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中世神仏の文芸と儀礼 有賀 夏紀(著) - 文学通信
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中世神仏の文芸と儀礼 (チュウセイシンブツノブンゲイトギレイ)

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発行:文学通信
A5判
240ページ
上製
価格 6,000円+税
ISBN
978-4-86766-078-2   COPY
ISBN 13
9784867660782   COPY
ISBN 10h
4-86766-078-7   COPY
ISBN 10
4867660787   COPY
出版者記号
86766   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2025年2月28日
発売予定日
登録日
2025年2月10日
最終更新日
2025年2月10日
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紹介

宗教言説と文芸との交渉のありさま、そしてその土壌となった儀礼空間をどう読み解くか。
仏教儀礼の場で生成されるテキスト類の特質と、その思想的・文化的背景を明らかにする。

本書は『神道集』および『辰菩薩口伝』『龍王講式』等の儀礼関連資料を中心に、中世宗教文芸の諸相と、その思想的基盤となる信仰や学問体系、成立環境について考える。

儀礼の言説から生じた文芸と、それを論理的に支えた思想との相関性を探るべく、第Ⅰ部「『神道集』の言説と思想」では、法会の言説に連なる『神道集』の本文表現を確認しながら、『神道集』を構築する知識の基層を分析。これによって『神道集』の根底に広がる教理・教説や神祇信仰、また注釈世界の様相を詳らかにし、『神道集』が重層的な営みの上に成り立つことを示す。
つづいて第Ⅱ部「真言宗寺院の儀礼と文芸」では、真言宗寺院に所蔵される儀礼関連の文献資料を検討する。とくに称名寺聖教の吒枳尼天関連資料や、天野山金剛寺蔵の『龍王講式』の分析を通して、儀礼関連資料の背景となる教説や学問活動の様態を探る。

目次

序 章 
一 本研究の方法
二 各章の梗概

第Ⅰ部 『神道集』の言説と思想

第一章 『神道集』研究史
一 本地垂迹説と『神道集』
二 『神道集』の成立と諸本
三 『神道集』研究の展開

第二章 『神道集』の本文表現と仏教儀礼
はじめに
一 本地説の形式と修辞
二 本地説の文言と法会資料
三 『神道集』の文章形成
おわりに

第三章 『神道集』の神祇観と実者
はじめに
一 神の分類「権者」と「実者」
二 実者神と「実業」
三 「権化実類」をめぐる中世の言説
四 『神道集』の三分類
おわりに

第四章 『神道集』「諏方縁起」の女神と禁忌
はじめに
一 南北朝期の「家」の問題
二 『神道集』の夫婦
三 「諏方縁起」の主題
四 春日姫と荒膚 / おわりに

第五章 『神道集』「白山権現事」の王子たち
はじめに
一 「五人王子」の本地説
二 白山信仰と禅定道
三 白山と五台山
おわりに

第六章 『神道集』の「鹿嶋縁起」と注釈
はじめに
一 『神道集』の「鹿嶋縁起」
二 鹿嶋神と天津児屋根
三 神宮寺と十一面観音
四 金鷲・銀鷲と日本紀注
五 『神道集』と東国の諸注釈
おわりに

第Ⅱ部 真言宗寺院の文芸と儀礼

第一章 『神道集』の辰狐王菩薩曼荼羅
はじめに
一 稲荷神の本地説
二 辰狐王と文殊菩薩(一)外用の徳
三 辰狐王と文殊菩薩(二)内証の功
四 対句表現と儀礼テキスト
五 眷属たちと本尊図像
六 『神道集』の現世と後生
おわりに

第二章 『辰菩薩口伝』と中世仮託文献
はじめに
一 「安然口決」と円密一致の曼荼羅
二 『法華経』と密教
三 「智証大師口決」と八分肉団
四 「真言法華の肝心」としての吒枳尼天
五 吒枳尼天をめぐる天台系所説
おわりに

第三章 『辰菩薩口伝上口決』と法華曼荼羅
はじめに
一 吒枳尼天の口決と円密の一致
二 並座する二仏と五大法性の宝塔
三 毘沙門天の宝塔と身心
四 吒枳尼天と即位灌頂
おわりに

第四章 『龍王講式』の式文世界
はじめに
一 天野山金剛寺蔵『龍王講式』における典籍利用
二 『釈摩訶衍論』の龍と宝珠
三 請雨経法と龍宮世界
四 神泉苑の石座と「最極秘事」
おわりに

結 語

初出一覧
あとがき
索引(Ⅰ書名・Ⅱ人名・Ⅲ神仏名・Ⅳ事項・地名)

著者プロフィール

有賀 夏紀  (アリガ ナツキ)  (

学習院大学大学院人文科学研究科日本語日本文学専攻博士後期課程単位取得退学。
博士(日本語日本文学)。専門は日本中世文学、宗教文芸。
現在、北海学園大学非常勤講師、早稲田大学日本宗教文化研究所招聘研究員。
論文に「金剛寺蔵『龍王講式』の式文世界―釈論注釈と祈雨儀礼をめぐって」(『人文』18号、2020年)、「吒枳尼天と『法華経』をめぐる儀礼の言説―称名寺聖教の吒枳尼天資料を手がかりに」(『人文』19号、2021年)、「『神道集』の神祇観と実者」(『北海学園大学人文論集』72号、2022年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。