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三島由紀夫 海の詩学 「花ざかりの森」へ
- 初版年月日
- 2024年11月25日
- 発売予定日
- 2024年12月13日
- 登録日
- 2024年11月15日
- 最終更新日
- 2024年11月15日
紹介
著者は、少年三島由紀夫の混沌に見事な秩序を与えた。流血、心理模様、憧れ、多義的な「海」……。混沌は才能の未整理だ。学問的な内容を、情感を籠めて、流れるような文章で丁寧に謳った。眩しい成果である。
佐藤秀明(近畿大学名誉教授、三島由紀夫文学館長)
目次
プロローグ 海を見ていた午後
第1章 幼少期~初等科六年(六~十二歳)
1.憧れの海 ─初等科時代の詩歌と唱歌・童謡
2.童話と詩 ─小川未明の〈海〉を中心に
3.抒情詩人の夢をつないで ─初の手づくり作品集『笹舟』
第2章 中等科一年(十二~十三歳)
1.拓けていく世界 ─手づくり詩集『こだま─平岡小虎詩集』
2.こども部屋の中の海 ─手づくり詩集『HEKIGA─A VERSE-BOOK』・短編「酸模」
第3章 中等科二年(十三~十四歳)
1.オスカー・ワイルドに見た海(上)ロマンティシズムへの憧憬 ─聖セバスチャンとアンティノウスをめぐって
2.オスカー・ワイルドに見た海(下)異教への憧憬 ─詩「海の詩 A オスカァ・ワイルドの幻想」ほか、戯曲「路程」・「東の博士たち」ほか
3.十四歳の海 ─詩「訃音」・「凶ごと」、小説「館」の周辺
第4章 中等科三年(十四~十五歳)
1.ラディゲに憑かれた十五歳(上)─詩「岬のわかれ」・小説「心のかゞやき」を中心に
2.ラディゲに憑かれた十五歳(中)─小説「公園前」と「雨季」・「鳥瞰図」を中心に
3.ラディゲに憑かれた十五歳(下)─堀辰雄と小説「彩絵硝子」
4.空白の一年間 ─詩「少年期をはる」・「ゆめの凋落」・「幸福と悔恨の旅」ほか
第5章 中等科四年(十五~十六歳)
1.「花ざかりの森」の中の海(上)─『文藝文化』掲載までの道のり
2.「花ざかりの森」の中の海(中)─『マルテの手記』
3.「花ざかりの森」の中の海(下)─自筆原稿から見えるもの
主要参考文献
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。