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琉球文学の展望 島村 幸一(著) - 文学通信
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琉球文学の展望 (リュウキュウブンガクノテンボウ)

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発行:文学通信
A5判
620ページ
上製
価格 8,000円+税
ISBN
978-4-86766-034-8   COPY
ISBN 13
9784867660348   COPY
ISBN 10h
4-86766-034-5   COPY
ISBN 10
4867660345   COPY
出版者記号
86766   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年2月28日
書店発売日
登録日
2024年1月30日
最終更新日
2024年3月13日
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紹介

琉球文学をこれからどう考えていけばいいのか。今後の指針となる重要な書。
「琉球人」の歌の日本人への受容のあり方や琉球を介する中国文化・文物の日本へ流入の仕方を、幅広く丁寧に描く。
文学、歌謡、オモロ、歴史叙述、交流、人物について、深化発展した研究、新たなテーマも含んだ、研究の最前線。著者六冊目の書。
全体を第一部「総論」、第二部「琉球歌謡研究」、第三部「オモロ研究」、第四部「琉球文学の歴史叙述」、第五部「琉球文学の交流・交叉」、第六部「「沖縄学」の人物」により構成。これからの展望を示す。

目次

まえがき

第一部 総論

第一章 琉球文学
1 琉球文学とそれに近接した文学資料/2 琉球文学/3 琉球文学のウタ世界

第二章 琉球の詩歌 琉歌とオモロ、琉歌と和歌
1 琉歌とオモロ/2 琉歌と和歌

第三章 琉球往還 唐・ヤマトとの交際・交叉─近衛家煕と程順則・向受祐(玉城朝薫)の会見を中心に─
1 はじめに/2 近衛家煕と会見した程順則/3 もうひとりの会見者、玉城朝薫/4 朝薫の組踊/5 おわりに

第二部 琉球歌謡研究

第一章 宮古島狩俣の神歌、フサの表現─異なる歌唱主体から─
1 はじめに/2 フサの定型表現/3 アブンマが先導するフサ/4 ウヤパーのフサ/5 まとめ

第二章 琉球文学の表現、唱えられる神話─『久米仲里間切旧記』を資料にして─
1 はじめに 『久米仲里間切旧記』という資料/2 『仲里旧記』に入るウタ/3 比嘉ノロの問題/4 『仲里旧記』に記される神名/5 火の神の出自を唱えるオタカベ/6 沖永良部島のユタの呪詞、シマダテシンゴ/7 まとめにかえて、『仲里旧記』のウタのジャンルをめぐる問題

第三章 琉球の御拝ツヅ
1 はじめに/2 研究史/3 御拝ツヅの事例/4 おわりに

第四章 首里の旅歌─「旅グェーナ」と「だんじゅかりゆし」─
1 はじめに/2 『踊合―首里の旅うた』という資料/3 見里春の祖父と母/4 「旅グェーナ」/5 「旅グェーナ」の内容と構成/6 「だんじゅかりゆし」/7 「だんじゅかりゆし」の排列と構成、「旅グェーナ」との比較/8 「だんじゅかりゆし」の謡い継ぎ/9 まとめ

第三部 オモロ研究

第一章 「地方オモロ」論─排列を『琉球国由来記』「各処祭祀」の記載から考える─
1 はじめに/2 第二「中城越来おもろ 首里王府の御双紙」を例として/3 第十五「浦添北谷読谷山おもろ御双紙」を例として/4 まとめ

第二章 第十三「船ゑとのおもろ御双紙」の排列
1 はじめに/2 第十三の排列/3 まとめ/表

第三章 「色々のおもろ御双紙」第九・第十二・第十四の排列
1 はじめに/2 表1 第九「色々のこねりおもろ御双紙」の排列から見えること/3 表2 第十二「色々の遊びおもろ御双紙」の排列から見えること/4 表3 第十四「色々のゑさおもろ御双紙」の排列から見えること /5 まとめ/表1・表2・表3

第四章 第十一「久米島オモロ」論に向けて─世礼国男「首里ゑとおもろ双紙抹消論」の検討─
1 はじめに/2 世礼国男「首里ゑとおもろ双紙抹消論」/3 「首里ゑとおもろ双紙抹消論」の検討/4 「首里ゑとおもろ双紙抹消論」を踏まえて/5 まとめにかえて

第五章 琉球王府の雨乞い儀礼─尚家文書『雨乞日記』『雨乞御代参日記』と雨乞いのオモロ─
1 はじめに/2 『球陽』の雨乞い関連記事/3 『琉球国由来記』の雨乞い関連記事/4 『雨乞日記』『雨乞御代参日記』(尚家文書)の雨乞い記事/5 琉球王府の雨乞い儀礼のウタ―雨乞い歌・オタカベ・オモロ―/6 まとめ

第四部 琉球文学の歴史叙述

第一章 『古事集』(鎌倉芳太郎資料)の叙述─『琉球国由来記』と『琉球国旧記』にふれながら─
1 はじめに/2 『古事集』の構成/3 『古事集』と『琉球国由来記』、『琉球国旧記』/4 『古事集』/5 まとめ/表1・表2・表3・表4・表5

第二章 『球陽』の叙述─「順治康煕王命書文」(『古事集』)から─
1 はじめに/2 「順治康煕王命書文」と『球陽』/3 『球陽』と「王命書文」とが対応する叙述
4 『球陽』が採らない「王命書文」記事/5 まとめ

第三章 宮古島の士族「忠導氏仲宗根家」の家譜叙述─「八重山征服」をめぐる「悲劇」譚と「征服」譚─
1 はじめに/2 正史の「八重山征伐」記事/3 「八重山征伐」をめぐる『球陽』記事と『忠導氏家譜』記事/4 金盛の娘、マブナリの「悲劇」譚/5 まとめにかえて

第四章 『倭文麻環』に記された二つの「琉球」記事
1 はじめに/2 「球美島天馬」/3 「八重山島長人」/4 まとめ

第五章 『周藺両姓記事』─家譜の外縁にある物語─
1 はじめに/2 主人公、藺篤義/3 『周藺両姓記事』の叙述/4 『周藺両姓記事』に登場する人々/5 まとめ

第五部 琉球文学の交流・交叉

第一章 渡来宗教者の文学
1 はじめに/2 禅家の渡来/3 真言系の渡来/4 浄土系の渡来宗教者/5 ニンブチャー(念仏者)とチョンダラー(京太郎)

第二章 琉球和文学の背景─『大島筆記』を資料にして─
1 はじめに/2 『大島筆記』第五巻の「琉球歌」「琉球人和歌」「雨夜物語」「永峯和文」/3 「船頭雇長峰」/4 「永峯和文」

第六部 「沖縄学」の人物

第一章 「島袋源七」研究─ある「沖縄学」研究者の足跡─
1 はじめに/2 『山原の土俗』/3 源七の上京と戦前期の研究の足跡/4 戦後期の研究の足跡/5 まとめにかえて

あとがき
初出一覧
索引

著者プロフィール

島村 幸一  (シマムラ コウイチ)  (

1954年生まれ。立正大学文学部教授。専門は琉球文学・琉球文化史。
著書・編著に『『おもろさうし』と琉球文学』(笠間書院、2010年)、『琉球文学の歴史叙述』(勉誠出版、2015年)、『おもろさうし研究(立正大学文学部学術叢書3)』(角川文化振興財団、2017年)、『琉球船漂着者の「聞書」世界 『大島筆記』翻刻と研究(叢書・沖縄を知る)』(勉誠出版、2020年)、『おもろさうし選詳解』(文学通信、2023年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。