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レーニンの誤りを見抜いた人々
-ロシア革命百年、悪夢は続く-
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2014年11月
- 書店発売日
- 2014年12月1日
- 登録日
- 2014年10月17日
- 最終更新日
- 2015年12月10日
書評掲載情報
2015-02-15 | 産經新聞 |
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紹介
ソ連で出版された革命史はほとんどが《偽書》だった。それは権力闘争での勝者の側からの英雄物語だった。残念ながらわが日本では「いつわりの歴史」の影響は歴史書に、とりわけ学校教科書にまでおよんでいる。日本の世論形成に大きな影響を与えていた学者、知識人は一般に、ロシア革命を理想化していたきらいがある。彼らは一九一七年の二月革命と帝政の終わりを歓迎したが、それに伴う社会秩序の崩壊の恐怖を知らなかった。それから百年あまり、悪夢はなおも続いている。(「序文」より抜粋)
目次
まえがき
ロシア社民主義の英才ポトレソフ
レーニンの同志から政敵へ/親西欧・「祖国防衛派」を率いる
はじめに
軍人貴族出身の優等生がなぜ
最高級のすぐれたレーニン論
亡命せず国内で困難な活動
二月革命に不安、党多数派と決裂
逮捕され、衰弱状態で出国
未来は「民主主義的な社会主義」に
ロシア社民主義の父アクセリロード
「反レーニン、反独裁」を貫く/柔軟な戦術家、広い国際人脈
はじめに
極貧のユダヤ人の子がやがて…
二月革命で帰国、永久亡命へ
「民主主義的な社会主義」の先駆者
アクセリロードの主な社民関係者リスト
▽ゲオルギー・プレハーノフ ▽ヴェーラ・ザスリッチ
▽レフ・ジエイチ ▽ユーリー・マルトフ
▽アレクサンドル・ポトレソフ ▽イラークリー・ツェレテリ
▽フョードル・ダン ▽リジヤ夫人 ▽ピョートル・ストルーヴェ
▽ボリス・ニコラエフスキー ▽ウラジーミル・ヴォイチンスキー
▽ラファイル・アブラモビッチ ▽イサーク・アストロフ
▽ボリス・ボグダーノフ ▽エヴァ・ブロイド
▽ピョートル・ガルヴィ ▽ダビード・ダーリン
▽アナトーリー・デュブア ▽オシップ・エルマンスキー
▽ノイ・ジョルダニヤ ▽ボリス・サピール
▽サムイル・シチューパク
栄冠を取り戻すプレハーノフ
レーニンの危険性を見破る/亡命37年、祖国防衛の愛国者に
はじめに
人柄と政治的な立場の複雑さ
「修正主義」との度を越した闘い
レーニンとは論争、妥協、決裂へ
ロシア・マルクス主義の悲劇の象徴
マルクス学大家の明暗
リャザーノフとニコラエフスキー
はじめに
多彩な活躍、永遠の批判者
スターリン体制下で粛清犠牲者に
哲学は独裁者の従僕となる
ロシア研究者の師父で恩人
改革一筋の人民社会党
過激ロシアで良識を貫く
はじめに
「知識人の党」、専門家がずらり
マルクスの思想をきびしく批判
土地国有化は自治、協組の発展と一体
ミハイロフスキーの思想を受け継ぐ
愛国心は人道主義とともに
人民社会党綱領(要旨)
◇人と市民の諸権利 ◇最高統治 ◇地方および地域行政
◇裁判所 ◇行政 ◇軍隊 ◇国民経済
◇国民教育、教会の地位 ◇諸国民間の関係
人民社会党の要人たち
▽アレクセイ・ペシェホーノフ ▽ベネディクト・ミャコーチン
▽ニコライ・アンネンスキー ▽ワシーリー・セメフスキー
▽アレクサンドル・チトフ ▽セルゲイ・メリグーノフ
▽ウラジーミル・チャルノルスキー
ドイツとロシアの社民党
深い絆をレーニンが断つ/「右派」の力が明暗を分ける
はじめに
独社民党が政権に返り咲くまで
露社民党は分裂と敵対
労働運動と市民社会の成熟にへだたり
独露社民党は兄弟のように親密
国内戦で赤軍支持の誤り
「右派」の重要性に再評価を
救国思想家ストルーヴェを知ろう
独裁と戦い、自由保守主義を大成
はじめに
知的エリートの子がマルクス主義者に
レーニンと出会い、やがて対立
解放同盟から立憲民主党へ
『道標』で急進知識人を批判
白軍に加わり、危険な亡命
反ナチスに徹し、日本に期待
ソ連は続いたが現実は?
工業化は経営の自由に基づいて
「真昼の暗黒」から光を求めて
「ストルーヴェの見解(要点)
▽資本主義 ▽国家 ▽革命 ▽ストルイピン ▽チチェーリン
▽プーシキン ▽ツルゲーネフ ▽ドストエフスキー
▽日ソ、中国の相関関係
レーニンも恐れた名将ウランゲリ
クリミア撤退で十四万人余を救う/ロシア国内戦史の大逆転を
はじめに
味わい深い劇「逃亡」を見て
クリミアで画期的な土地改革
苦難の亡命生活、白軍再起の試み
白軍運動への誤解を晴らすとき
ウランゲリ関係の将軍その他
▽アレクセーエフ ▽コルニーロフ ▽デニキン
▽コルチャーク ▽ユデニッチ ▽クラスノフ ▽ペトリューラ
▽カレーディン ▽クルイモフ ▽ドゥホーニン
▽ルコムスキー ▽ロマノフスキー ▽ヴェルホフスキー
▽マフノ
年表/参考文献
ロシア史(年表)
独露社民党史(年表)
主な参考文献
前書きなど
ソ連で出版された革命史はほとんどが《偽書》だった。それは権力闘争での勝者の側からの英雄物語だった。残念ながらわが日本では「いつわりの歴史」の影響は歴史書に、とりわけ学校教科書にまでおよんでいる。日本の世論形成に大きな影響を与えていた学者、知識人は一般に、ロシア革命を理想化していたきらいがある。彼らは一九一七年の二月革命と帝政の終わりを歓迎したが、それに伴う社会秩序の崩壊の恐怖を知らなかった。それから百年あまり、悪夢はなおも続いている。(抜粋)
版元から一言
ロシアでは、なぜ、民主主義が開花しないのか。
木村汎(北海道大学名誉教授、ロシア政治専攻)
プーチンは、日増しに独裁傾向をあらわにしつつある。ロシアでは、なぜ、民主主義が開花しないのか。いや、ヨーロッパで生れたような社会民主主義すらタブーなのか。この謎の解明に真っ向から挑んだ本書によって、我々は初めて知る。一九世紀末~二〇世紀初めのロシアにおいて穏健社会主義の提唱者たちが、急進的なボリシェビズムを説くレーニン、スターリンによって次から次へと圧殺されていった悲劇の歴史を。
上記内容は本書刊行時のものです。