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読んで、感じて! 古典みゅーじあむ 第5巻 もののけ 根来 麻子(編著) - 文学通信
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読んで、感じて! 古典みゅーじあむ 第5巻 もののけ (ヨンデカンジテ コテンミュージアム ダイゴカン モノノケ) 完結

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発行:文学通信
四六判
136ページ
並製
価格 1,500円+税
ISBN
978-4-86766-065-2   COPY
ISBN 13
9784867660652   COPY
ISBN 10h
4-86766-065-5   COPY
ISBN 10
4867660655   COPY
出版者記号
86766   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年12月6日
発売予定日
登録日
2024年11月10日
最終更新日
2024年11月15日
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紹介

ようこそ、古典みゅーじあむへ!
古典文学を、もっと身近に、もっと気軽に楽しんでほしい。
そんな想いから、生まれた5冊シリーズ「古典みゅーじあむ」。
古典のエピソードを1冊全12章、48話で紹介していきます。

本書は第5巻「もののけ編」。

鬼、おばけ、化け猫、UFO!? こわくてふしぎな話が大集合!
いつの時代も、私たちの心をつかんで離さない「こわい話」や「ふしぎな話」。
古典の中に登場する妖怪や化け物のエピソードを中心に、不思議な力を持った神さまや仙人の話、江戸時代に人気を呼んだ怪談などを取り上げました。タイムスリップしてそんな世界をのぞいてみましょう!

風土記、日本霊異記、扶桑略記、宇治拾遺物語、古今著聞集、源平盛衰記、絵巻・奈良絵本、播州皿屋敷、雨月物語、東海道四谷怪談、耳袋、甲子夜話などからピックアップして紹介します。

推薦・渡部泰明(国文学研究資料館館長)
「探してごらん。古典は、いつも、君のそばにあるよ。」

[特色]
「くらし編」「たべもの編」「どうぶつ編」「ことば編」「もののけ編」の五冊シリーズ
①古典のエピソードを全12章(各4話)で紹介。どこから読んでもOK!
②学校で習う作品から、少しマイナーな作品まで、幅広い古典作品を収録!
③各エピソードにある 「声に出して読んでみよう」で原文の音読に挑戦!
④収録作品の読書案内&年表つき!
⑤全文ふりがなつき(小学校高学年~)
対象は小学校高学年~大人まで。1話2分で朝読にぴったり!

目次

はじめに

この本の表記のルール

第1章 風土記

各地域の特色や特産品などについて、国ごとにまとめられた書物です。成立は奈良時代。地域に伝わる独自の伝説も数多く収められています。

つかまった息子は最後に
①ひとつ目の鬼

旅の安全は神さましだい
②神さまの怒り

お父さんから受け継いだ力
③神さまと結婚

地名に隠れた伝説
④不思議な火

第2章 日本霊異記

平安時代初期に作られた仏教説話集です。因果応報(いい行いにはいい結果が、悪い行いには悪い結果が返ってくること)をテーマにした話が収められています。

ごちそうで、命が助かる?
①鬼の約束を守ってみると

目が痛い、目が痛い……。
②どくろの恩返し

海の上を走る!
③神さまをも上まわる力?役行者

正体をつきとめよう
④鬼にも負けない力持ち 

第3章 扶桑略記

古代から平安時代後期までの歴史や仏教関係の出来事を記した歴史書です。編者は皇円という僧侶といわれ、歴史上の有名人に関する逸話が多く収められています。

ずっとずっと見ているぞ……。
①青い笠をかぶった鬼

色もかたちも変わる
②古代のUFO?

雷のように速い
③聖徳太子の空飛ぶ馬

知っているお話と違う?
④浦島太郎の伝説

第4章 宇治拾遺物語

鎌倉時代前期に作られた説話集です。作者未詳。仏教的な話をはじめ、笑い話や不思議な話などが幅広く収録されています。

おばけがいっぱい!
①ぞろぞろ歩く百鬼夜行

夢の中の美しい人
②ヘビの恩返し

不気味なほど大きい!
③ムササビの化け物

弱っている心にやって来る?
④まどわし神にとりつかれた話

第5章 古今著聞集

貴族や庶民のエピソードを集めた説話集です。成立は鎌倉時代中期。編者は橘成季。有名な人物の逸話から不思議な出来事まで、幅広く収録されています。

平安時代のヒーロー
①源頼光と鬼

あやしい光の中に……。
②命を奪う古池の化け物

刀を奪ってどこかへ……。
③猫には魔性がある?

大切な人のそばに
④生まれかわった乳母

第6章 源平盛衰記

平氏と源氏との戦いを描いた軍記物語です。作者未詳。『平家物語』の異本のひとつとされますが、『平家物語』にはないエピソードも多く収められています。

望みをかなえてくれる
①キツネの神さま

絶対に滅してやる!
②ネズミになったお坊さん

探しにいってびっくり!
③亡くした剣の持ち主は……。

私は魔王になる!
④天狗になった上皇

第7章 絵巻・奈良絵本

室町時代末期から江戸時代前期にかけて作られた、絵入の物語です。絵巻は巻物、奈良絵本は冊子体のものをいいます。

洞くつに続く血のあと
①化け物の正体は……?

国を奪おうとする
②美女に化けたキツネ

人間たちが知らない間に
③古道具が動き出す?

百の怖い話につられて
④日替わりで現れるおばけ?

第8章 播州皿屋敷

兵庫県姫路を舞台にした怪談です。さまざまなバリエーションがありますが、この章では、江戸時代に人形浄瑠璃の台本として作られた作品を取り上げます。

幽霊よりも怖いもの
①お城を乗っ取る計画を……。

大事なお皿をなくすわけないのに!
②お皿をなくした罪で……。

一枚……二枚……。
③お皿を数える幽霊

浄瑠璃以外でも演じられた!
④いろいろな皿屋敷

第9章 雨月物語

江戸時代後期に作られた怪奇物語集です。作者は上田秋成。幽霊やもののけなどが登場する、九つの短編・中編小説が収録されています。

不吉なお告げの結末は……。
①吉備津の釜から鳴る音

大切に使ってほしい
②お金の精霊

愛する人を失って
③鬼になったお坊さん

美しい女性に化けた
④ヘビの魔物

第10章 東海道四谷怪談

江戸時代末期に作られた歌舞伎作品です。作者は鶴屋南北。夫に殺された「岩」という女性が、幽霊になって復讐する物語です。

父の死の真相は……。
①民谷伊右衛門の悪だくみ

醜く崩れた美しい顔
②お岩と毒薬

念仏も効かないほどに
③お岩のたたり

明らかになった真実
④悲劇の結末

第11章 耳袋

江戸の役人であった根岸鎮衛が、人から聞いた興味深い話を書き留めた随筆です。成立は江戸時代後期。不思議な話や怪談・奇談が数多く収められています。

不思議な話も多い
①大きな口で吸い取るものは……。

得意分野をチェック!
②頭痛を治す神さま

二本足で踊ってしゃべる
③化け猫のはなし

お礼が言いたくて
④幽霊に会った男

第12章 甲子夜話

肥前の国(現在の佐賀県、長崎県)平戸藩主であった松浦静山の記した随筆集です。成立は江戸時代後期。政治的なことから世間のうわさ話まで、いろいろな話題が取り上げられています。

首が飛ぶ?
①ろくろ首のうわさ

愛されお坊さんの秘密
②ぶんぶくちゃがま

おへそを取られる?
③雷の正体はどんな姿

しっぽで人をなぎ倒す
④大きなヘビ「うわばみ」

読書案内
年表
シリーズ案内

前書きなど

はじめに



古典みゅーじあむへ、ようこそ。これからご案内するのは、「もののけ」たちの世界です。

いつの時代も、私たちの心をつかんで離さない「こわい話」や「ふしぎな話」。ぞくっとするはずなのに、なぜか聞きたくなってしまいませんか?また、鬼や妖怪は、マンガやアニメのキャラクターになることも多く、時代を超えて人気のある存在です。

この「もののけ編」では、古典の中に登場する妖怪や化け物のエピソードを中心に、不思議な力を持った神さまや仙人の話、江戸時代に人気を呼んだ怪談などを取り上げます。

昔の人々は、ふしぎな出来事が起こると、「神さまのしわざかもしれない」と考え、病気になったり不幸なことが起こったりすると、「もののけに取りつかれた」と考えました。「もののけ」は、漢字で書くと「物の怪」。つまり、亡くなった人の幽霊(時には生きている人の〝生き霊〟も!)が、人に取りついて悪さをしている、と考えたのです。そこから、人にとりついたり、悪さをしたりする存在全般―幽霊だけでなく、妖怪や化け物など―も、広い意味で「もののけ」と呼ばれるようになりました。

古典の中に一番よく出てくる「もののけ」といえば、やはり「鬼」ではないでしょうか。現代では、鬼といえば、体の色が赤色や青色で、角が生えていて、トラの毛皮のパンツをはいている……というイメージが定着していますが、このイメージは鎌倉時代あたりから出来上がってきたもの。古典の中に出てくる鬼のエピソードを読むと、その姿は実にさまざまです。ひとつ目の鬼もいれば(第1章①)、人間の子どものような身なりをした鬼もいます(第5章①)。幽霊のことを「鬼」といっている場合もあります(第2章④)。

また、人がうらみや怒り、強い無念などを抱いたとき、その思いを晴らすために、さまざまな「もののけ」に変化しました。この本では、天狗になってうらみをはらそうとした上皇の話(第6章④)、恋に執着するあまり、生きたまま鬼になってしまったお坊さんの話(第9章③)、幽霊になって、自分を殺した夫にたたる女性の話(第10章)などを取り上げています。

ちなみに、「もののけ」になるのは、何も人間だけではありません。長く生きた動物が、化け物になることもよくありました。猫の化け物(第5章③、第11章③)やムササビの化け物(第4章③)、クモの化け物(第7章①)にガマガエルの化け物(第11章①)まで、続々と登場しますよ。動物は、人間の身近な存在である半面、その習性や行動が独特なものも多いので、不気味なイメージを持たれやすかったのかもしれません。さらには、人でも動物でもない、「古道具の化け物」なんてものもいます(第7章③)。これなどは、怖いというよりも、どこかちょっとユーモラスです。

昔の人の想像力が生み出した、さまざまな「もののけ」たち。今も、皆さんのすぐそばにいるかもしれません。

著者プロフィール

根来 麻子  (ネゴロ アサコ)  (編著

和歌山県生まれ。大阪市立大学(現・大阪公立大学)大学院文学研究科後期博士課程修了。現在は、甲南女子大学文学部准教授。専門分野は、奈良時代の文学、ことば・文字。幼少時から、昔話や民話、落語などの「おもしろいお話」に親しむ。中学・高校時代に古典や歴史の授業を受ける中で、昔の人々のくらしや文化に興味を持ち、大学では国文学を専攻。好きな古典作品は『古事記』。

上鶴 わかな  (カミヅル ワカナ)  (

鹿児島県生まれ。大阪市立大学(現・大阪公立大学)文学部国語国文学コース出身。現在は、フリーの編集者として活動。主に小中学生向け教材の原稿執筆・編集・校正に携わっている。Webサイト「古典作品登場人物名鑑(https://koten-meikan.com/)」も運営。古典に本格的に興味を持ったきっかけは、小学生のころに親戚から百人一首かるたとその解説マンガをもらったこと。好きな古典作品は『宇治拾遺物語』。

上記内容は本書刊行時のものです。