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ことばと社会 26号
特集:言語マイノリティ:人権の拡張か、文化遺産の保護か
- 発売予定日
- 2024年10月29日
- 登録日
- 2024年9月11日
- 最終更新日
- 2024年9月11日
紹介
「言語的多様性の尊重」という理念は、今日、国際世論として定着しつつある。その議論や具体的な法制化が多方面にわたって展開される過程を、「話者の権利」と「言語の文化遺産化」という二つの潮流を座標軸として捉えることで、国内外の多様な「言語マイノリティ」、そして「マイノリティ化された言語」の現在を俯瞰する。
目次
■巻頭コラム
「選挙とことば、選挙のことば」吉田真悟
■特集:言語マイノリティ:人権の拡張か、文化遺産の保護か
[序論]「言語マイノリティ:人権の拡張か、文化遺産の保護か」佐野直子
[講演録]「日本のマイノリティ言語としての琉球諸語」石原昌英
[講演録]「先住民族アイヌの言語復興」北原モコットゥナシ(=シは小文字)
「オクシタン語と「オクシタンらしさ」の存在感――それは都市的な現象か」ジャン=フランソワ・クロー 訳:佐野直子
[講演聴講報告]「フランセスク・シャビエー・ビラ氏講演「「鶏口でもなく、牛後でもなく」――持続性モデルを探し求める中規模言語としてのカタルーニャ語」塚原信行
「バスク語を知っていることと使うこと――人権としての言語権擁護と継承財産としての言語」萩尾生
[研究ノート]「消滅の危機言語からの言語復興・継承活動――中米グアテマラのシンカの人々の場合」敦賀公子
[研究ノート]「言語権論から見た「マイノリティ化された言語の保存」問題」杉本篤史
「言語としての手話、言語的マイノリティとしてのろう者――二者択一から一挙両全へ」森壮也
[研究ノート]「メディアにおける手話翻訳の担い手としての「ろう通訳者」」高嶋由布子
「言語マイノリティの生徒に対する教育のあり方の新たな可能性――人権教育を基礎とした公立S高校の多文化教育を例にして」王一瓊・榎井縁
[研究ノート]「他郷にて唄い継ぐ朝鮮民謡――在日コリアン歌手によるエンテクスト化過程のディスコース分析」猿橋順子
[特集あとがき]「「人権」か「文化遺産」か、という問いを越えて――フランコプロヴァンス語の視点から」佐野彩
■書評
村田和代(著)『優しいコミュニケーション――「思いやり」の言語学』 評者:庵功雄
Colin H. WILLIAMS, Language Policy and the New Speaker Challenge: Hiding in Plain Sight 評者:半嶺まどか
■連載報告 多言語社会ニッポン
アイヌ語 :「アイヌ語復興における言語学者の役割」エリーア・ダル・コルソ
琉球弧の言語:「うちなーぐちとぅ ちゃーまじゅん――とぅじみぬ 標準語励行〔うちなーぐちと共に――最後の標準語励行〕」 城間勝(まぁ~ちゃん) 聞き取り:半嶺まどか
移民の言語:「日本における多言語話者スリランカ人の言語使用状況」西島サジー
手話 :「私の人生を変えた「ろう文化宣言」」前川和美
■近刊短評
上記内容は本書刊行時のものです。