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アンタゴニズムス
ポピュリズム〈以後〉の民主主義
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年2月20日
- 書店発売日
- 2020年2月25日
- 登録日
- 2020年1月29日
- 最終更新日
- 2020年3月2日
書評掲載情報
2020-07-22 |
週刊読書人
第3349号 評者: 長原豊 |
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紹介
左派ポピュリズムのあとの、ラディカル・デモクラシーの未来とは?
いま私たちが目撃しているのは、むしろ複数の敵対性、すなわち社会のいたるところで、いたるところから、これまで自明視されていた基礎付けに異議を申し立てる「アンタゴニズムス」にほかならない――。気鋭の政治学者による民主主義論。
目次
はじめに――アンタゴニズムの時代
第一章 マルクスを別の仕方で相続すること──ポスト・マルクス主義とは何か
第二章 政治と精神分析の未来
第三章 嫉妬・正義・民主主義
第四章 来たるべき公共性──アレントの身体とゾーエーの複数性
第五章 とりあえず連帯すること──ジュディス・バトラーの民主主義論について
第六章 ポスト・ネイションの紐帯のために
第七章 左派ポピュリズムのあとで
第八章 アゴニズム再考──ポスト基礎づけ主義と民主主義
あとがき
前書きなど
「こんにち、自由民主主義に対する理論的かつ現実的な敵対性がいたるところで生じている。確かに、自由民主主義は一括りにできるようなカテゴリーでもないし、それが盤石であった試しもない。とはいえ、少なくない人々が憂いているように、私たちの政治的想像力において圧倒的な支配の座を占め続けるそのヘゲモニーは、多少なりとも揺らいでいるように見える。極右的な主張が跋扈し、多元的な競争や交渉を通じた合意形成が成立しないとなると、民主主義への信頼は損なわれ、しだいに疎まれるようになる。近年、多くのリベラルな研究者らが懸念を示しているのにも理由がある。
しかし、同時にそれは解放や変革のしらせでもある。敵対性を民主主義にとっての不可避の条件と捉えたのは、ほかならぬラディカル・デモクラシーの思想であった。〔……〕
私たちもまた、自由民主主義への挑戦を単に危機としてだけでなく、民主主義を根源化する機会と捉える見方を共有している。そのため本書では、いわゆる主流の民主主義論では抑圧、出禁、不可視化されてきた〝マイナーなもの〟が検討の対象になるだろう」
――「はじめに」より
上記内容は本書刊行時のものです。