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読んで、感じて! 古典みゅーじあむ 第2巻 たべもの 根来 麻子(編著) - 文学通信
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読んで、感じて! 古典みゅーじあむ 第2巻 たべもの (ヨンデカンジテ コテンミュージアム ダイニカン タベモノ) 完結

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発行:文学通信
四六判
136ページ
並製
価格 1,500円+税
ISBN
978-4-86766-062-1   COPY
ISBN 13
9784867660621   COPY
ISBN 10h
4-86766-062-0   COPY
ISBN 10
4867660620   COPY
出版者記号
86766   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年12月6日
書店発売日
登録日
2024年11月10日
最終更新日
2024年12月13日
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紹介

ようこそ、古典みゅーじあむへ!
古典文学を、もっと身近に、もっと気軽に楽しんでほしい。
そんな想いから、生まれた5冊シリーズ「古典みゅーじあむ」。
古典のエピソードを1冊全12章、48話で紹介していきます。

本書は第2巻「たべもの編」。

この巻ではタイムスリップして昔の人々の食事風景をのぞいてみることにします。
楽しんだり、願いをこめたり、命がけだったり!?
古典の中の人々も、私たちと同じように、毎日ごはんを食べ、時にはスイーツも味わい、特別な日にしか食べられないメニューを楽しみにしていました。

万葉集、古事記、風土記、枕草子、源氏物語、今昔物語集、宇治拾遺物語、徒然草、御伽草子、川柳(誹風柳多留)、東海道中膝栗毛、浮世風呂などからピックアップして紹介します。

推薦・渡部泰明(国文学研究資料館館長)
「探してごらん。古典は、いつも、君のそばにあるよ。」

[特色]
「くらし編」「たべもの編」「どうぶつ編」「ことば編」「もののけ編」の五冊シリーズ
①古典のエピソードを全12章(各4話)で紹介。どこから読んでもOK!
②学校で習う作品から、少しマイナーな作品まで、幅広い古典作品を収録!
③各エピソードにある 「声に出して読んでみよう」で原文の音読に挑戦!
④収録作品の読書案内&年表つき!
⑤全文ふりがなつき(小学校高学年~)
対象は小学校高学年~大人まで。1話2分で朝読にぴったり!

目次

はじめに

この本の表記のルール

第1章 万葉集

奈良時代~平安時代初期に成立した和歌集です。編者は大伴家持といわれ、約四五〇〇首もの歌が収められています。

いつからその習慣があったの?
①夏バテにうなぎ?

おいしく食べるこんな工夫があった
②魚介類のいろんな食べ方

甘いスイーツ、瓜と栗?
③身近なおやつ

気分を和らげてくれるパートナー
④楽しみとしてのお酒

第2章 古事記

神話から天皇家の成り立ちをまとめた書物です。成立は七一二年(奈良時代)。上巻は神話、中・下巻は天皇家の物語となっています。

桃太郎はなぜ桃から生まれたの?
①食べ物の魔よけの力

天上界から追放されたある神さま
②食べ物が鼻やおしりから!?

いつも輝いている
③不老不死のみかん?

シカもウサギも?
④魚と肉は大事な食べ物

第3章 風土記

各地域の特色や特産品などについて、国ごとにまとめられた書物です。成立は奈良時代。地域に伝わる独自の伝説も数多く収められています。

もちに、さらに里芋に!
①白鳥が食べ物に変身!

戦いはうまくいくか、作物はうまく育つか
②川魚・アユで占い!

その土地の特産品自慢
③こんなに豊富!海の幸

徳川家康も好んで食べた!
④レンコンは薬だった?

第4章 枕草子

平安時代中期に作られた随筆集です。作者は清少納言。一条天皇の中宮・定子に仕える日々の出来事をはじめ、想いや考えなどが綴られています。

千年以上前から受け継がれてきた
①七草がゆの始まり

お菓子をつまんでしまう清少納言
②やっぱりスイーツが大好き!

清少納言が目撃したら、注意しているかも?
③恋人との食事ははしたない!?

かみ合わないやりとりが別れにつながった?
④ワカメに託したメッセージ

第5章 源氏物語

平安時代中期に作られた長編物語です。作者は紫式部。光源氏という架空の貴族を主人公とする物語で、主人公とさまざまな女性との恋愛模様が描かれています。

かりんとうやだんごのルーツも?
①どんなスイーツがあった?

氷水をかけたご飯?
②夏にはやっぱり涼をとる食べ物

行事ともちの昔からの関係とは?
③もちに願いを

長生きへの願いをこめて
④平安人も歯が命

第6章 今昔物語集

平安時代末期に成立したと考えられる仏教説話集です。編者未詳。インド・中国・日本を舞台にした物語が多数収められています。

奈良の特産・マクワウリ
①瓜を分けてあげなかったばかりに……。

せっかくアドバイスを受けたのに
②ダイエットのはずが……。

見て楽しむもの?食べるもの?
③焼きハマグリはおいしいけれど……。

ばちがあたった?
④ヘビになったそうめん

第7章 宇治拾遺物語

鎌倉時代前期に作られた説話集です。編者未詳。仏教説話をはじめ、笑い話や不思議な話などが幅広く収録されています。

今か今かと待っていたのに……。
①ぼくもおもちを食べたい!

おなかいっぱい食べたかったはずなのに
②食べ放題はうれしいけれど……。

夢に出てきたお坊さんは二、三十人
③きのこに生まれかわったお坊さん?

巻き簀の中から出てきたものは?
④生の魚は貴重品

第8章 徒然草

鎌倉時代に作られた随筆集です。作者は兼好法師。作者が見聞きした出来事や、社会に対する考えなどが綴られています。

がっかりしたのはみかんの木が……。
①風流な家のそばに

時代によって変わる魚のイメージ
②高級な魚は何?

特別な日のごちそう
③おもてなしのおやつ

授業中も病気のときも食べちゃう!
④お坊さんの大好物は?

第9章 御伽草子

室町時代~江戸時代初期にかけて作られた、絵入りの物語類を指します。分かりやすいストーリーで、その多くは、今に伝わる昔話の原話となっています。

猫とネズミと人間の複雑な関係
①猫とネズミの好物は何?

食べるならこっそり……。
②イワシは嫌われ者?

今も竹に名を残す孝行息子
③親孝行とタケノコ

野菜が人間の言葉を話す?
④梅をなぐさめる野菜たち

第10章 川柳(誹風柳多留)

川柳は、五・七・五の定型詩です。俳句よりも自由で、笑いや社会への風刺が主なテーマになっています。『誹風柳多留』は、川柳の句集の名称です。

寒い日はこれに限る!
①江戸のファーストフード

命は惜しい、でも……。
②なんとしても、フグを食べたい!

時間をかけず、すぐに食べたい!
③江戸が生んだ食べ物、にぎり寿司

不機嫌に見えても商売繁盛!
④子どもたちに大人気の飴細工

第11章 東海道中膝栗毛

江戸時代後期に作られた小説です。作者は十返舎一九。江戸から東海道を歩いて伊勢参りに行く二人の男の珍道中を描いています。

言葉遊びから生まれた決まり文句
①その手は桑名の焼き蛤

食べる前に大げんか!
②とろろ汁で大騒ぎ

今も静岡市の名物!
③将軍も好んだ安倍川もち

今はよくわからない不思議な食べ方
④こんにゃくと焼け石

第12章 浮世風呂

江戸時代後期に作られた、滑稽本と呼ばれる小説のひとつです。作者は式亭三馬。町の風呂屋に集まる人々の会話をメインに、暮らしの様子をおもしろおかしく描いています。

節約料理ランキングで上位に入った!
①江戸の節約レシピ

関東風と関西風、どっちがいいの?
②うなぎのあれこれ

江戸と地方、それぞれの得意・不得意
③安すぎる鰹・高すぎる大根?

好きなおかずを詰めてもらって……。
④江戸時代もお弁当が楽しみだった

読書案内
年表
シリーズ案内

前書きなど

はじめに



古典みゅーじあむへ、ようこそ。この「たべもの編」では、昔の人々の食事風景をのぞいてみることにしましょう。毎日のごはんやおやつは、私たちにとって大きな楽しみのひとつです。「今日の晩ごはんのメニューは何かな?」とわくわくしたり、大好きなおやつが待っていると分かれば、寄り道せずにまっすぐ家に帰ったりすることもありますよね?また、誕生日などの特別な日に食べるケーキや、お正月の特別なごちそうも、楽しみのひとつになっています。

古典の中の人々も、私たちと同じように、毎日ごはんを食べ、時にはスイーツも味わい、特別な日にしか食べられないメニューを楽しみにしていました。もちろん、奈良時代から江戸時代までの長い期間の中で、食べものの種類や食事の習慣は大きく変わりましたが、いつの時代も、「食べる」ことは人々の大きな活力になっていたのです。

現代では、手に入る食材も豊富で、料理にも多くのバリエーションがあります。日本にいながらにして、イタリア料理やフランス料理、エスニック料理など、世界各国の料理を食べることができますね。だからこそ、日本ならではの「日本食」に、ふたたび注目が集まっているわけですが、日本食のルーツとなる料理やその材料などが、古典の中にはたくさん出てきます。たとえば、「うなぎ」。奈良時代にはすでに食べられており(第1章①)、江戸時代にはかば焼きもできました(第12章②)。また、日本食の代表に挙げられる「お寿司」は、現代では少々高級なイメージもある料理ですが、では、江戸時代はどうだったのでしょうか?第10章(③)を読んでみてください。

普段の食事だけでなく、スイーツ事情も気になります。サトウキビから作る砂糖が一般に普及したのは、実は、江戸時代になってからのこと。それまでは、甘いものといえば、もっぱら果物でした。そんな中でも、貴族たちのおやつには、植物の樹液を煮詰めて作ったシロップ(甘葛)を使った甘いお菓子が登場します。中には現代の和菓子のルーツになったものもありますが、当時はもちろん、一握りの人々だけが楽しめる、最高級スイーツでした(第4章②・第5章①)。

また、古典の中の食べ物・食事に注目してみると、昔の人がどんなものを食べていたかだけでなく、「食べ物や料理にどのような思いを込めていたか」ということもみえてきます。第2章で紹介する桃やみかん(橘)には、特別な不思議な力が宿っていると考えられていましたし、第4章①に出てくる「若菜」は、現代にも残る「七草がゆ」のルーツです。昔の人々にとって食べ物は、健康や長寿などの願いを託す、大事な存在でもあったのです。

どのページをめくっても、とにかくおいしそうなエピソードばかりですので、おなかが空いているときに読むのは危険かもしれません。手元にお気に入りのおやつを用意して、くつろぎながらゆっくり読んでください。

著者プロフィール

根来 麻子  (ネゴロ アサコ)  (編著

和歌山県生まれ。大阪市立大学(現・大阪公立大学)大学院文学研究科後期博士課程修了。現在は、甲南女子大学文学部准教授。専門分野は、奈良時代の文学、ことば・文字。幼少時から、昔話や民話、落語などの「おもしろいお話」に親しむ。中学・高校時代に古典や歴史の授業を受ける中で、昔の人々のくらしや文化に興味を持ち、大学では国文学を専攻。好きな古典作品は『古事記』。

上鶴 わかな  (カミヅル ワカナ)  (

鹿児島県生まれ。大阪市立大学(現・大阪公立大学)文学部国語国文学コース出身。現在は、フリーの編集者として活動。主に小中学生向け教材の原稿執筆・編集・校正に携わっている。Webサイト「古典作品登場人物名鑑(https://koten-meikan.com/)」も運営。古典に本格的に興味を持ったきっかけは、小学生のころに親戚から百人一首かるたとその解説マンガをもらったこと。好きな古典作品は『宇治拾遺物語』。

上記内容は本書刊行時のものです。