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ことにおいて後悔せず
戦後史としての自伝
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年10月21日
- 書店発売日
- 2023年10月16日
- 登録日
- 2023年8月5日
- 最終更新日
- 2024年1月4日
書評掲載情報
2025-01-18 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 米田綱路(ジャーナリスト) |
2024-06-13 |
テアトロ
7 評者: 渡辺保 |
2024-06-01 |
出版人・広告人
6月号 評者: 今井照容(連載インタビュー3) |
2024-05-07 |
出版人・広告人
5月号 評者: 今井照容(連載インタビュー2) |
2024-04-01 |
出版人・広告人
4月号 評者: 今井照容(連載インタビュー1) |
2024-01-30 |
映画芸術(エイガゲイジュツ)
2024年冬号(486号) 評者: 足立正生 |
2024-01-07 |
読売新聞
朝刊 評者: 苅部直(東京大学教授・政治学者) |
2024-01-01 |
図書新聞
1月1日号(3621号) 評者: 杉村昌昭 |
2023-12-29 |
週刊読書人
2024年1月5日号(3521号) 評者: 塩野谷恭輔 |
2023-02-20 |
情況
2024年冬号 評者: 市田良彦 |
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紹介
非党派左翼の闘いのあゆみ
60年安保以後のさまざまな社会運動――全共闘、協商懇、連合赤軍公判対策委員会、反天皇制、日の丸・君が代など――と、
表現における革新運動――東映争議、清順問題共闘会議、俳優座造反、〈持たざる者の演劇〉、ATGなど――の
両軸で闘いながら、物語と批評をつむいできた非党派左翼は、いかに時代と対峙してきたか。
目次
第Ⅰ章 血族を離れ、歴史に帰る――軍人の子の〈逃走〉
1 血族
2 「民主化時代」の学習院
3 大学入学――〈父の圏域〉との緊張
第Ⅱ章 1960年前後――「遅れてきた青年」の駆け足
1 ノンポリ演劇青年
2 遅ればせの学生運動と劇研
3 残留か就職か
第Ⅲ章 異界との遭遇――一粒の麦の落ち行く先
1 東映京都撮影所への配属
2 演出助手の視野で見た撮影所
3 組合専従――ストライキ
第Ⅳ章 東へ還る――「フリーランス」の〈地獄〉で
1 夢破れる
2 忸怩たる撤退
3 時代の〈蚊帳の外〉から
第Ⅴ章 1968年 〈想像力革命〉の渦中で
1 60年代――〈世界〉と〈自分〉のはざま
2 芸術の変動と様々な歴史修正主義
3 新劇の地滑りと自作の上演
第Ⅵ章 交錯する騒乱のなかで――〈ものを書く〉ことのほうへ
1 六八年の騒乱
2 時代の掌の上で
3 党派と無党派
第Ⅶ章 〈持たざる者の演劇〉のほうへ――俳優座〈造反〉のあとに
1 冷えてゆく社会
2 『はんらん狂騒曲』の上演
3 「不連続線」結成と同人誌『反白書』
第Ⅷ章 振り向けばだんだんひとり――ポスト・フェストゥムを生き延びる
1 『映画批評』・日本赤軍・連合赤軍事件
2 祭りの後の祭りへ
3 編集者との出会いの諸相
第Ⅸ章 糧道としての映像産業と文筆業・ATG
1 映像産業の渡り職人
2 文筆業の世界への〈参入〉
3 映画『北村透谷』とその周縁
第Ⅹ章 負の画期 1980年代
1 反核運動・「協商懇」
2 PARCで出会ったことなど
第Ⅺ章 ふたつの〈天皇代替わり〉――平癒祈願の戒厳令と護憲天皇生前葬
1 戦後世界と象徴天皇
2 象徴天皇制――〈鎧〉の露顕
3 代替わり戒厳体制に抗す
4 30年後の視野から
第Ⅻ章 予備校という〈梁山泊〉――競争の場の祝祭
1 予備校に駆け込む
2 擬似的祝祭空間
3 縮む市場・変わる雲行き
第ⅩⅢ章 「反革命」の勝利――再び演劇に触れ直す
1 ベルリンの壁崩壊以後
2 少しだけ再び演劇のほうへ
3 再び〈ものを書く〉というトポスへ
第ⅩⅣ章 3.11の切断とその後
1 『変革のアソシエ』、ルネサンス研究所
2 物書き、再びの……
3 演劇、映画、「大学改革」との確執
あとがき
主要人名録
年譜
前書きなど
自分史を戦後史に重ねて語る、というのが本書のテーマである。演劇・映画・思想・政治社会運動・予備校など、私はいろいろな世界に触れて生きた。「二足の草鞋」を嫌う「日本文化」の中では、何かにつけて白い目で見られがちだった。その結果、というわけでもないが、ついに何者にもなれなかった。貶めていえばディレッタントだが、格好良くいえば、祝祭的昂揚をファシリテートし、祝祭が鎮まると、そんな奴がいたのかどうか周囲が忘れてしまう座敷童子である。多少なりとも座敷童子のように生きられたら、その限りで本書の題名通り「後悔せず」に近づけたといえる。
――第Ⅰ章より
上記内容は本書刊行時のものです。