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狂気の歴史
古代から今日まで
- 初版年月日
- 2024年11月5日
- 書店発売日
- 2024年11月8日
- 登録日
- 2024年10月18日
- 最終更新日
- 2024年11月1日
紹介
狂気はどう捉えられ、狂人はどう扱われてきたか?
西欧社会での狂気と狂人の痕跡を、膨大な文献から詳細に検証。古典主義時代の「権力」が狂気を生み出したとする、ミシェル・フーコーの著名な同タイトル著作へ異を唱え問題を提起。
古代ヒポクラテスから中世、ルネサンス期、古典主義時代を経て精神医学の創出(ピネル、エスキロール…)、アリエネのアジル、第一次世界大戦での戦争精神病、ヒトラーT4計画と第二次世界大戦下での患者の運命、生物学的治療革命、精神分析学の導入、反精神医学、DSMによる現状までを辿る。
目次
日本の読者の皆さんへ
序言
第一部 古代と狂気の基本理論
第1章 神々そして神に由来する
狂気と神々 狂気と神
第2章 魂の病気
第3章 ヒポクラテスの伝統
ヒポクラテス集成 後継者たち
第4章 狂人は常に治療されていた
第二部 中世とルネサンス期における狂気の実際
第1章 理論的考察の状況
神学者たち 医師たち
第2章 中世社会における狂人
慈善と弱者 排除
第3章 表象と懐柔
小説と狂おしい愛 雇われ狂人 愚者祭 寓話
第4章 狂気と宗教
狂気と罪 神の狂人たち 狂気と悪魔
第三部 狂人たちの閉じ込め
第1章 フーコーによる福音書
第2章 一般施療院
乞食たちの閉じ込め パリの一般施療院創立
地方での創立 ヨーロッパでの動き
一般施療院の分別なき者〔気ふれ〕たち 制度の破綻
第3章 監獄の中間施設
収容の請求 収容の理由 施設 日常生活
第4章 物乞い収容所という中間施設
物乞い収容所の創設 ボーリュー 挫折
第5章 改革の精神
博愛主義と狂気 気狂いを監督する方法に関する指示 監獄の管理
治療の役割をになう施療院
第四部 精神医学の創出
第1章 革命か振り出しへの回帰か
封印状の廃止 物乞い委員会 法的空白 危機的状況
第2章 狂気の治療について
思弁 治療法のバロック 心理療法の「飛躍的発展」 英国モデル
第3章 短くフーコーに立ち戻る
第4章 名祖ピネル
善行の人 書物の人 ピネルと精神的治療法
第5章 エスキロールとアジル〔癲狂院〕の誕生
熱情…… アジル、治療手段 精神的治療法の最終的な変転
第五部 アリエニスム(精神病学)の黄金時代
第1章 アリエネに関する一八三八年法
現場の状況 構想と議論 法律とその適用
第2章 フランスにおけるアジルの急増
建築の原則 建設 入院の増加 第二の風
第3章 アジルの壁
「ゆるぎない秩序と不変の規則正しさ」 狂人舞踏会 中庭
「精神的訓練」 「彼らが巧みになればなるほど、彼らは私を怖れさせる」
狂人たちの監視
第4章 西洋におけるアジルの「様相」
第5章 確実性の時代における理論のるつぼ
進行麻痺 変質理論 てんかん 神経症とヒステリーの問題 精神病
主要な教科書 新たな領域
第六部 迷いの時代
第1章 アジルは治さない
一八、〇〇〇名の入院者の代表例
「アルコール性精神異常の加速する歩み」
第2章 新たな世紀
第一次世界大戦とシュールレアリスム 「精神病理学的芸術」と狂人文学
アリエニスムの終焉と現代精神医学の誕生
精神分析学と精神医学 第二次世界大戦下の精神病患者の運命
第3章 生物学的治療法革命
第4章 反精神医学
精神医学と同じほど古くからあるひとつの反精神医学
一九六〇-一九七〇年代の激流
第5章 精神医学の細分化
閉じ込めの終焉 精神障害からパーソナリティの障害へ 危機か終末か
至るところにプシあり
エピローグ
訳者あとがき
参考文献選集 印刷物の原典 手書き文章原典
主題索引 人名索引 場所索引
上記内容は本書刊行時のものです。