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読んで、感じて! 古典みゅーじあむ 第4巻 ことば 根来 麻子(編著) - 文学通信
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読んで、感じて! 古典みゅーじあむ 第4巻 ことば (ヨンデカンジテ コテンミュージアム ダイヨンカン コトバ) 完結

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発行:文学通信
四六判
136ページ
並製
価格 1,500円+税
ISBN
978-4-86766-064-5   COPY
ISBN 13
9784867660645   COPY
ISBN 10h
4-86766-064-7   COPY
ISBN 10
4867660647   COPY
出版者記号
86766   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年12月6日
発売予定日
登録日
2024年11月10日
最終更新日
2024年11月15日
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紹介

ようこそ、古典みゅーじあむへ!
古典文学を、もっと身近に、もっと気軽に楽しんでほしい。
そんな想いから、生まれた5冊シリーズ「古典みゅーじあむ」。
古典のエピソードを1冊全12章、48話で紹介していきます。

本書は第4巻「ことば編」。

生き生きと変化していまへつづく、想いを伝えることばたち。
昔と現代の言葉とでは、言葉のかたちや発音・意味が、大きく変化しています。古典の言葉は、いわば、今私たちが使っている言葉のご先祖さま。「言葉」「表現」「文字」を中心に、古典の「ことば」の世界を楽しめるエピソードを集めました。タイムスリップしてそんな世界をのぞいてみましょう!

万葉集、古事記、竹取物語、古今和歌集、枕草子、源氏物語、今昔物語集、方丈記、平家物語、宇治拾遺物語、狂言、なぞなぞなどからピックアップして紹介します。

推薦・渡部泰明(国文学研究資料館館長)
「探してごらん。古典は、いつも、君のそばにあるよ。」

[特色]
「くらし編」「たべもの編」「どうぶつ編」「ことば編」「もののけ編」の五冊シリーズ
①古典のエピソードを全12章(各4話)で紹介。どこから読んでもOK!
②学校で習う作品から、少しマイナーな作品まで、幅広い古典作品を収録!
③各エピソードにある 「声に出して読んでみよう」で原文の音読に挑戦!
④収録作品の読書案内&年表つき!
⑤全文ふりがなつき(小学校高学年~)
対象は小学校高学年~大人まで。1話2分で朝読にぴったり!

目次

はじめに

この本の表記のルール

第1章 万葉集

奈良時代~平安時代初期に成立した和歌集です。編者は大伴家持といわれ、約四五〇〇首もの歌が収められています。

昔のほめ言葉たち
①美人のまゆは、月のよう?

お願い神さま!
②恋のためなら死んでもいい?

気持ちに苦しめられたときは
③恋心を人にたとえて

雲の波をのりこえて
④夜空を渡る「月の舟」

第2章 古事記

神話から天皇家の成り立ちをまとめた書物です。成立は七一二年(奈良時代)。上巻は神話、中・下巻は天皇家の物語となっています。

恐ろしいバケモノ退治
①ホオズキのように真っ赤な目

人間が永遠に生きられない理由
②岩のように長生き?

あわてて送ったメッセージには
③大根のように白い腕?

ヒーローの愛したふるさと
④大和は国の「まほろば」

第3章 竹取物語

平安時代初期の物語文学です。作者未詳。竹から生まれた美しい「かぐや姫」が主人公のファンタジー作品です。

お姫さまのつよい一言
①帝を「かしこい」と思わない?

かぐや姫が眺めて悲しむ
②「おもしろい」月ってどんなもの?

罪をつぐなうために
③人間の世界は「きたない」ところ?

天の羽衣を着るとき
④おじいさんを「かなし」と思う、とは?

第4章 古今和歌集

平安時代前期の勅撰和歌集(天皇の命令で作られた歌集)です。季節の歌や恋の歌など、約一一〇〇首が収められています。

一日中あなたのことばかり
①「ながめ」は恋の物思い

ぼうっとしていたら
②「いたずら」に過ぎて行く?

落ちこんで口から出る
③「なげき」は長いため息?

野原をさまようお坊さん
④心が「あこがれる」って?

第5章 枕草子

平安時代中期に作られた随筆集です。作者は清少納言。一条天皇の中宮・定子に仕える日々の出来事をはじめ、想いや考えなどが綴られています。

どんなふうに呼び合っていたの?
①「あなた」に住む人

尊敬しています
②「きみ」は身分の高い人

むっとしてしまう
③「おれ」って、いったい誰のこと?

昔の手紙に書かれている
④主人に対して「おまえ」?

第6章 源氏物語

平安時代中期に作られた長編物語です。作者は紫式部。光源氏という架空の貴族を主人公とする物語で、主人公とさまざまな女性との恋愛模様が描かれています。

今より自由に使われた言葉もあった
①「つぶつぶ」なのは、どんなもの?

しほしほ、よよ、ほろほろ……。
②泣き方もいろいろ?

自分のもとへやって来る
③「ねうねう」は何の鳴き声?

たった一人だけに使われた
④「あざあざ」と美しいとは?

第7章 今昔物語集

平安時代末期に成立したと考えられる仏教説話集です。作者未詳。インド・中国・日本を舞台にした物語が多数収められています。

ぞぞぞぞぞ……。
①怖くて、毛が太る?

よけいなことを言わなければ
②言い間違いを指摘したら……。

水の上にも文字が書ける?
③書道の達人・空海

海の向こうの知らない世界
④語り継がれる不思議な話

第8章 方丈記

鎌倉時代前期に作られた随筆集です。作者は鴨長明。立て続けに起こった災害の様子や筆者の思い、世俗を離れた暮らしなどについて綴られています。

狭くて小さい家がお気に入り
①お坊さんが住んだ「方丈」とは?

都をおそったつむじ風
②木の葉のように飛んでいく家

悲しいことばかりじゃない
③長明を「なぐさめ」たのは?

移り変わっていく
④世の中を水の泡にたとえて

第9章 平家物語

平氏と源氏との戦いを中心に、平氏一門の栄枯盛衰を描いた軍記物語です。成立は鎌倉時代。作者未詳。琵琶法師の語りによって伝えられたものといわれています。

大きな武器で戦うお坊さんは
①「さらさら」と走る?

風でゆれる扇をねらって
②矢を射る音は……。

敵に追いつめられたときの
③悲しい笑い声は

今も海の底で眠る
④「ひらひら」と光る剣

第10章 宇治拾遺物語

鎌倉時代前期に作られた説話集です。編者未詳。仏教説話をはじめ、笑い話や不思議な話などが幅広く収録されています。

秀才が挑戦する!
①「子」を十二個つなげると?

いきなり着物を投げこむ失礼さ
②「が」で、身を滅ぼした男

昔のみやびな遊び
③歌にモノを詠みこむわざ

違う意味にもとれてしまう言葉
④「こそ」は愛称にもなる?

第11章 狂言

室町時代に大成した演劇のひとつです。登場人物のせりふだけで物語が進行し、庶民の生活や失敗などがおもしろおかしく描かれます。

あきれた主人もおどりだす
①「すえひろがり」って何のこと?

小さいころから大事に育てた
②けなげで、かわいいサル

絶対に食べてはいけない
③「ぶす」とはいったい?

つよがりな山伏のとなえる
④カニを退治する呪文

第12章 なぞなぞ

室町時代~江戸時代にかけて、なぞなぞを集めた本が数多く作られました。この章で取り上げるのは、『なぞだて』『寒川入道筆記』『なぞのほん』という本です。

どうしてかな?考えてみよう!
①昔の人にしかわからないなぞなぞ

次は自分でも作ってみよう!
②漢字のかたちを分解して……?

今度は少し難しいぞ
③文字を入れかえるとできるものは何だ?

たし算、かけ算も知っている
④数字や九九でもなぞなぞができる!

読書案内
年表
シリーズ案内

前書きなど

はじめに



古典みゅーじあむへ、ようこそ。今から皆さんをご案内するのは、古典の「ことば」の世界です。

もしも、「今日から言葉を使ってはいけません」なんていうことになったら、どうしますか?「お水が飲みたい」という希望も伝えられませんし、「ありがとう」という気持ちも伝えられませんね。もちろん、ある程度は、身ぶり手ぶりで伝えられますが、長い文章や複雑な内容は、なかなか正確には伝えられません。私たちにとって言葉は、起こった出来事や自分の気持ちを伝えるために、なくてはならないものです。

人間は、何千年もの昔から、言葉を使ってお互いにコミュニケーションを取ってきました。もっとも、昔の人が使っていた言葉と、現代の私たちが使っている言葉とでは、言葉のかたちや発音・意味が、大きく変化しています。古典の言葉は、いわば、今私たちが使っている言葉のご先祖さま。この「ことば編」では、「言葉」「表現」「文字」を中心に、古典の「ことば」の世界を楽しめるエピソードを集めました。

まず注目したいのは、「今と昔とでは意味が違っている言葉」です。たとえば、「おもしろい」という言葉は、今だと「おもしろいコント」のように、思わず笑いたくなるような出来事や様子を指して使うことが多いですね。ですが古典の中では、「月のおもしろういでたる」(月が美しく出ている)というように、風流ですてきな様子を表す時にも使われます。「おもしろし」はもともと、目の前がぱっと明るくなるような、すばらしいものごとに出会った時の気持ちを表す言葉です。昔は、景色の美しさや芸術のすばらしさなどに対して使うことが多かったのですが、しだいに、ユーモアのある様子まで表すようになっていきました。言葉の意味は、長い時間の中で少しずつ変化したり、幅を広げたりしながら、現代まで受け継がれているのです。第3・4・5章では、こうした「現代語とは異なる意味を持つ言葉」を、主に取り上げています。

また、ものごとを生き生きと伝えるために工夫された、さまざまな表現にも注目したいところです。第1・2章では、和歌や物語によく使われる比喩表現(「鈴のような声」のように、何かを何かにたとえる表現)を取り上げています。古典独特の比喩表現をみてみると、「えっ、そんなものにたとえるの?」と驚くことうけあいです。

さらに、擬音語・擬態語も外せません。「トントンと戸をたたく」のように音を表す表現を「擬音語」、「すらすら本を読む」のように様子を表す表現を「擬態語」といいますが、古典を読んでいると、現代語とはひと味違った擬音語・擬態語をたくさん見つけることができます(第6章・第9章)。たとえば、ネコの鳴き声は現代語では「にゃー」ですが、古典ではなんと表現されているでしょうか?(答えは第6章③をごらんください)。

その他にも、室町時代の会話劇である狂言のせりふや、言葉遊び・なぞなぞも取り上げました。「タイムスリップして、昔の人々の会話を聞いてみたい!」―、本書を読みながら、そんなふうに感じてもらえるならうれしいです。

著者プロフィール

根来 麻子  (ネゴロ アサコ)  (編著

和歌山県生まれ。大阪市立大学(現・大阪公立大学)大学院文学研究科後期博士課程修了。現在は、甲南女子大学文学部准教授。専門分野は、奈良時代の文学、ことば・文字。幼少時から、昔話や民話、落語などの「おもしろいお話」に親しむ。中学・高校時代に古典や歴史の授業を受ける中で、昔の人々のくらしや文化に興味を持ち、大学では国文学を専攻。好きな古典作品は『古事記』。

上記内容は本書刊行時のものです。