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現代戦略論 高橋 杉雄(著/文) - 並木書房
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現代戦略論 (ゲンダイセンリャクロン)

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発行:並木書房
四六判
縦188mm 横130mm 厚さ16mm
重さ 259g
240ページ
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-89063-430-9   COPY
ISBN 13
9784890634309   COPY
ISBN 10h
4-89063-430-4   COPY
ISBN 10
4890634304   COPY
出版者記号
89063   COPY
Cコード
C0031  
0:一般 0:単行本 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年1月
書店発売日
登録日
2022年12月14日
最終更新日
2022年12月21日
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書評掲載情報

2023-03-25 日本経済新聞  朝刊
2023-03-05 産經新聞  朝刊
2023-02-12 読売新聞  朝刊
評者: 小泉悠(東京大学講師・安全保障研究者)
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紹介

TVやネットで見ない日はない、気鋭の軍事評論家。防衛研究所防衛政策研究室長 高橋杉雄 描き下ろし!
2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻によって、冷戦後の協調的な国際環境は消滅し、大国間の競 争が復活した。
「現状変更」を図る中国に対して、日本の大戦略は「現状維持」であり、この戦略目的の非対称性に日本の勝機がある。
ネットアセスメント分析 とシナリオプランニングの手法を用いて導き出された「統合海洋縦深防衛戦略」を初めて明かす!

目次

はじめに 1

第1章 戦略はなぜ必要か? 17

 戦略とは何か? 18
戦略は目的・方法・手段の組み合わせ/戦略の複層構造/戦略とは「優先順位の
芸術」である

 戦略論の中の安全保障戦略 27
経営戦略と安全保障戦略/安全保障における大戦略の必要性/ロシア・ウクライ
ナ戦争に見られる現代安全保障戦略の特徴

 戦略立案プロセスの重要性 39
戦略文書の限界/「全体最適」と「部分最適」のせめぎあい/「負け組」にも当
事者意識を/戦略立案プロセスの大きな役割

第2章 戦略はなぜ失敗するか? 52

 戦略を成功させるための五つの課題 53
戦略の複層性──上位戦略と下位戦略/明確な戦略目的──何が成功で何が失敗か
を定義する/戦略の実行における二つの論点/競争相手の存在──「ネットアセスメント」という手法/新たな環境への適応──戦略を修正していくことの難しさ

第3章 「大国間競争」時代の戦略上の課題 77

 日本の戦略上の課題:パワーバランスの変化 82
失敗した米国の対中戦略/民主主義のオルタナティブモデルとしての中国

 社会システムをめぐる競争 91
民主主義と権威主義の競争/デジタル・トランスフォーメーション(DX)をめぐ
る競争/新たな「パワーセンター」をめぐる争い

 地政戦略面での競争 99
「一帯一路」構想の地政戦略的意味/古典的な地政学から見た「一帯一路」構想
/「ログローリング」のリスク/地域レベルでの現状をめぐる競争:東シナ海、南シナ海、台湾

第4章 大国間競争時代の「日本の大戦略」113

 大国間競争における日本の「立ち位置」114
日本はパワーセンターとしての地位を維持できるか?/米中対立と日中対立の違
い/二つの競争における日本の「目的」

 日本の「能力」は地政戦略的な競争を支えられるか? 121
防衛計画の大綱/基盤的防衛力構想からの脱却へ/統合運用を踏まえた能力評価
の実施/兵力構成に残る基盤的防衛力構想/軍事バランス──日米中の比較/防衛費──半減した日本のシェア/日米同盟──失われた米軍事力の圧倒的優位/安全保障法制──集団的自衛権の限定的な行使容認

 日本のリソースからみた戦略上の選択肢 145
ネットアセスメント──軍事バランスを相対的に評価/日米中の比較優位・比較
劣位の分析/日本の比較優位を活かした戦略の組み立て

第5章 将来の戦争をイメージする 157

  技術の発達の「先取り」の難しさ 158
戦争の様相は絶えず変化する/「変化の先取り」の失敗

 将来戦の予測はなぜ外れるのか? 163
将来戦予測が困難な三つの理由/試行錯誤の重要性

 シナリオプランニングで将来戦像に迫る 167
「ドライビングフォース」を二つ選定する/ドライビングフォース1「紛争の形
態はどうなるか?」/ドライビングフォース2「戦場の霧は残るか・消えるか?」

 将来戦に関する四つのシナリオ 173
二つの軸から描く将来戦のイメージ

第6章 これからの日本の防衛戦略 181

 日本の防衛戦略の五つの前提条件 182
達成すべき目的と「失敗の定義」

 シナリオプランニングから見える将来戦像 186
現状維持側が有利なシナリオと不利なシナリオ/「戦場の霧」をめぐる攻防/短
期戦を阻止できれば日米が有利

「願望」と「能力」のバランスをとる 195
膠着状態に持ち込み、米国の戦力集中の時間を稼ぐ/「攻者三倍の法則」──中
国の三分の一程度の防衛費を維持する

第7章 統合海洋縦深防衛戦略 200

 中国の「セオリー・オブ・ビクトリー」201
困難をともなう「渡洋上陸作戦」/弾道・巡航ミサイルで航空優勢を獲得

 日本の「セオリー・オブ・ビクトリー」209
中国の航空優勢獲得を阻止する/海上制圧と上陸作戦の阻止

 新たな「統合海洋縦深防衛戦略」214
前提となる三つの戦略的分析/海洋防衛能力の強化──対艦ミサイルによる飽和
攻撃/対艦ミサイル部隊の残存性を高める


 統合海洋縦深防衛戦略を実現するためのリソース配分 220
宇宙・サイバー・電磁波能力の強化/対艦ミサイル攻撃能力の強化/航空相殺攻
撃能力の強化/宇宙・サイバー・電磁波戦能力の強化

おわりに 230

著者プロフィール

高橋 杉雄  (タカハシ スギオ)  (著/文

高橋杉雄(たかはし すぎお)
防衛研究所防衛政策研究室長。1997年早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。2006年ジョージワシントン大学大学院修士課程修了。1997年より防衛研究所。防衛省防衛政策局防衛政策課戦略企画室兼務などを経て、2020年より現職。核抑止論、日本の防衛政策を中心に研究。主な著書に『「核の忘却」の終わり:核兵器復権の時代」』(共著、勁草書房、2019年)、『新たなミサイル軍拡競争と日本の安全』(編著、並木書房、2020年)『ウクライナ戦争と激変する国際秩序』(共著、並木書房、2022年)

上記内容は本書刊行時のものです。