフコース社会学、家族社会学。共著書に『〈つながり〉の戦後史』(青弓社)、『炭鉱と「日本の奇跡」』(青弓社)、『太平洋炭砿』上・下(釧路市教育委員会)、『現代家族の構造と変容』(東京大学
出版会)、共著に『近代社会と人生経験』(放送大学教育振興会)など。

西城戸誠  (ニシキドマコト)  (編著

1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専攻は環境社会学・地域社会学。著書に『抗いの条件』(人文書院)、共編著に『どうすればエネルギー転換はうまくいくのか』(新泉社)、『震災と地域再生』(法政大学出版局)、共著に『戦後日本の出発と炭鉱労働組合』(お茶の水書房)、『避難と支援』(新泉社)など。

長谷山隆博  (ハセヤマタカヒロ)  (編著

1959年、北海道生まれ。父は三井芦別炭鉱の鉱員で、高校生まで芦別市西芦別町で育つ。1986年、立正大学大学院史学専攻修士課程修了後、苫前町・門別町で遺跡発掘調査員。1993年の星の降る里百年記念館開館から芦別市で学芸員として勤務。2020年に定年退職。現在、同館アドバイザー。専攻は日本考古学、北海道近現代史。共著に『日本考古学小辞典』(ニューサイエンス社)、編著に『日本の地名』(平凡社)、編著に『芦別獅子百年史』『新芦別市史 第3巻』(ぎょうせい)など。

上記内容は本書刊行時のものです。