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どうぶつえん
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2024年3月25日
- 登録日
- 2024年1月23日
- 最終更新日
- 2024年3月25日
紹介
きょうは ママと パパと どうぶつえん
みんなで ゴリラの おうちに いって
くまの おかにも いったよ
ここはふしぎなどうぶつえん。
大人と子ども、同じどうぶつえんにいるのに見えるものは違うもの!?
国際アンデルセン賞画家賞を受賞している、韓国の絵本作家スージー・リー。
挑戦的で実験的な絵本作家として世界的に有名で、
邦訳作品に『なみ』『かげ』『せん』などがあり、国内でも人気です。
みんな同じどうぶつえんにいるはずなのに、それぞれ見えるものや聞こえるものは違うものなの?
シンプルな文書と繊細で美しいイラストで、その見事なパラレル・ワールドを表現します。
世界各国で翻訳され、大人と子どもが一緒に楽しめる名作絵本の邦訳版が誕生!
版元から一言
2022年、「小さなノーベル賞」と呼ばれる国際アンデルセン賞画家賞を受賞したスージー・リーは、今、世界で最も注目を集める絵本作家のひとりです。
スージー・リーの挑戦的実験的な現代絵本創作の歴史は、絵本というメディアの可能性を押し広げただけでなく、韓国初の国際アンデルセン賞受賞という快挙で、韓国社会における絵本作家の地位の確立および認知度の向上に大きく貢献しました。
絵本『동물원(どうぶつえん)』は、文字なし絵本で有名なスージー・リーの初の韓国語絵本で、2004年に韓国の出版社ビリョンソから刊行されました。
その前年2003年にイタリア・コッライーニ社から出版した文字なし絵本『Mirror(かがみ)』は、本のノドを現実と空想・想像の世界の境界に見立てた絵本づくりを特徴としており、2008年と2010年にアメリカ・クロニクルブックス社から出版してニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞を受賞する『Wave(なみ)』と『Shadow(かげ)』と合わせて、「境界絵本3部作」と呼ばれる彼女の代表作となりました。
文も絵もスージー・リーが手掛けた韓国語絵本デビュー作『동물원(どうぶつえん)』には、代表作「境界絵本3部作」に共通する、スカート姿のこどもの原型が描かれます。親ではない誰かといっしょに跳ねたり踊ったりして遊ぶというモチーフも共有しています。異なるのは、こどもの声による語りがある点で、親の見ている世界とは異なる、いわゆるパラレル・ワールドから聞こえてくる声が、絵本のなかをいきいきと響きわたります。現実と虚構の境界なんて、最初からなかったのではないかしら?
さまざまなドラマがあるけれど、最後は必ずユーモアが残る。スージー・リー現代絵本の真髄を、ぜひ『동물원(どうぶつえん)』で味わってほしいと思います。これまでに、アメリカ、フランス、スペイン、メキシコ、台湾、中国で翻訳出版されており、アメリカでは「2008年全米英語(国語)教師評議会が薦めるこどもの本」にも選出されています。
実在の「서울어린이대공원(ソウルこども大公園)」をモデルにしたと言われる、作品冒頭部の動物園出入口付近の風景はたいへん魅惑的で、思い思いのスタイルで広場に集う老若男女が登場します。ベビーカーのこどもとお母さん。幼稚園教諭と園児のグループ。芝生で宴会を始める2人組と注意する警備員。われわれよみ手にカメラのレンズを向けてくるおじさんもいます。ひとりひとりの息遣いまで聞こえてきそうな群像劇を、スージー・リーはみごとに描きます。
物語は、こどもがママとパパと動物園にやって来るところから始まります。やがて、こどもは孔雀と連れ立ち、どこかほかの「どうぶつえん」へと繰り出します。こどもをさがしまわるママとパパ。動物との遊びに興じるこども。ページをめくるたびに、現実と虚構の境界が見えたり見えなくなったり…。
現代絵本の名プロデューサー、スージー・リーが提案するのは、絵本を遊ぶこと。1羽の孔雀が冒頭から結末までよみ手をエスコートして「どうぶつえん」を楽しませてくれます。
上記内容は本書刊行時のものです。