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エセ商標権事件簿
商標ヤクザ・過剰ブランド保護・言葉の独占・商標ゴロ
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年12月15日
- 書店発売日
- 2023年12月15日
- 登録日
- 2023年11月13日
- 最終更新日
- 2024年9月13日
紹介
あの人たちの茶番劇をまとめて断捨離!
みんなが使えるべき言葉を勇気を持って使い続ける事が必要!
モンスターエナジー事件 ポケモンにも容赦なし! 稀代のモンスタークレーマーは今日も連敗中
断捨離事件 謝罪もできない!? 言葉狩りを目論むエセ商標権者は断捨離だ!
面白い恋人事件 シャレが全然通じない! パロディを理解しないカタブツ社長の大暴走
ピンク・レディーdeダイエット事件 そんなにキレるか? 往年のアイドルが示したパブリシティ権の限界!
ペンパイナッポーアッポーペン事件 あの大ヒット曲はアップルのテーマソング? 世界のりんごは俺のもの!
ゆっくり茶番劇事件 とんだ茶番!ユーチューバーの浅知恵が引き起こした騒動で大迷惑!
銃夢ハンドル事件 なぜそんなにエラそうなのか!? 高名漫画家が無実の若者に改名を迫る!
フランク三浦事件 歴史的偉業!? パロディ商標はなぜ本家に勝訴できたのか?
「「みんなのもの」を商標登録しようとする人々」「エセ商標権を主張し逆に訴えられた人々」等のコラムも
目次
《目次》
《まえがき》 18
《目次》 20
《凡例》 30
第1章 困惑! 商標モンスターの大暴走 31
ポケモンにも容赦なし! 稀代のモンスタークレーマーは今日も連敗中
モンスターエナジー事件 32
無意味過ぎる! 高性能CPUがやらかす盛大なリソースのムダ使い!
インテル・インサイド事件 40
ロボットの股下にもクレーム!? 地元企業にケンカを売る暴走タワー!
東京スカイツリー事件 44
疑心暗鬼で敗訴まで突っ走る! パチンコ嫌いのロック歌手が大暴走
矢沢永吉パチンコ事件 55
浅ましい! あの文豪の息子たちがエセ商標権で世間から軽蔑される!
夏目漱石事件 61
血は争えないのか!? 夏目漱石の曾孫がエセ商標権で大暴走!
第二・夏目漱石事件 68
謝罪もできない!? 言葉狩りを目論むエセ商標権者は断捨離だ!
断捨離事件 74
オリジナルでもない! 断捨離独占をたくらむ主張が全否定される!
第二・断捨離事件 82
コラム①「みんなのもの」を商標登録しようとする困った人々 その1 90
ポリー・ハッターって誰!? 裁判では止められないメガネ少年大集合!
ターニャ・グロッターと魔法のコントラバス事件 96
シャレが全然通じない! パロディを理解しないカタブツ社長の大暴走
面白い恋人事件 104
これは悪い夢なのか? はまちと熟女がバナナを巡って法廷闘争!
朝バナナダイエット事件 112
大目玉を喰らわせろ! 「世界観」の独占を試みる身勝手な芸術家の暴挙
目玉アートの世界観事件 116
呪われているのか!? エセ商標・エセ著作権につけ狙われたネズミくん
マウスくん事件 125
コラム②「みんなのもの」を商標登録しようとする困った人々 その2 134
第2章 当惑! あの人の意外な独占欲 141
ファンはSHOCK! メンバー間の憎悪渦巻く粘着質な商標バトル!
クリスタルキング事件 142
そんなにキレるか? 往年のアイドルが示したパブリシティ権の限界!
ピンク・レディーdeダイエット事件 150
悪魔が来たりてイチャモンクレーム! 子供番組にネチネチ詰問!
ねこねこ日本史事件 155
博士の異常な愛情!? 頑なに帽子を取らぬ博士は人の帽子を脱がせるか?
さかなクンの帽子事件 163
ありふれた名前の独占を試みる歌姫とおもちゃメーカーのムダな争い!
MISIA事件 168
作家の著作権よりも広告クライアントのご機嫌取りをしていいのか!?
カルピス・アルプス事件 173
タイ王国激怒!ヨガトレーナーの軽率な商標登録が外交問題に発展!
ルーシーダットン事件 179
器が小さ過ぎる! 元同僚のプロフィールに理不尽訴訟しもちろん敗訴!
第二・ルーシーダットン事件 185
コラム③ エセ商標権ならぬ珍商標大集合! 192
仏ブランドのムチャクチャな言いがかりに日本のロックバンドが完勝!
ELLEGARDEN事件 196
あわやモノマネ四天王がエセ商標権の標的に!? 出版社は自己犠牲!
グッチ裕三事件 203
あの大ヒット曲はアップルのテーマソング? 世界のりんごは俺のもの!
ペンパイナッポーアッポーペン事件 208
似ているが違法ではない! 出版社はクレームから著者を守るべきでは?
やせるおかずの作りおき事件 213
二本も四本も「三本」だ!? 稀代のとんち野郎の独占欲をどこまで認める?
アディダス三本線事件 220
ポケモンに言いがかり!スプーン曲げ能力者が事実を捻じ曲げまくる!
ユンゲラー事件 231
もっと考えて名付けんかい! 被って当然の社名が被って訴えるも敗訴!
ビジネスサポート事件 240
ベストセラー本の出版社は、チーズをどこまで独占できるのか?
バターはどこへ溶けた?事件 245
コラム④ 一流ブランドは何をきっかけに「商標いじめ」を開始する? 252
第3章 騙されるな! 商標権に万能の力はない 255
悪銭身に付かず!「阪神優勝」を商標登録して虎党を敵に回した男の末路!
阪神優勝事件 256
とんだ茶番!ユーチューバーの浅知恵が引き起こした騒動で大迷惑!
ゆっくり茶番劇事件 263
なぜそんなにエラそうなのか!? 高名漫画家が無実の若者に改名を迫る!
銃夢ハンドル事件 273
漫画での商標使用。得意先のお気持ちにどこまで「配慮」すべきか?
Bamily Mart事件 282
なぜキレる? まったく異なる業種の同名企業を許せない設計会社の敗訴!
ANOWA事件 288
イタリア料理界を敵に回す、エセ商標権者の暴走は俺が止める!
エノテカ事件 296
ストレッチトレーナーを名乗れるのはオレだけ! 強欲トレーナーの敗訴
ストレッチトレーナー事件 303
殴られっぱなしでいいのか!? 市民の税金を怪しい商標に差し出す罪
ボクササイズ事件 309
コラム⑤ 商標ライセンスで一攫千金は可能なのか? 314
怪し過ぎる! ヒーリング能力者がドコモにエセ商標権を売りつける!
携帯電話マナーマーク事件 316
文化庁に騙された! エセ著作権訴訟に敗訴して日本国を訴えた男
受話器マーク事件 322
安易な和解が禍根を残す! この物語に登場する宝石は一万円です!?
天使の卵事件 331
他愛のないパロディにメーカーはマジギレ! 出版社は平謝り!
Kurobo事件 336
泥酔してなきゃ間違えないよ! 似てない競合品にイチャモン敗訴
お酒によく合うポテトサラダ事件 340
不正競争はそっちでは!? 原料名の独占を目論む缶詰会社の大恥
大羽いわし事件 344
コラム⑥ 日本で最初のエセ商標権事件とは? 349
第4章 エセ商標権に立ち向かう知恵と勇気! 353
市松模様の独占をたくらむ巨大ブランドに日本の中小企業が反撃!
市松模様の数珠袋事件 354
歴史的偉業!? パロディ商標はなぜ本家に勝訴できたのか?
フランク三浦事件 361
原作者を差し置いて! そのキャラ名、本当にあなたのものですか?
メリー・ポピンズ事件 369
下剋上! 日本のV系アーティストがロック・レジェンドに逆転勝利!
ザ・ローリング・ストーンズ ベロマーク事件 376
靴底の色彩は独占できるか? 一流ブランド同士が赤い靴狩りで対決
クリスチャン・ルブタン事件 382
あっぱれ! 埼玉の中小企業がフランスの一流ブランドに完勝!
第二・クリスチャン・ルブタン事件 387
コラム⑦ エセ著作権者に今日も反省の色無し~スザンナホビーズ事件~ 396
巨額請求訴訟をふっかけるも敗訴! キューピーおじさん大暴走!
キューピー人形事件 399
こじつけでは!? 丸が三つ並んでいるだけでミッキーマウスといえるのか?
逆さミッキーマウス事件 410
宣伝費用と訴訟費用のムダ!? 普通名称は五〇年経っても普通名称
正露丸事件 417
ただの数字だ! 薄いコンドームを弱い商標で独占できるのか!?
0・02コンドーム事件 425
コラム⑧ エセ商標権被害を開陳して逆に訴えられた人々 431
敗訴なのだが!? イケてる風ネット広告会社の虚飾をはがせ!
売れるネット広告事件 436
これぞ商標ヤクザ! 寿司屋にカネをしつこくせびった挙げ句に敗訴!
小僧寿し事件 445
最悪! エセ商標で営業妨害を仕掛けた大新聞社が失った信用と二億円
函館新聞事件 451
《あとがき》 458
《主要参考文献》 461
《図表出典》 473
《注釈》 491
『エセ著作権事件簿』紹介 493
エセ著作権通報窓口 495
前書きなど
《まえがき》
〈過剰権利主張ケーススタディーズ〉の第一作として上梓した『エセ著作権事件簿』は、おかげさまで望外な反響をいただくことができた。「著作権は大切」という常識やコンプライアンス意識を逆手に取った過剰要求や逆恨み、それらがもたらした騒動の数々は、たとえ「権利」であっても、ひとたび振りかざし方や受け止め方を間違えれば、社会に不利益を与え、秩序を乱すことを教えてくれた。
さて、今回のテーマは商標―すなわち言葉、名前、マークなどの独占所有に執着した人々が引き起こした事件簿である。
言葉や名前それそのものは誰も独占することができない。「おはよう」という言葉が誰かに独占されれば挨拶もできない。「商標」という言葉が独占されれば商標権の解説もできない。「鈴木一朗」という名前が独占されれば、鈴木家に長男が生まれても「一朗」と名付けることができなくなる。そんな社会は誰も望まない。
一方、商取引の場面における、商品名やブランド名は別である。取引上の信頼が宿った商品名を、他人が類似商品につけ放題だとすれば、元の商品は売れなくなり、商品名に宿った信頼も裏切られる。それが常態化すれば商秩序が乱れ、産業の発展が成り立たない。実際、商標制度が存在せず、評判の銘柄を合法に無断使用できた江戸時代には、当時の主要産業だった酒や醤油、薬などの業界が、常に模倣品やコピー商品に悩まされてきた。
明治時代に成立した商標登録制度は、こうした商秩序を乱す紛らわしい類似品の規制を念頭に、商品名などについて、一定の条件下で、一定の範囲内に限り、例外的に言葉などの独占を認める法制度である。
一方で、商標制度に対する無知、無理解や思い込み、あるいは単なる強欲から、商標登録されていることをいいことに、言葉や名前、単なる模様やデザインの独占を、法律が認める範囲を大幅に逸脱して過剰主張し、社会に迷惑をかける「エセ商標権者」も少なくない。むしろ、露骨な模倣品がほとんど日陰に追いやられている今日の成熟した日本社会においては、エセ商標権を振りかざす輩の方が多いのではないか、という気さえする。
本書は、そんなエセ商標権者たちが巻き起こした事件、裁判例の数々を取り上げ、その盛大なカン違いや独占欲の発露がどのような結末に至ったかを解説、検証、分析した本である。
中小企業にムチャクチャな異議申立や警告書を送りつけ、泣き寝入りさせること目論む一流企業、一般名称や流行語を商標登録してメディアや個人に使用料を要求し総スカンを喰らう個人、古来ある伝統模様や単なる色彩を独占しようと中小企業をいじめるラグジュアリーブランド、不正な登録商標をネタに大企業にユスリタカリを行う自称超能力者、脱退した元メンバーがバンド名を名乗ることを絶対に許せないバンドマン……。ことごとく敗訴している彼らを駆り立てる独占欲とはいったい何なのか。そして彼らの主張は、どのようにして突き崩されていったのか。ぜひ、本文を読んで味わってほしい。
本来誰もが自由に使えるはずの言葉などを特定人や一企業が不当独占しようと目論むエセ商標権の問題は、社会全体の不利益に直結し得る。いつ誰が「言葉狩り」の被害にあるか分からない。誰もが当事者になる可能性があるのだ。
大企業の行き過ぎたブランド保護から、一般名称を独占しようとした個人の暴走まで、エセ商標権者の巻き起こした大騒動の数々を、ここにつまびらかにしよう。
上記内容は本書刊行時のものです。