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浮きて流るる 小鳥書房店主日記2021年3月~2022年6月
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2022年12月3日
- 書店発売日
- 2022年12月3日
- 登録日
- 2022年11月2日
- 最終更新日
- 2024年6月28日
紹介
東京郊外・谷保の古い商店街の一角にある小さな出版社兼本屋の女性店主が綴る切実な日々。離婚、家族の病気、本屋の苦難…いいこともよくないことも心の動くままに書き連ねた1年半分の日記を前半に、後半には「日記とはなにか」をテーマにした5名の寄稿文を掲載。
寄稿=
遠藤由実子(小説家)
太田靖久(小説家・ODD ZINE主宰)
3月クララ(文芸ユニット「るるるるん」)
佐藤友理(ZINE「まどをあける」主宰)
柳沼雄太(書肆 海と夕焼 店主)
目次
店主の週日記
2021年3月
2021年4月
2021年5月
2021年10月
2021年11月
2022年1月
2022年2月
2022年3月
2022年4月
2022年5月
2022年6月
2022年7月
寄稿
「 それぞれの日付のかよちゃん」、 あるいは分裂した「かよちゃんたち」へ。 遠藤由実子
贋作 小鳥書房店主・落合加依子日記(抜粋) 太田靖久
裸身 3月クララ
日記をひらく 佐藤友理
「過ぎ去った日常」の劈開 ――「店主の週日記」の時間とドラマツルギー―― 柳沼雄太
あとがき
前書きなど
『浮きて流るる』と名づけたこの本は、わたしが小鳥書房店主としてnoteで書いていた「店主の週日記」の2021年3月~5月、10~11月、2022年1~6月分をまとめたものです。日ごとの文字量は多くないのに思いがけず厚い本になってしまって、ちょっとびっくりしています。ゆらゆら書いた短い雑記もまとまればそれなりの厚みになる。ひとの一生も別におおげさなものではなくて、ただそんな感じなのかもしれません。
書いた日記を読み返すと、わたしの日常は対話の中でうねるようにして流れているんだなあ、と気づかされます。対話によってさざれなみが立ったり、揺れていた水面が凪いだり。時折おおきく波紋が広がるのも泡立つのも、たいていだれかのことを考えるときだったりするので、日記にも自然と名前がたくさん出てきます。ひととの関係は曖昧で、とらえどころなく海月のように漂うからこそ、その輪郭にわたしはわたしの目線から触れてみたかったのだと思います。
いいことも、よくないことも。たえまなく立ち現れるできごとに対して、ちゃんと今日も心が動くことをうれしく思いながら、毎晩、布団にもぐる前に日記を書いています。堂々とお見せできるほどかっこよくも洗練されてもいないこんな日常ですが、日記をとおして、遠くて近いだれかと声のない会話をかわすことができたなら。
(はじめに)
上記内容は本書刊行時のものです。