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全共闘晩期
川口大三郎事件からSEALDs以後
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年12月10日
- 書店発売日
- 2024年11月28日
- 登録日
- 2024年10月30日
- 最終更新日
- 2024年11月30日
紹介
歴史の歪曲を糺す
1970年7.7華青闘告発の直後の山村(梁)政明の自死につづく川口大三郎虐殺事件と「早稲田解放闘争」、各大学で執られるようになった支配構造とは何か。全共闘後期から2015年SEALDs、さらに現在と未来の社会運動をめぐり数々の問題を剔抉する。
樋田毅のノンフィクション『彼は早稲田で死んだ』、それを原案とするドキュメンタリー映画、代島治彦監督『ゲバルトの杜』は、歴史を歪曲し、真実から目を背けている。
われわれは、記憶し、闘争し、最後まで忘却を拒否する、まつろわぬ者どもである。
目次
巻頭言
本書は何から始まり、何をめざしているか? 絓秀実・花咲政之輔
第Ⅰ部 シンポジウム
映画『ゲバルトの杜』徹底批判
大野左紀子・河原省吾・菅 孝行・
照山もみじ(金子亜由美)・絓 秀実・花咲政之輔
第Ⅱ部 政治の表象/表象の政治
記憶の修正・歴史の偽造―映画『ゲバルトの杜』への心象を起点に 菅 孝行
「川口君事件」をいかに「語る」か 照山もみじ(金子亜由美)
誰のための鎮魂なのか――川口大三郎事件と早大解放闘争は終わらない 河原省吾
暴力への想像力 大野左紀子
川口君追悼とは真逆の虐殺者免罪映画 水谷保孝
樋田毅『彼は早稲田で死んだ』を鼻つまみにし、歴史のくずかごへ 前田年昭
「絶望」と隣り合う「希望」とは如何なる謂か?――代島治彦『ゲバ杜』とその言説・徹底批判 絓 秀実
昂揚会・原理・早稲田リンクス――奥島「改革」後の早大管理監視体制 花咲政之輔
鼎談 虐殺者の側に立つ映画 亀田 博・絓秀実・花咲政之輔
第Ⅲ部 全共闘晩期
「六八年」をめぐる個人的な抵抗 稲川方人
早稲田は誰に住みよいか 津村 喬
梁政明の死 津村 喬
山村(梁)政明の闘争と抵抗 小泉義之
なんとなく、カクマル――「暴力批判論」のために 長濱一眞
内ゲバとアソシエーション 吉永剛志
新左翼とは何だったか―一九六九年の未完の階級構成をめぐって マニュエル・ヤン
天皇制の「永遠」と内ゲバの「終焉」 絓 秀実
関連年表
前書きなど
新左翼運動として闘われた「1968年」が、現代の思想潮流のなかで、どのように変質しているのか。それは、戦後思想のなかで、どう位置づけられるのか。とりわけ、2015年の安保法制反対運動をへて、どこへ向かっていったのか。
いったい「内ゲバ」とは何であり、今、どのように考えられるべきなのか。そして、2015年以降、天皇制の問題は、どう捉えられるのか。同時代の海外における左派運動内の「暴力」は、どうだったのか。
問いは開かれている。
――巻頭言より
上記内容は本書刊行時のものです。