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なぜ少年は聖剣を手にし、死神は歌い踊るのか 神戸神話・神話学研究会(編) - 文学通信
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なぜ少年は聖剣を手にし、死神は歌い踊るのか (ナゼショウネンハセイケンヲテニシシニガミハウタイオドルノカ) ポップカルチャーと神話を読み解く17の方法 (ポップカルチャートシンワヲヨミトクジュウナナノホウホウ)

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発行:文学通信
A5判
288ページ
並製
価格 1,900円+税
ISBN
978-4-86766-066-9   COPY
ISBN 13
9784867660669   COPY
ISBN 10h
4-86766-066-3   COPY
ISBN 10
4867660663   COPY
出版者記号
86766   COPY
Cコード
C0070  
0:一般 0:単行本 70:芸術総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年9月30日
書店発売日
登録日
2024年9月9日
最終更新日
2024年10月10日
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紹介

映画、マンガ、アニメ、音楽、ゲーム、ラノベを学問する方法!
ありとあらゆる場面で私たちは漫画を読み、ゲームをし、アニメや映画を鑑賞しています。この本は、それらを「学問」としてより深く知りたい、考えたいとあなたが思ったときに――ポップカルチャーと神話をめぐる学びの旅に出たいとあなたが思ったそのときに――携えるアイテム、手に取る一冊として作りました。

扱うのは、米津玄師「死神」、『BLEACH』、東方Project、『サマータイムレンダ』、『呪術廻戦』、『鬼滅の刃』、怪奇漫画、『美少女戦士セーラームーン』、蜷川幸雄の舞台演出、『葬送のフリーレン』、『坂道のアポロン』、『君の名は。』、『ゴジラ』、神話と宗教リテラシー、「美しい国」のポップカルチャー、『進撃の巨人』、『ジャガーノート』他多数。

各章の冒頭には、「アプローチ方法」と「作品概要」を記し、どのような学問的な立場から、どのような分析視点から、それぞれの論者が作品にアプローチするかを示し、読解していく方法を丁寧に記しました。

物語は、読まれると同時に私たちの見る世界を形作り、息づきはじめたイメージは、あらたな枠組みを作りはじめる――。そんな物語とそこに現れる神話は、現代を生きる私たちにとって何なのでしょうか。

ポップカルチャーや神話について関心がある人はもちろん、レポートや卒論のような少し「真面目」な目的でポップカルチャーや神話、あるいはその両方の関係を考えたいという人に。

執筆は、植朗子、清川祥恵、南郷晃子、川村悠人、渡勇輝、木下資一、斎藤英喜、横道誠、木村武史、勝又泰洋、三村尚央、上月翔太、鈴村裕輔、庄子大亮、平藤喜久子、藤巻和宏、河野真太郎。

装画:いそにん(@isonin7777)

目次

はじめに

[米津玄師「死神」×死神]
米津玄師「死神」考(南郷晃子)
一 はじめに/二 落語「死神」と米津玄師「死神」/三 落語「死神」のルーツ/四 日本における死神/五 死神の喜悦/六 終わりに

[BLEACH×言葉]
死神たちは言葉を振るう――『BLEACH』と古代インドにおける言葉と詠唱 (川村悠人)
一 はじめに/二 『BLEACH』と古代インドにおける言葉/三 言葉の詠唱/四 おわりに― 古代と現代を繋ぐ「言葉」

[東方 Project×幻想]
トポスとしての別世界――「東方 Project」の世界観と想像力(渡勇輝)
一 はじめに/二 データベースとしての東方/三 底流にある「神道」的世界/四 トポスとしての別世界/五 おわりに

[コラム]
『サマータイムレンダ』の蛭子神――異形神の孤独と悲しみ(木下資一)

[コラム]
「魔術師」として生きること(斎藤英喜)

[鬼滅の刃×聖剣]
『鬼滅の刃』炭治郎に継承される「聖剣」――日輪刀と刀鍛冶の物語(植朗子)
一 はじめに/二 日輪刀と鬼殺隊の超自然的な力/三 竈門家と「日の呼吸」をつなぐ縁/四 継承される「聖剣」縁壱の日輪刀/五 「聖剣」と「英雄」のモティーフ/六 「聖剣」継承の助力者となる刀鍛冶たち/七 おわりに

[怪奇マンガ×終末]
神話の原初的断片としての怪奇マンガ――ジャンル論的考察(横道誠)
一 聖俗×生理的な嫌悪感×狂気=戦慄+拙劣/二 日本怪奇マンガ小史/三 五つの作品に焦点を当てて/四 おわりに

[美少女戦士セーラームーン×ブリコラージュ]
美少女戦士セーラームーン――ブリコラージュと神話・宗教・スピリチュアリティ・科学技術(木村武史)
一 はじめに/二 伝統的な神話素とモチーフの採用と転換/三 セーラー戦士の身体表象/四 コズミックな戦い/五 科学 /技術と神話・宗教の融合/六 結び

[コラム]
ローマ神話の「母と息子」――『コリオレイナス』にみる蜷川幸雄の階段の利用法(勝又泰洋)

[葬送のフリーレン×記憶]
「英雄神話」の語り直しとしての『葬送のフリーレン』(三村尚央)
一 序/二 過去の模倣としての現在/三 「内なる心」を描く物語形式―叙事詩から小説へ/四 過去を思い出すことの重要性と危険性/五 「魔法」と「言葉」―自身の「外」と「内」の繋がりと断絶/六 結語

[坂道のアポロン×音楽]
ジャズする神々、あるいは友人たち――『坂道のアポロン』における神話的イメージの重なり合い(上月翔太)
一 「坂道のアポロン」とは誰か/二 もうひとりの「アポロン」/三 呪いと憧れの神話的イメージの重なり/四 光の交流/五 アポロン的音楽とディオニュソス的音楽のマンガ表現/六 ジャズのマンガ表現/七 ケンカとしてのジャズ

[君の名は。×彗星]
映画『君の名は。』に見出す「現代の神話」の可能性(鈴村裕輔)
一 はじめに/二 入れ替わる身体の神話性/三 水と彗星/四 彗星と大火/五 忘却と記憶/六 スペクタクルとしての災厄/七 おわりに

[ゴジラ×怪獣]
「怪獣」の神話性――『ゴジラ』たちは何を表象するのか(庄子大亮)
一 はじめに/二 ゴジラ映画の展開/三 ゴジラが意味するもの―ゴジラと竜/四 「他者」としての怪獣/五 怪獣の多様な相貌/六 おわりに

[コラム]
ポップカルチャーから何を論じるのか(平藤喜久子)

[コラム]
保守×愛国×神話――「美しい国」のポップカルチャー(藤巻和宏)

[進撃の巨人×天地創造]
国造りと(反)成長の物語――『進撃の巨人』とポスト冷戦の私たち(河野真太郎)
一 はじめに/二 巨人の神話/三 戦後日本と『進撃の巨人』/四 グローバリゼーションと民族紛争、部族主義へ/五 反成長と不思議の国の巨人たち

[ジャガーノート×ポスト・コロニアリズム]
暴走する運命――英米近代における「ジャガーノート」表象(清川祥恵)
一 序/二 「ジャガーノート」のエティモロジー/三 「狂気」の自覚/四 運命の糸/五 結論―暴走する世界の行方

あとがき(植 朗子)
執筆者プロフィール

著者プロフィール

神戸神話・神話学研究会  (コウベシンワシンワガクケンキュウカイ)  (

神戸神話・神話学研究会(通称:神神神 Shin Shin Shin)は2018年に神戸大学の研究プロジェクトから派生して発足した研究会です。おもに近現代を研究対象として活動しています。
https://shin3ken.wordpress.com/

植 朗子  (ウエ アキコ)  (

神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート学術研究員。伝承文学(とくに怪異を語る「伝説」)。『鬼滅夜話 キャラクター論で読み解く『鬼滅の刃』』(扶桑社、二〇二一年)、『キャラクターたちの運命論―『岸辺露伴は動かない』から『鬼滅の刃』まで』(平凡社新書、二〇二三年)など。

清川 祥恵  (キヨカワ サチエ)  (

佛教大学文学部講師、神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート連携フェロー。英文学・ユートピアニズム。「夜を生きるパンサーの子ら―映画『ブラックパンサー』における「神話」と「黒人の生(ブラック・ライヴズ)」」清川祥恵・南郷晃子・植朗子編『人はなぜ神話〈ミュトス〉を語るのか―拡大する世界と〈地〉の物語』(文学通信、二〇二二年)、「英雄からスーパーヒーローへ―十九世紀以降の英米における「神話」利用」植朗子・南郷晃子・清川祥恵編『「神話」を近現代に問う』(勉誠出版、二〇一八年)など。

南郷 晃子  (ナンゴウ コウコ)  (

桃山学院大学国際教養学部准教授、神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート連携フェロー。近世説話。「児島高徳の蓑姿―「近代」津山における歴史/物語の葛藤」清川祥恵・南郷晃子・植朗子編『人はなぜ神話〈ミュトス〉を語るのか―拡大する世界と〈地〉の物語』(文学通信、二〇二二年)、「花の名を持つ女―むごく殺されるお菊、お花をめぐって」木村武史編『性愛と暴力の神話学』(晶文社、二〇二二年)、「奇談と武家家伝―雷になった松江藩家老について」東アジア恠異学会編『怪異学講義―王権・信仰・いとなみ』(勉誠出版、二〇二一年)など。

川村 悠人  (カワムラ ユウト)  (

①広島大学大学院人間社会科学研究科准教授
②古代中世インドの言語論、文学、神話
③『ことばと呪力―ヴェーダ神話を解く』(晶文社、二〇二二年)、『神の名の語源学』(溪水社、二〇二一年)

渡 勇輝  (ワタリ ユウキ)  (

①摂南大学非常勤講師
②日本思想史
③「「古」を幻視する―平田国学と柳田民俗学」(『現代思想 総特集:平田篤胤』二〇二三年一二月臨時増刊号)、「柳田国男と「平田派」の系譜―大国隆正と宮地厳夫に注目して」(山下久夫・斎藤英喜編『平田篤胤 狂信から共振へ』法藏館、二〇二三年)、「近代神道史のなかの「神道私見論争」―国民的「神道」論の出現」(『日本思想史学』五二号、二〇二〇年)など。

木下 資一  (キノシタ モトイチ)  (

①神戸大学名誉教授 
②日本伝承文化論・日本説話文学
③神戸説話研究会編『論集 中世・近世説話と説話集』(共著、和泉書院、二〇一四年)、神戸説話研究会編『続古事談注解』(共著、和泉書院、一九九四年)、新日本古典文学大系『宝物集 閑居友 比良山古人霊託』(共著、岩波書店、一九九三年)

斎藤 英喜  (サイトウ ヒデキ)  (

①佛教大学歴史学部教授
②神話思想史
③『陰陽師たちの日本史』(角川新書、二〇二三年)、『読み替えられた日本書紀』(角川選書、二〇二〇年)、『折口信夫 神性を拡張する復活の喜び』(ミネルヴァ書房、二〇一九年)ほか。

横道 誠  (ヨコミチ マコト)  (

①京都府立大学准教授
②文学・当事者研究
③『グリム兄弟とその学問的後継者たち―神話に魂を奪われて』(ミネルヴァ書房、二〇二三年)、『村上春樹研究―サンプリング、翻訳、アダプテーション、批評、研究の世界文学』(文学通信、二〇二三年)、『みんな水の中―「発達障害」自助グループの文学研究者はどんな世界に棲んでいるか』(医学書院、二〇二一年)

木村 武史  (キムラ タケシ)  (

①筑波大学人文社会系教授
②宗教学、アメリカ研究
③『北米先住民族の宗教と神話の世界』(筑波大学出版会、二〇二二年)、『性愛と暴力の神話学』(編著、晶文社、二〇二二年)、『死の神話学』(編著、晶文社、二〇二四年)、その他多数。

勝又 泰洋  (カツマタ ヤスヒロ)  (

①京都大学非常勤講師
②西洋古典学
③「ピロストラトス『テュアナのアポッローニオス』におけるサスペンスの技法」(『西洋古典論集』二六号、二〇二二年)、「アエネーアースのトゥルヌス殺害を振り返る―アーシュラ・K・ル=グウィン『ラーウィーニア』で描かれる『アエネーイス』の結末場面」(『待兼山論叢』五三号、二〇一九年)、「語り手の自己呈示と読み手の形成―読者を引き込む語りの仕掛け」(小池登・佐藤昇・木原志乃編『『英雄伝』の挑戦―新たなプルタルコス像に迫る』京都大学学術出版会、二〇一九年)

三村 尚央  (ミムラ タカヒロ)  (

①千葉工業大学工学部教育センター教授
②イギリス文学、記憶研究(memory studies)
③『「記憶」で読む『鬼滅の刃』』(小鳥遊書房、二〇二四年)、『カズオ・イシグロを読む』(水声社、二〇二二年)、『記憶と人文学』(小鳥遊書房、二〇二一年)

上月 翔太  (コウヅキ ショウタ)  (

①愛媛大学教育・学生支援機構教育企画室講師
②西洋古典文学、高等教育論
③『カリキュラムの編成』(玉川大学出版部、二〇二二年、分担執筆)、『西洋古代の地震』(京都大学学術出版会、二〇二一年、共訳)など。

鈴村 裕輔  (スズムラ ユウスケ)  (

①名城大学外国語学部准教授
②比較思想・政治史・比較文化
③『政治家石橋湛山』(中央公論新社、二〇二三年)、『清沢満之における宗教哲学と社会』(法政大学出版局、二〇二二年)、“JoJo’s Bizarre Adventure and the Myth of the ‘Gentleman’: Cues from the Series’ ‘Phantom Blood’ and‘Battle Tendency’”(『名城大学外国語学部紀要』第七号、二〇二四年)

庄子 大亮  (ショウジ ダイスケ)  (

①関西大学等非常勤講師
②西洋文化史(神話の意味・継承・影響)
③『アトランティス=ムーの系譜学︱〈失われた大陸〉が映す近代日本』(講談社、二〇二二年)、『世界の見方が変わるギリシア・ローマ神話』(河出書房新社、二〇二二年)、『大洪水が神話になるとき︱人類と洪水 五〇〇〇年の精神史』(河出書房新社、二〇一七年)

平藤 喜久子  (ヒラフジ キクコ)  (

①國學院大學神道文化学部教授
②神話学
③平藤喜久子・港千尋共編著『〈聖なるもの〉を撮る』(山川出版社、二〇二三年)、平藤喜久子『神話の歩き方』(集英社、二〇二二年)、平藤喜久子・櫻井義秀共編著『現代社会を宗教文化で読み解く 比較と歴史からの接近』(ミネルヴァ書房、二〇二二年)

藤巻 和宏  (フジマキ カズヒロ)  (

①近畿大学文芸学部教授
②日本古典文学
③『聖なる珠の物語―空海・聖地・如意宝珠―』(平凡社、二〇一七年)、『近代学問の起源と編成』(井田太郎との共編著、勉誠出版、二〇一四年)

河野 真太郎  (コウノ シンタロウ)  (

①専修大学国際コミュニケーション学部教授
②イギリス文学・文化、ジェンダーとカルチュラル・スタディーズ
③『正義はどこへ行くのか─映画・アニメで読み解く「ヒーロー」』(集英社新書、二〇二三年)、『はたらく物語─マンガ・アニメ・映画から「仕事」を考える8章』(笠間書院、二〇二三年)、『増補 戦う姫、働く少女』(ちくま文庫、二〇二三年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。