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越境する歌舞伎
戦前・戦後の小芝居と女役者
- 初版年月日
- 2025年2月
- 発売予定日
- 2025年3月7日
- 登録日
- 2025年1月10日
- 最終更新日
- 2025年1月20日
紹介
大芝居/小芝居、中央/地方、演者/観客 そして男/女を架橋する
大歌舞伎に比して小規模な歌舞伎興行を行う小芝居。松竹による大歌舞伎界との交流はもとより、時間・ジェンダー・国境と、さまざまな枠を越えながら、昭和後期まで活動していたその実態を詳細に追う。
目次
はじめに――昭和期の小芝居への旅
【第一部】大正期から昭和期に活躍した小芝居劇団
第一章 小芝居劇団の概略
第一節 かたばみ座
第二節 中山(市松)延見子一座
第三節 劇団新鋭歌舞伎
第四節 細川興行
第五節 市川少女歌舞伎
第二章 備前屋中村芝寛一座と三河屋市川市蔵劇団
第一節 市川市蔵の岳父中村芝寛と大森家
第二節 市川市蔵と藤田家
第三節 初代市川団四郎と今井家
第四節 三河屋市川市蔵劇団に関わった役者たち
第五節 家族で固めていた小芝居劇団
第三章 市川市蔵劇団の活動の歴史と興行形態の変遷
第一節 藤田栄(市川市蔵)が座組した劇団の変遷
第二節 興行の実態と役者たちの日常
第三節 長期の活動が可能だった市蔵劇団
第四章 道具としての芸名
第一節 正統な襲名と命名
第二節 親族や師弟間の襲名と命名
第三節 大歌舞伎のネームバリューの利用
第四節 小芝居役者の命名・襲名の特徴
【第二部】 小芝居劇団が好んだ演目と演技
第五章 上演された演目の特徴
第一節 明治期以降によく上演された演目
第二節 上方風の演目とその演出
第三節 東西のしきたりの違い
第四節 小芝居に残った江戸期の歌舞伎の香り
第六章 小芝居独特の演出とその保持
第一節 市蔵劇団が上演した外題一覧
第二節 小芝居の演出と独自演目
第三節 演出の傾向
第四節 小芝居の持つ魅力と矜恃
第五節 演目や演出の伝承
第六節 観客の心をつかむ歌舞伎
第七章 劇評から見る小芝居劇団の演技――同人誌『劇友』誌上「歌舞伎劇卅七種を観る 小池橇歌」翻刻
第一節 歌舞伎愛好家同人誌『劇友』について
第二節 翻刻 「歌舞伎劇卅七種を観る 小池 橇歌」
第三節 橇歌が観た細川興行の演技内容
第四節 小芝居の実力
【第三部】 女役者たちの活躍
第八章 昭和期まで活躍した女役者の動向と消長
第一節 系譜
第二節 女役者たちの活動動向
第三節 女役者の消長と歌舞伎の近代化
第九章 大正期から昭和期の歌舞伎海外公演
第一節 渡米した歌舞伎一座
第二節 小芝居劇団のバイタリティー
おわりに――越境する歌舞伎
[資料]市川市蔵と岩井小紫の名跡について
一 「大和屋岩井小紫」の名跡の系譜
二 大歌舞伎と小芝居の交流
上記内容は本書刊行時のものです。